Globe of Gottorf
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2 min readOct 8, 2018
昼と夜を二元的に分かつことがあくまでも便宜上の手法の一つであるように、中心と周縁を分かつことはあくまでも全体の一部を表しているに過ぎず、同時に一部によって全てを見通そうとする努力の一端なのだろう。それをわかりやすく示しているのが、”Globe of Gottorf” 17世紀につくられた天球儀の存在である。
その約3メートルほどの大きさの天球儀は、内部に入り込むことで惑星の運行と時を計ることができる。そのために天球儀は機械仕掛けで24時間かけて内部に再現された星々が天道的に回転するようになっている。唯一動かない足元は天球儀の内部において絶対的な支配力を持つ。しかしそれは必ずしも宇宙の中心ではないということをコペルニクス以降、我々は知っている。すなわち天球儀が回転するにしたがって中心は至る所にあり、それ故に周縁がぼやけてくるということがその内部で起こる。
ボルヘスの、そしてマクルーハンの言葉通りだ。
Centers everywhere margins nowhere — McLuhan