ブルシットに悩まされて削られているなら、去ったほうがいい。

Yuka Ohishi
7 min readOct 16, 2016

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from http://imwithherbecausehescrazy.com/

最近世の中ではいろんなことが起きていて、それとはまるで関係ないように自分の世界(主に会社員としての仕事)も目まぐるしく忙しく慌ただしく通り過ぎていくんだけど、どうしてもこのタイミングだから書き残しておきたいような気がして。

どうしても電通社員の方の過労自殺の件で、私のココロはしばらくざわざわしていた。

なんでだろう?って考えて、関連記事を読んだりしていた。そして行き着いた答えは、

そうだ、私はどうしてもブルシットが許せないんだ。

búllshìt (!⦅卑⦆) 名詞 [U] ばかげたこと, ほら(⦅略⦆B.S.)▸ a load of bullshitでたらめ.

英語で this is bullshit というのは、誤魔化しや、嘘や、理不尽なことや、不誠実なことを指摘する時に使われる。

ブルシットに削られるということ

特に電通社員の方に関する色んな記事を読んでいて、他人事とは思えなかった。私も新卒の時辛くて辛くて、ちょっとうつになりながらも、削られて、耐えて、削られて、最終的に悪いループから抜け出すことができたから。

新卒の2年間、多分人生で一番辛かった。電通の方のツイートが引用されて記事になっていましたが、自分のツイートも遡って見た。(2011年から全てのツイートをTwieveを使ってEvernoteにバックアップしている。)彼女と同じ24歳とかだった。ツイートを見返してみると、全然辛そうじゃない。なんなら結構テンション高めのツイートばかり。そうだった。辛すぎるけど、ある程度パブリックなペルソナができているから、自分しか見えない鍵垢作って愚痴っていたんだった。今はアカウントもパスワードも忘れてしまったけど。

何がそんなに辛かったのか。それは、自分も、周りもブルシットに溢れていたから。労働時間も長かったけど、それだけではそんなに簡単に辛くならない。って色んな方のアンサー記事に書いているけど、本当にそうだと思う。

そこに色んな方向からのブルシットが降り掛かってくると一気に辛くなる。辛いというか、削られていく。とてもお世話になった先輩や、切磋琢磨できた同期もいたけど、彼らに助けられるよりも削られるパワーの方が大きくなってしまっていたときも、正直あった。

私を削っていったのは、

  • ユーザに共感できないプロダクトを作っている状態の自分
  • ユーザに共感できないプロダクトを作る上でのノウハウだけが溜まっていくキャリアに対する不安
  • アメリカでは絶対に許されないような、パワハラ・セクハラがジョークとして通用してしまう日本の労働環境
  • パワハラ・セクハラに対して抗議できない空気感(KY、新卒のくせに、みたいな)
  • 年上の男性の尻拭い的な仕事をしたのに、手柄を横取りされたり、挙句の果てにセクハラなコメントをされる
  • 女性に対するアンコンシャスバイアス (無意識に同等のレベルの男性より評価を下げられたりすること。これについてもいつか詳しく書いてみたい。)
  • そもそも評価基準が曖昧でよく分からない
  • 新卒で入った会社には3年以内で辞めたらだめ、っていう謎の日本的常識
  • 明らかに失敗に終わるようなプロジェクトにアサインされる

こういったことにだんだん削られるとどうなるかというと、

  • 仕事中、突然涙が止まらなくなって、女子トイレにPCを持ち込んで泣きながらトイレの個室で仕事をする
  • ストレス性胃痛
  • 基本的に体調が悪くなる
  • 家で一人になると隣人のちょっとした物音にキレて泣き出すなど、感情がコントロールできなくなるときがある
  • こんな気持になるために高い私立の大学に行かせてもらったはずじゃない、と親に申し訳なくなる
  • こんな気持になるために、生まれてきたのかと、人生の意味を疑い始める
  • 辞めたいけど辞めたら拾ってくれるところがあるのか、不安で辞められないけど辞めたい

というようなことになる。

ブルシットスパイラルからの脱却

本当に本当に、このままでヤバイ、自分の人生のコントロールを取り戻さないと、蟻地獄に少しずつ足を取られて沈んで行ってしまう!!と思い、プロコン表を作って、今の状況に留まるメリットとデメリットを書き出した。次に、自分にとって理想の仕事・人生とはどのようなものなのか書き出した。

その結果、給料と立地以外、現状のメリットがなかったww

そして、「自分が心から信じていて、ユーザであるプロダクト以外作りたくない。」ということが仕事をする上で一番大切だと気付いた。

ということで、この書きなぐりセッションをしてからすぐに転職活動を始めた。転職活動のてんやわんやも書き出すと長いんだけど、端的に言うと、思いもよらない形で、「自分が心から信じていて、ユーザであるプロダクト」に関われる仕事に出会い、現在は「作る」の部分へも少しづつ近づいて行っている。

「辞めたいけど…」と悩んでいた時期に決断しきれなかったのは、自分に軸を置けるようになるまでにとても時間がかかってしまったから。自分だけが悩んでいて、他の人はなんとも思っていないという時に、私が弱いから?私がおかしいの?と、思ってしまいがち。そう思って我慢を続けている人って世の中にたくさんいると思う。結局自分の価値観を軸に置いたら、私に合わない環境に長くいることは、会社にとっても自分にとっても何もプラスにならないことに気付いた。逃げるんじゃなくて、もっと合うところを探しに行くと思ったら、もっとポジティブに思えるんじゃないだろうか。

前職の同期で新卒からずっと同じ会社にい続けて活躍している人もいるし、他のところへ移ったり、起業して活躍している人もいる。前職で活躍している人たちが、私が最高と思っている今の職場に来ても活躍できないかもしれない。本当に十人十色で適材適所。自分の色は自分で探さないと、親も会社も友達も、探してくれないよ。

ブルシットを受け入れない人生

アメリカの労働環境(少なくとも私がいる環境)は、ブルシットが圧倒的に少ない。それでも同僚たちはブルシット撲滅のために今日も戦っている。性別や人種へのアンコンシャスバイアスをなくしたり、フェアな評価制度、採用プロセスを考ることを、データ・ドリブンな方法で行っている。

アメリカ最高〜って言う話(ていうかトランプみたいなブルシットの塊みたいな人を支持している人がいるような国なので、マクロでみるとそんなに最高でもないw)をしたいわけではない。ただ、言いたいのは、私はブルシットを見つけたら、撲滅しようとするし、それができない、もしくは自分の時間を割いて撲滅する価値がないなら、そこから去ることにした。遊牧民でもいいじゃないか。合う場所を探して、見つけて、作っていけるような人間になりたい。

命短し。ブルシットに悩まされて削られているくらいなら、去ったほうがいい。仕事だけじゃなくて、恋愛や、人間関係だって、全て同じこと。自分にも、他人にも、誤魔化さず、正直に、誠実になれば、きっと少しずつ上手くいく。一歩目で少し損したような気がしても、絶対に倍返しで得になる。そう信じている。

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Yuka Ohishi

Creator Programs & International @Pinterest / weekend creator @ www.blossomlink.me / podcaster on @backspacefm / wife of @tksohishi