人は誰もがみんな独りきりなのだという話。-「ひとりぼっち惑星」について

「ひとりぼっち惑星」というアプリがにわかに人気になって、Twitter上でたくさんのスクリーンショットが上げられるようになったので、遊んでみました。

人間が誰もいなくなったあとの地球にひとりぼっちで暮らす生き物となって壊れた部品を集めていく、いわば、一昔前に流行ったなめことかの放置ゲーの類なのですが、人気を集めた理由は別のところにあります。

人はみんな「ひとりぼっち」

「ひとりぼっち惑星」の目的は、宇宙から誰かのメッセージを受信することです。はじめ受信できるメッセージは予めアプリ内に用意されたものですが、アンテナを最大まで拡張すると、今度は同じようにアプリで遊んでいる他の誰かのメッセージを受信できるようになります。
それと同じく、自分も「送信機」を作ることで、誰かに声を届けられるようになります。

メッセージボトル系のアプリは今までにも何度か作られているので、これが特別にユニークだったわけではありません。それでもここまで群を抜いて人気を博したのは、ひとえにその世界観と音楽、イラストのなせる技だと思います。

コミュニケーションはだいたい暴力

メッセージボトル系アプリの中にはやってきたメッセージに返信できるものもありますが(Like程度の反応を返せるものも含めればほとんどが可能)、「ひとりぼっち惑星」は完全に一方通行です。
自分のメッセージをどこの誰が読んでいるかは分かりません。裏返せば、メッセージを読んでいる相手なんて誰でもいいわけです。下手をすれば、向こう側に本当に生きた人間がいる確証なんて無くても。

誰でも良い、とにかく誰かと話したい、いや、誰かに一方的に話を聞いてほしい話さえ聞いてくれるなら誰でも構わないから。

普段私たちがぎゅっと抑えつけている本音なのかもしれません。

ついでに自己顕示欲も満たせる(かもしれない)

「ひとりぼっち惑星」が上手いなと思ったのは、すべての画面にスクリーンショットが撮れるボタンを置いていることです。

右端のカメラボタンでスクリーンショットを撮って、そのまま共有することができます

アプリの側で「送られてきたメッセージを誰かに共有する」ことを推奨しているわけです。実際、Twitter上には名前も知らない誰かから送られてきたスクリーンショットが沢山公開されており、秀逸なものは多くのいいねやリツイートを集めています。

もし面白いメッセージ・話題になりそうなメッセージを送ることができたら、そしてそれを受け取った相手が誰かにシェアしてくれたら、自分のメッセージが巡り巡って再び自分の目に触れるかもしれない。そんな形で自己顕示欲を満たすことができる可能性もあるわけです。

人はみんなさみしい生き物

けれど、実際のところ「ひとりぼっち惑星」がこれだけ人気になったのは、その世界観に共鳴した人がたくさんいたからだと思います。

「人間が皆いなくなった後の地球」は、様々な創作でテーマにされますがし、そうした世界観を好む人も多いです。

広い世界に自分たったひとり。そのひりつくような孤独感やじれったいほどの虚無感は、誰もが簡単に想像し共感できる、意外と身近な感情なのかもしれないなあ、と思いました。

多分人は、本質的にさみしい生き物なのかもしれない、という話です。