Outfit with Practicality and Questioning Restrictions _01
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この秋から自動二輪に乗り始めたことによる服装の変化について、図式で説明します。
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普段の服装
袖や裾が長い・布の面積が多い・中間色を重ねる・白っぽいの・真っ黒も着る・腰紐で締め付ける・ダボダボ好き・腰がピタピタのも好き
ここから、それぞれの乗り物に快適に/安全に乗るためにいくつかの制限が発生します。
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自転車に乗る服装
(自転車の右足側はたいてい金属のわりと鋭利なパーツがむき出しで、裾が太かったり長かったりするとそこに巻き込まれて噛まれたり食いちぎられることがあるため裾の巻き込みをしないようにする必要がある・家を出るときは寒くても漕いでいるうちに発汗してくるので温度調整のしやすさが必要・また伸びない素材のタイトスカートは裂けてしまうので履かない)
2019年夏まで、服装に対する制限はこの「自転車に乗る」ことだけでした。しかし、ひょんなことからバイクを手に入れたので、秋からは新しい変数が発生。予期せぬ制限を課されいままでとは違う服装をする必要が出ました。
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バイクに乗る服装
丈が長い服はバイク操作のじゃまになる上、へたすると燃える(バイクの種類によりますが、私のバイクは乗っているうちに加熱するパーツがむき出しなので、そこに布類が触れると燃えてしまう)ので基本的にたけ足らず・フィット感を重視した服装をしなくてはいけません。ブーツイン・タックイン必須です。
また、常に風に晒されるために風対策 — 素肌を晒さない・燃やさない — あちあちのマフラーに触れさせない・他のドライバーに視認してもらうために暗い色は着ない・つま先で操作しなければならない/いざという時踏ん張るかもしれないので底やつま先が丈夫な靴を履く
そう、本当に別に好きでこういう格好をしているわけではない。マットブラックのフルフェイスヘルメット超強そう、べつに強い格好したいわけではない。でもかっこいい黒い服は色々持ってるしそれを着たい気もするけど、めちゃくちゃ危険な初心者ドライバーなので歩行者、自転車、自動車に犬、もう道をゆくあらゆるものたちに視認され警戒されたいので、派手な色を選ぶ。黄色のジャケットにあわ色のジーンズをあわせてブーツインとか、もう何を目指している格好なのかわからない。でも、こういうことでもないとこんなトンチキな色合わせをは絶対にしないし、これはこれでいいかもしれない。安全面を最優先して着地した結果がこれなら受け入れて過ごすほかありません。なかなかイケてるでしょう。胸をはっていきましょう。そうです、ひたむきに安全を目指しているのです。
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しかし、いくらそういう状況を楽しめる奇特な性質を持ち合わせていようと、こうして二輪にたくさん乗る機会が増えて制限を課せられつづけると、さすがに鬱憤が溜まってくるものです。そこで雨が降ってバスにしか乗れないとき、大阪に行くので電車に乗るとき、東京への出張など普段とは違う移動リズムが発生するときを心待ちにするようになります。
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二輪による制限から(待ちに待った)解放を迎えたときの服装
とにかくダボつかせる、パツパツのタイトスカートを履く、真っ黒を着る、風で繊細に揺れる素材、風を通しまくる素材、ズルズルの雨合羽、脱ぎ着しにくいやつ、ちょっとくらい寒くてもかまわん、底の薄い靴も履ける!うれしいなあ、うれしいなあ。
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服と二輪、自分の好きなものの掛け算によって生まれる制限を煩わしく思うことももちろんあります。しかし、乗り物に応じて発生する制限に対する問いかけを基に、アンサーとしての服装に身を包む面白さを知ることにもなりました。ただ冬にバイクに乗るには桁外れの寒さに負けない服装をしないといけません。暖冬とはいえ12月の京都でバイクを乗り回すことに耐えうる防寒着を一切持っておらず、真冬の北欧で意地を張り続けて絶対に着用しなかったダウンジャケットをついに着ることになるのでしょうか。
愛と愛のぶつかり合い、意地と実用で張り詰めた均衡は何によって崩されるのか、今後の展開をどうぞ温かく見守っていただけたらと存じます。
ちなみに、バイクは人に無料で譲ってもらいました。そのあたりの話が読みたいかたはこちらをどうぞ - 冷蔵庫なし生活してたらバイクもらえた話
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