例の件

例の件について少しだけ書こうと思った。時事ネタに乗っかるのは好きじゃないんだけど、自分にも身に覚えがあるから書こうかと。

あらかじめわたしの感情を書いておくと、わたしは彼を許せないと思う。ただ、それはわたしは彼とは絶対に友達になりたくない、ということよりも強い内容を主張できるものではない。わたしが許せないからといって、彼に何かしらの被害が及んでいいわけでももちろんない。わたしは糾弾したいのではない。

ただ、わたしの感情を書きたいと思ってこの記事を投稿する。


わたしは今年転勤している。それは別に隠すようなことではない。どっかに書いた。ただ、その理由は今まで秘匿していた。隠していたのは書きたくなかったのもあるが、書く理由もなかったからだ。

理由は大きく3つあった。うち2つは業務の問題であって、ここで書きたいことではないし、むしろ転勤先からの要請だからその職場を離れたい理由ではない。わたしが当時のオフィスを離れる直接の理由になったのが、まさしくこの「女性差別」だった。

当時(おそらく今もそうだろう)、わたしが居たオフィスは女性への差別発言であふれていた。大学院生の女の子のバイトをいわゆる「姫」扱いしたり、昼にお好み焼きを食べながら台湾の風俗で女性を買った話を聞かされたり、「技術なんてなくていいからかわいい女性をマスコットとして雇いたい」、「もし入ってきてくれたら自分の生産性は10倍になる」とかいう会話がなされたりしていた。

GANという画像などを生成できる技術の話題をしようとすると理論の話は一切せずにいかにしてエロ画像を生成するかという話になり、VRの話をするとVR対応AVの話になり、旅行の話をすると歓楽街(大阪の飛田新地や北海道のすすきのなど)の話になる。そんな職場だった。あらゆる話題の中で、女性を人としては扱わず、モノやチアガールや性処理の道具扱いしている言動が多数あって本当に不快だった。

1年以上そんな場所で働き、我慢の限界に達していた。そこで役員に相談したところ、転勤をする方向に話が進んでいった。

差別を差別と思っていないあの空気の中、彼らは無意識に女性を排し、わたしもまた無意識に排斥された。きっと彼らはいまもなぜわたしが出ていくことになったのかの真の理由を知らないのだろう。自分は性別は男性だし、彼らとそこは同じだ。しかし彼らの中ではわたしはマイノリティであり差別や排斥の対象だった。マジョリティはマジョリティのままで、無意識のうちにマイノリティを排していく。それはそれは無邪気に。


わたしが今回の件で感情的になって彼のことを許せないのは、わたし自身がそうした発言に傷つけられ排斥された人のうちの一人だからだ。だから、あまり冷静に彼の発言を読めないし、読みたくない。

冗談であれ本気であれ、そうした無邪気な発言により傷ついたり、転職や転勤を余儀なくされる人がいる。そういうことを想像できないということが、1年以上にわたりわたしを傷つけ、差別し続けた男たちの姿と重なるのだ。


以上の文章はすべてわたしの感情であり、反応である。論理的な批判でもなければ思考の結果でもない。何かを主張したいわけでもない。わたしは怒っただけだ。

怒りは何も生まない。この記事だけ残して、もう忘れることにする。