「誰に見しょとて」というSF

誰に見しょとて、ってSFがあるんです。ハヤカワの、文庫じゃないからちょっと高いけど。

菅浩江って女性の方が書かれたSFなんですがコレのお題が面白い。

SFって言ってら頭に浮かぶのはタイムマシンだったり宇宙だったり計算機だったり、そんな感じがほとんどじゃありません?

文字通り天文学的数字の彼方にある外宇宙の果て、AIが算出する思慮の水底。そんな近未来な未知を通して人間を、はたまたそれに代わる存在の内を書き出すのが大凡万人が考えるSFじゃないですか。

でもね、そんなthe SFと言った作品ばかり読んでいるとやっぱり変わりダネが欲しくなる。毎日目玉焼きに醤油をかけてるとある日無性にソースをかけたくなる、飽きるってわけじゃないんですがそういう人間なんです。

そしてもし同じ想いをSFに抱いている人がいたら、もしロボットも時空的概念も1mmも出てこないようなSFを味わいたい人がいたら、ぜひこの本をオススメしたい。

前振り長くなりましたがこの「誰に見しょとて」ひと言で表すなら コスメSF です。そう、あのデパートの1階や渋谷の専門店でキラキラ光ってる、あのコスメです。

さて大多数のSF愛好家には無縁なモノであろう概念です、事象の地平線について説明できてもアイプチすら説明できない種族なんです。

そんな我々にとってある意味宇宙よりも程遠い概念がありがたいことにSF小説という理解可能な形に記述されて来たんです、そんなの味わうしかないでしょう?

それにひとえにコスメと言っても太古の昔に遡り、顔を洗うという行為から近未来における人体改造、身体拡張という進化まで、化粧というレンズを通して人間の有り様へ肉薄する… まさにコレをSFと呼ばずしてなんと記述すると言うのか。

色々偉そうに語りましたがほんと好きなんですこのSF、皆さんだってキラキラしながら街中を歩く女の子はキライじゃないでしょう?そんな女の子たち、女性たちが親よりも信頼してるコスメという概念の一片に我々も触れる事ができるんです、そりゃもう楽しいに決まってる。

詳しい内容は言いません。もしこれを読んで結局どんなSFだよ!と思った貴方はきっと幸福です、この作品を読む理由ができました。そしてもし作品を読んで思うところが少しでもあったなら、胸に残るなにかを感じたなら、ぜひSNSやBlogなりにわけてあげて下さい。

いつの日かその欠片に触れる機会がある事を祈って。

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