拙著『生産性はなくても本は出せる』を紙本で出版しました

Migiwa Arisaka
5 min readSep 9, 2017

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はじめに

BCCKSにて2冊目の拙著であり、最初のエッセイ集である『生産性はなくても本は出せる』を紙本でも出版させていただきました。

伊集院静先生や白川道先生などの偉大なる先達を目標に頑張って書いて出版に漕ぎ着けました。

拙著の画像をクリックしていただけると、購入ページへと移動可能になっております。

かなり割高になりましたが、よろしくお願いいたします。

ジャケットイメージ

解題

これを書いていたときはこんなに時間と労力がかかるとは思っておらず、本当に難儀しました。弊ブログ『誇りを失った豚は、喰われるしかない。』より、書評以外の部分をピックアップして大幅な加筆訂正を施しました。

『生産性はなくても本は出せる』

僕がこのような珍妙なタイトルをつけた理由は本書内に収録されている『前口上』にも詳しくは書いておりますが、ここでもう一度述べさせていただきますと、札幌に住んでいたときの最後の1年間に、そこで供されるコーヒーが目当てで(現在は供されていない模様)通い詰めていた若年者向けの就職斡旋施設で僕はそこの職員とトラブルを起こし、彼ら彼女のリーダー的立場だった女性キャリアカウンセラーなる職種の女性から言われた
「あなたには生産性というものが何一つない!」
という言葉に起因しているのであります。

僕はこの言葉をいつか使って何か表現をしてみようとかねてから思っていたわけですが、そんなことを都合10年近くも覚えている自分の粘着性気質に我ながら呆れているところでございます。そのときに
「生産性って何ですか?」
なんて答えた僕も僕ですが…。ですので、このエッセイはある意味で彼女の存在抜きには完成しえないわけでございます。そういった意味では僕は彼女に非常に感謝しております。

しかし、彼女の言う就職者向けのアドバイスを一切無視したからこそ、本書は世に出ることができたわけでございまして、そこは表裏一体の意味を持ち合わせていると、僕は分析しております。

収録されている文章の大本となったのは、現在、書評を中心に掲載させていただいている弊ブログ『誇りを失った豚は、喰われるしかない。(このタイトルに先日クレームが来てとてもビックリしたことを覚えている)』の中の書評以外の部分を抽出し、それにほ大幅な加筆訂正と書下ろしを追加して電子本化したものであります。

参考としたものは「我らがアニキ」ことタレントの伊集院光さんのお書きになられたエッセイ『のはなし』シリーズであり、本書を執筆、編集している間も幾度となく読み返しておりました。

収録した話は『のはなし』シリーズに倣って80本ほどでありますが、編集作業の過程で何回も読み返しているうちに、
「あんなこともあった、こんなこともあった」
という変に感傷めいたものが僕の中に去来してきて仕方がありませんでした。

自分で本を作成、出版するということは作家、編集者、デザイナー、そして営業と本来なら多くの人間が関っていることを自分ひとりで手がけるということであり、それが楽しいのか、それとも苦痛であるかで結果は大きく違ってくるのでありましょう。本書を作成していてそんな気がいたしました。

「紙」というマテリアルにさえこだわらなければ、「自分が書いた本を出版する」という行為の敷居は本当に低くなりました。

僕はかつて、『遠浅の海』の原稿を札幌時代、とある大手出版社に持ち込んで担当の編集者に精神科医の香山リカさんにとてもそっくりだった)に出版の意向を伝えると、
「最低でも300万円は負担していただきたい」
と言われた時のことから考えると、本当に『時代は変わる』と思ったものでございました。よろしければ、手にとっていただけると幸甚に思います。

読者からの感想

・ラムネさんの感想

「 また格闘技や滝行などの描写では、本当に体験しているのではないかと思うほどでした。」

はい。実際に経験しております。

・ ふらりんさんの感想

「 ただ、本著を見る限り生産性がないとは思えず、非常に活動的に見えます。
どこが「生産性のない部分」なのか、カウンセラに会って話を聞いてみたいと
思いました。」

その10年後にそのうちの一人に合うとは僕も思っていませんでした。もちろん、相手は憶えておりませんでしたが…。

・みかん星人さんの感想

「 あと、これは有坂氏への注文なのだけど、変換誤字が目立つようなので、これまた電子出版なので、漸次修正していただけると良いと思う。」

だからこそ、そういうことが出来るように頑張っております…。

・sayuさんの感想

「(中略) 有坂さんは妹さんに「お兄ちゃんは何になりたいの?」と聞かれて『ライ麦畑でつかまえて』の登場人物と同じように「ライ麦畑のがけっぷちに立って、がけに堕ちそうな子供をさっと救って、それから何事もなかったように佇んでいる。そんな大人になりたいんだ」と答えている。」

これはのちに大学生を教えることで実現できた気がします。

まとめ

この本は『遠浅の海』とともに僕が出した初期の本なので、これがこうして紙。電子書籍問わず、世の人に読まれることは本当に感謝しておりますし、これからもそうであってほしいなと、ささやかながらそのようなことを考えております。

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