Podcast派に朗報! ようやくオーディオブックの時代が到来か?

7月からTBSラジオがポッドキャストから撤退して以来、毎日聴くコンテンツの不足が常態化している。普段聴かないような新しいジャンルの開拓に勤しんでみたが、目ぼしいものは見つけられなかった。

とにかく出先にダウンロードして持ち出せる、音楽でない、ながら聴きできるコンテンツが欲しい、しかも大量に。それに応えてくれそうなのが、オーディオブックの世界に見つかった。

前からFebeでいくつかコンテンツを買って使っていたのだが、以前は自己啓発や実用系のものばかりで、小説は青空文庫の朗読版みたいで、ほとんど新しいものは見つからなかった。それがどうだ。ここ最近は、芥川賞や直木賞の最新受賞作が出てきたり、電子書籍では出さないと公言している百田直樹の作品や、新書や評価の高いビジネス本もオーディオブック化されはじめている。

もちろん無料ではなく、中には本を一冊買うほどの値段のものもあるが、買って聴きはじめるともうPodcastに戻れなくなる。確かに、Podcastと違って、すき間時間のながら聴きには向かない。ノンフィクション物はながら聴きではすぐ置いてけぼりで、巻き戻しの連続となるので集中力を要するし、本を一冊そのまま読み下しているためそれなりに分量がある。

それでも一つ聴き終えると、すぐ次のタイトルに手が伸びるようになるはずだ。それと、Podcastでは得られない効用として、本を読んだ時に感じられる、脳内で論理的な思考の回路が活性化しているのを実感する。なかなか積読状態で、本が読めないと嘆いている人には、とにかくリハビリがてらに試してみるのをお薦めする。

次に、独断と偏見でFebeで聴くべきコンテンツをあげてみる。

「他者の課題」であるはずのことまで「自分の課題」だと思い込む。こうした承認欲求に縛られた生き方を否定し、「課題の分離」という考えを呈示するアドラー心理学をわかりやすく日本に紹介し、一昨年大いに話題となった本書は、構成上も対話形式で進むため、もともとオーディオブック向きのコンテンツで、すでに一読していた自分もあらためて聴いて新たな発見を得られた良書。現在、ベストセラー1位。

Paypalを創業し、Facebookなどへ積極的に投資を行なっている著者によるスタートアップ指南書で、不毛な競争を回避し、小さくニッチな市場で独占的利益を得るためには何が必要かを、これから会社を創業しようとする読者への熱いエールに満ちた書。骨の髄までのリバタリアンである彼による、時に意表を突かれる示唆に富む世界の見方は一読の価値あり。こちらも、現在ベストセラーリスト入り。

戦後の日本は、米国に対してはへつらうが、中国や韓国には敗戦を否認し居丈高に振る舞ってきた。国内では東京裁判や憲法を否定するが、押し付けた米国には盲目的に従属する。最初は、国内の利権の構造を維持する目的で、これらの歪みを伴う従属を自覚的に受け入れていたが、最近は無条件で従属し、そのことが自己目的化するようになってきたと説く。ポチよろしく”アメリカのケツ舐め路線”を邁進するこうした日本政治の姿は、多くの左派系識者に共通する物の見方なので、批判精神を育んでくれる。

佐藤優の本は、Febeでも対談物も含め、たくさんオーディオブック化されているが、本書がベストだろう。著者の怪物的な読書遍歴が紹介されるので参考になるのかと不安になるが、とにかく新しいビジネスマンに向けた受験指南書なので、読み終えた後に大量に教科書を買い込み勉強したくなること請け合い。

海外ミステリ界のフェルメール(上品さの対極だけど)。フロスト警部シリーズの長編はわずか6冊、そのどれもが翻訳されれば年末ミステリーの上位に登場する傑作揃い。愉快だが下品きわまりないジョークを連発するフロストと、自惚れが強く日和見で俗物のマレット署長との対決は、腹が捩れるほどおかしさで、周りに人がいると聴きながらニヤニヤしてしまうので要注意。

中村雅俊をはじめとする豪華な俳優・声優陣によるオーディオドラマ。感動に浸るというより、読んだ後で奮い立つというか、いまやっていることにもっと真剣に取り組もうという気にさせられる本。こんな男たちがいたのかと感嘆するとともに、我知らず涙が止まらなくなる。

最後に注意点として、配信が突然停止されることがあるので、次に聴きたいと思っている本はリスト化して常に確認しておいた方がいい。以前までは、池井戸潤の『ロスジェネの逆襲』などの半沢シリーズがラインナップにあったのだが、いまはなくなっている。残念至極。

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