トランプのトリセツ

トランプは鏡。

こちらが怒れば、鏡の向こうも怒る。こちらが笑顔なら、鏡の向こうは笑顔で返す。そう、ACジャパンの「硬い瀬戸物どうしがぶつかると、割れてしまう」という広告が当てはまる。

厄介なのは、怒り出すのは、いつも鏡の向こうが先であること。

でも、慌てて相手の土俵(メキシコ)に上がるなかれ。アメリカにしか興味がないのだから、アメリカの話をしてあげればいい。メキシコの話は、どんなに丁寧にしても、聞いてくれない。

スイングステートにしか興味がないから、スイングステートの話題がいい。選挙後、地方遊説した先はスイングステートだった。

雇用が増える話しか興味がないのだから、事業計画の中から、雇用が増える案件を探しだそう。グロスの数字で構わない。ネット(差し引き、純)の数字など、興味はないのだ。


いつもトランプが聞いてる、トランプの目に留まることを気にしておこう。あなたに質問してるキャスターや記者は、キャスターでもなく、記者でもない。味方でもない。太平洋の向こう側にいる、トランプだ、と言うことを覚えておこう。

でも深刻になるなかれ。言いっぱなしでも構わないハズだ。事後の確認などしないだろう。

ただ、全くの嘘は止めておこう。株主から訴えられる。


雇用第一主義を賞賛しよう。もしあなたが経営者なら。消費者のため、業界のため、とは言わないように。辞書にあるのは労働者なんだ。

繰り返そう。消費者は選挙に行かない。選挙に行くのは労働者だ。

トランプはそう考えてるはずだ。スティーブ・バノンはそう考えてるはずだ。ケリーアン・コンウェイはそう考えてるはずだ。

ウィルバー・ロスは味方かもしれないけれど、こちらの弱味もよく知ってる事を覚えておこう。大統領の「秘書」であることを忘れてはならない。


雇用第一主義を批判できるのは、エコノミストだけだ。これからのアメリカに必要なのは、雇用よりも投資なのを知ってるから。

投資を増やさなければ生産性の伸びは低いままだ。賃金の伸びが加速する局面にあるから、いよいよインフレ圧力が高まってしまう。FRBは驚き、長期金利が跳ね上がり、それこそ長期にわたった景気拡大(オバマ大統領の残した、正の遺産)が終わってしまう。


ロシアとの関係は、ダブル・スタンダード。両大統領の間はデタント(雪解け)だけど、アメリカの閣僚・議会はますます強硬になってる。サイバーテロは深刻なレベル。あなたも気をつけた方がよいかも。

中国との偶発的衝突は●●●(言っては行けない言葉だ)。貿易赤字、北朝鮮のグリップの甘さ、サイバーテロに、トランプはカンカンだ。中国コネクションが指摘される娘婿はジョーカーだけど、ピーター・ナヴァロの本は読んでおくに越したことはない。


border taxは、それが輸出を促進し、輸入を差別するなら、関税であれ、法人税であれ、WTO違反で訴えよう。できればEUやカナダ、メキシコなど他の国と一緒がいい。

日本は弱い立場にある。

通商では、対米貿易赤字を責められるだけでなく、アメリカによる対中、対メキシコ強硬策がサプライチェーンを通じて日本に波及する。

米軍駐留経費負担の増額要求もある。韓国やドイツなどより負担比率は大きいけれど、トランプは聞く耳を持ちそうにない。

日米首脳会談、早い方がいいとは限らない。


講演しますので、ご一報ください(笑)