世界の総資産の半分を支配した男、マイヤーロートシルト。

#Genius50
5 min readFeb 3, 2016
(出典:http://bit.ly/1MlyBOG

マイヤー・アムシェル・ロートシルト氏(Mayer Amschel Rothschild)
(1744年2月23日 — 1812年9月19日)、彼は銀行家という言葉だけでは表せないほど世界に影響を及ぼした人物であるといえるだろう。
マイアー氏はヨーロッパ最大財閥の一つである、ロスチャイルド家の基礎を築いた人物である。一族の総資産は35兆円とまで言われており現在もなお世界中に大きな影響力を及ぼしている。本記事では、そのロスチャイルド一族を作ったマイヤー氏、そして彼が作り上げた「ロスチャイルド家」に迫っていきたい。

熱心なユダヤ教徒の両親のもとで育つ。

マイアー氏は、1744年の2月23日、神聖ローマ帝国・フランクフルトのゲットーにユダヤ人の商人であっらアムシェル・モーゼスの長男として生まれる。父親は、熱心なユダヤ教徒であり、マイアー氏は小さい頃からラビになることを期待されていた。そのため幼くしてフュルトのラビ養成学校に入学することになる。しかし父親は彼が11歳の時に死去し、母親もその翌年1756年にに死去したため、学校を退学し働くことを余儀なくされる。
その後、親戚の紹介でハノーファー王国のユダヤ人銀行家オッペンハイム家に下働きとして雇われる。ここで、「宮廷御用商人」としての仕事のノウハウを学ぶのである。

※ラビ:ユダヤ教の指導者。 律法に精通した宗教的指導者の敬称。

彼が作り上げたもの「ロスチャイルド家」

ロスチャイルド家は世界で最も成功した一族と言われている。この一族を作り出したマイヤー氏は当初、数ある宮廷出入り商人の一人に過ぎなかったが、銀行家としてナポレオン戦争で大きな財を成したと言われている。その後、彼の息子である五人の兄弟がヨーロッパ中で5カ所に分かれ主に銀行業で事業をさらに拡大させた。五人の兄弟は、長男アムシェルがフランクフルト、二男ザロモンがウィーン、三男ネイサンがロンドン、四男カールがナポリ、五男ジェームスがパリで事業を行っていた。現在では、ロスチャイルド家は、主にM&Aのコンサルティングや投資銀行としての業務、そして富裕層の資産運用を行うプライベート・バンキング業務を中心に行っている。

ロスチャイルド家が財を成したきっかけ

ロスチャイルド家が大成功したのも、ナポレオン戦争のせいで綿花がドイツで不足して高騰したことに注目したマイヤー氏の三男、ネイサンが産業革命期にあったイギリスで大量生産された綿布を買い付け、ドイツで売ったことがきっかけである。これを元手に、ネイサンはロンドンの金融街に事務所を開き、これがロスチャイルド家のイギリスでの金融業の始まりとなる。また1806年、ヘッセン選帝侯となっていたヴィルヘルムの城下町ヘッセンにナポレオンが侵攻したことで選帝侯は国外逃亡しましたが、ロスチャイルドはその巨額の財産の管理を任されました。フランスの監視をかわしながら大陸中を飛び回って選帝侯の債権回収を行ったロスチャイルド一家は、回収した資金を選帝侯の承認の上で再投資し、大きな利益を得る。

(出典:http://bit.ly/1O0ST2C)

競争優位を誰よりも早い情報管理が生む

一家の間の情報共有のため、ロスチャイルドは、専用の駅伝網を持ち、緊急時には伝書鳩も使い、また機密を含む手紙の場合はヘブライ語を交ぜて書くなど配慮していた。こうして整えた五カ国間の情報伝達体制は、結果として、欧州主要国に関するすばやい情報収集と共有を可能にし、それは貿易や金融においてロスチャイルド家が競合に勝つための武器にもなった。例えば、1815年、イギリス・オランダ・プロイセン(現ドイツ)の連合軍がナポレオンを打ち敗った「ワーテルローの戦い」は、ロスチャイルドにとってビジネスチャンスとなったのである。

ワデスドン・マナーは、そのロスチャイルド家のマイヤー・アムシェルの息子の一人で、ロンドンで成功したフェルナンドが社交のもてなしの場として、また彼の膨大な美術コレクションを展示する場として建造されました。それらのコレクションの数々は、パリのルーヴル美術館やニューヨークのメトロポリタン美術館にも匹敵するほどの価値があると言われています。5人の息子に全ての財産を託す。

マイアー氏の晩年は、ほとんどの事業を5人の息子たちに委ねていたとされている。彼は、事業を委ねる際に息子たちに「他の兄弟を無視して自分勝手な単独事業してはいけないこと」や「利益は持ち分に応じて分配すべきこと、女子に事業を継がせてはいけないこと」を言い聞かせ、その旨の誓約書まで提出させたといわれている。そしてその誓約を5人の息子達は忠実に守り、ロスチャイルド家をさらに大きくしていくこととなる。

最後に

彼の一生から学べることは、逆境に負けなかっただけではなく、自分が置かれた環境の中でしっかりと信頼を築きチャンスを形にしてきたことだろう。毎日私達が出会う人々の中で、築かれる信頼は丁寧な対応や真摯な態度が作り出すものだろう。その信頼を得てこそ、本当の事業家になることに繋がるのかもしれない。

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