国連と対話について考えよう


第二次世界大戦から70周年。戦後の日本のあり方について考え直す動きが各地でみられます。

同時に、2015年は国連創設から70周年を迎えます。

今日は上智大学で21世紀における国連のあり方について考えるシンポジウムが開催されました。パネリストは、国連軍縮課(UNODA)の上級代表官のアンゲラ・ケイン氏、元国連事務次長の明石康氏、元国連広報課(UNDP)勤務で上智大学の教授である植木安弘氏でした。

先月末に幕を閉じた核不拡散条約(NPT)の再検討会議は、合意文書が全会一致を見ず、最終文書をつくることなく終わってしまった後だったので、ケイン氏も少し肩を落としての来日だったのではないでしょうか。

シンポジウムを通して、3点、日本人のユースとしてしっかり頑張らないとな、と思ったことがあります。

1)シンポジウムのあり方

まず、国連は置いておいて、シンポジウムとは何かということです。シンポジウムというものは、何人かのパネリストが意見交換をし、会場からも質疑応答がされる、身のあるアカデミックなディスカッションの場です。

しばらく日本を離れて気づいたのですが、日本のシンポジウムは多くの場合「パネリストの知識を時間制限を設けずに好きなだけ喋らせる場」になっていると思います。それぞれの分野について話すのはもちろん重要ですが、その上でディスカッションにならなければシンポジウムである必要はないわけです。一人ずつ講演会を開いた方が、もっと良い学びの機会になります。アメリカでもこれはよくあることですが、パネリスト一人一人がしっかり他のパネリストの意見を拾うのが当たり前なので、講演会状態にはなかなかなりません。

あと、たまに見受けられるのが、質問者も質問せずに自分の知識をひけらかすという状態。

今回のシンポジウムではモデレーターの方がうまくまとめていらっしゃって、感銘を受けました。

これは日本人ならではの、ディスカッション力の低さでしょうか。外交力にも結びつくのではないでしょうか。私も常に良いディスカッションに貢献できる発言ができるように、様々な機会に飛び込んでいきたいです。

2)国連の知識

良い質疑応答は、オーディエンスの基礎知識とクリティカル・シンキングにかかっています。基礎知識はもちろん、そこから疑問を持ち、追求しようとする姿勢が無いとシンポジウムに行っても、ただの講義になってしまいます。私も昔は、何も知らないテーマのイベントに行って、話を聞いても全く内容が入ってこないし、質問すらできませんでした。

「え、その質問をするってことはパネリストのKeynote Speechも理解できてなかったのでは」と思うこともしばしば。新たな層に、そのテーマに知ってもらう意味ではかなり意義があると思いますが、聞く側としても事前知識があった方が絶対にシンポジウムを楽しめます。

その上で、国連についてですが。日本国民は国連についての知識がかなり低いと思います。私もしっかり勉強するまでの知識といば、安保理と日本の財政的支援等。「国連=なんかわかんないけどすごい!」というイメージがあるのではないでしょうか。もしくは、ある程度ニュースを知っている人であれば「国連=役立たず」になります。これも国連の基礎知識が抜けていると、「役立たず」という簡単な批判になってしまいます。

今回、ケイン氏も触れていましたが、(というか国連職員にあったら100人中100人が主張する点ですが)国連を動かしているのは国連職員ではなく、加盟国(member state)です。国連職員がいくら大いなる理想を持って働いていても、結局すべての決断は加盟国の手によって下されます。なので、国連は外交的に華やかな場所という意味で「すごい」のかもしれませんが、国連職員「が」世界を救っているという感覚はちょっと違うと思います。(もちろんすごく頑張っていらっしゃる方もたくさんいると思いますが・・・)もし正確に表現するのであれば、「加盟国出身の国連職員が、自分の国の立場を捨てて、各加盟国の交渉を円滑にするためにがんばっている」といったところでしょうか。これは私の知識の範囲内である、ニューヨークの職員の話ですが。

3)国連の評価と未来

国連をどう評価するかという点ですが、悲観的になりすぎるのも、楽観的になりすぎるのも良くないと思います。いたって普通の意見ですが、世の中の評価はだいたい「国連無力論」か「国連賛美」のふたつです。

今日のシンポジウムは、国連賛美。ケイン氏は賛美ではなく無力論に対する反論という立場で話していらっしゃいました。元事務次長、元UNDP職員という立場は、どちらも「賛美」でなくてはいけない役職なので納得の立場で話されていました。Secretary Generalと UNDPは、国連屈指のPR機関なので、いい面の国連を綺麗な言葉で紹介してくれます。要は、この美しい言葉たちの行間をどう読み取るか、が重要です。

例えば、

「国連は気候変動に大いに貢献しています!」と言っていたとすれば、

「国連は(加盟国を大きい会議に呼び出して、目標を立てさせることによって)気候変動に大いに貢献しています!(もしその目標が達成すれば本当に貢献しています)」

と私は読み取ります。職員の方でも正直にカッコの中まで喋ってくれる方もいますが、あまり出会えないので、やっぱり自分の知識が大事になります。

こういった知識、疑問等々を養った若者が増えることが本当に、日本の国際貢献につながると思います。私もその一人になれるようにますます勉強していきたいと思いました。

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