暗号通貨市場分析

[2018年5月月報]

このレポートは、2018年の暗号通貨市場の変動に関するデータ、特に5月28日から6月3日までの5月の傾向に特に注目して、提供しています。

経済学博士、ロシア科学アカデミー会員、ICOBox主任アナリスト 
 Dmitrii Kornilov教授

・経済学博士、ICOBox国際PR部長・ビジネス分析部長 
 Dima Zaitsev

・ ICOBox共同創業者 Nick Evdokimov

・ Snowfox Technologyビジョンディレクター Mike Raitsyn

・ ICOBox共同創業者 Anar Babaev

・ICOBox共同創業者 Daria Generalova

このレポートは、先週(2018年5月28日から6月3日)を含む、2018年5月の分析を中心に、2018年の暗号通貨とICO市場の変化についてのデータを提供しています。

1.一般的な暗号通貨とデジタル資産市場分析(週、月、四半期別)と市場動向

1.1一般的な暗号通貨とデジタル資産市場分析(週、月別)

表1.1暗号通貨市場と主要な暗号通貨の時価総額の傾向

(2018年5月28日〜2018年6月3日*)

* 2018年6月3日(03:00 UTC)のデータ
 ** 2017年12月1日以降、ZAK-4指数の数値は、暗号通貨Bitcoin、Ethereum、Ripple、Bitcoin Cashを使用
 *** ZAK- 8指数を計算するとき、時価総額の大きい順に8位まで、2018年5月27日現在、暗号通貨Bitcoin、Ethereum、Ripple、Bitcoin Cash、Cardano、Litecoin、Stellar、EOSを使用
 データソースcoinmarketcap.com

この週(5月28〜6月3日)の間に暗号通貨市場の総時価総額は4,232億円から3,313億円、すなわち900億円または21.7%以上下落しました。(表1.1、図1参照)

2018年最初の時価総額と比べると、その時価総額はおよそ半分になっています。

2018年6月1日3:00UTC の上位4と上位8の暗号通貨のドミナンスは、それぞれ68.5%と77.2%でした。ビットコインのドミナンスは37.2%から38.6%に増加しました。(表1.1を参照) アルトコインの価格は、5月中に暗号通貨市場のリーダービットコインよりも下落したと結論づけることができます。

暗号通貨市場の時価総額は5月に920億ドル減少しました。主に、アルトコインの時価総額が626億ドル減少し、ビットコインの時価総額が294億ドル減少したためです。

5月の暗号通貨市場の時価総額の最も大きな変化を図1aに示します。 時価総額は約1,700億ドル(4,720億ドルから3,400億ドル)変動しました。

図1.a 暗号通貨市場の時価総額(2018年5月1日〜)

データソース:coinmarketcap.com

暗号通貨市場全体の時価総額とビットコインの時価総額の変動を比較すると、5月の暗号通貨市場全体の時価総額とビットコインの間の非常に高い相関関係があることが分かります。図1.bはビットコインの時価総額(赤い線)、暗号通貨市場全体の時価総額(青い線)を示しています。二つの線は実際には、ほぼ同一です(図1.b)。

図1.b 暗号通貨市場の時価総額(青い線)とビットコインの時価総額(赤い線)(2018年5月1日〜)

データソース:coinmarketcap.com

2018年5月における暗号通貨市場のリーダーの価格傾向

表1,2は10の暗号通貨の2018年5月の価格傾向を示しています。月を通して、10の暗号通貨の時価総額の価格変動は41%以上(高低差)に達しました。Cardano、Bitcoin Cash、およびIOTAは、5月中に最も大きな価格変動を経験しました。 それぞれ、$0.17〜0.39、$ 880.9- $ 1,838.5、$ 1.34- $ 2.68の変動であり、2倍以上の差があります。 トップ10のビットコインとイーサリアムの価格変動(高低差)は比較的小さく、月に1.41と1.63に相当します(表1.2参照)。

表1.2トップ10の暗号通貨の価格変動(2018年5月1日〜6月1日)

データソース:coinmarketcap.com

したがって、時価総額における主要な全ての暗号通貨の価格は、2018年5月1日から6月1日までの間に、月初めと比較して-35.3%(TRON)から-10.2%(IOTA)の範囲内で下落しました。(図2) 上位10の暗号通貨の均等配分からなるポートフォリオの平均ポートフォリオリターン(10ポートフォリオ)はマイナスで、-24.7%になりました(バランスポートフォリオの価値はその月に24.7%減少しました)

5月の暗号通貨市場全体の時価総額は21.7%下落しました。

図2 トップ10の暗号通貨の価格変動(2018年5月)(%)

(左側は5月全体、右側は6月1日の時価総額に基づいてランク付けされています)

5月は4月よりも好ましくない結果となり、暗号通貨トップ10の時価総額は下落しました。Tron (-35%), Cardano (-34%), EOS (-30%), Stellar (-30%)は特に急激な低下を経験しました。皮肉なことに、これらの4つの暗号通貨は、Tronの価格が164%、EOSが260%、Cardanoが132%、Stellarが120%増加した4月に最も成長を見せました。これは、大幅な成長の後、すべての暗号通貨に共通する価格の下方調整によって説明できます。 4月の、好調な伸びを見せた自社ネットワークの立ち上げにもかかわらず、EOSは市場の落ち込みを克服することができず、30%下落しました。それには5月下旬に重要なネットワークの脆弱性が発見されたことが大きく影響しました。-[Coinspeakerより] Bitcoin Cashは5月15日にハードフォークを実行し(ブロックのサイズを32 MBに増やしました)、予想通り、この暗号通貨の価格は5月初旬に1500–1800ドルのピークに達しました。しかし、ハードフォークの後、下落しました。 Bitcoin Cash(BCH)が実際のビットコイン(BTC)であるという声明で顧客を欺いたリソースBitcoin.comは、一部の責任を負っている可能性があります。これにより、BCH価格*に影響を及ぼした可能性があるという抗議の声が上がりました。ほとんどの暗号通貨はマイナスの市場動向でした。
この傾向に影響を与えた可能性のあるいくつかのニュース:
日本は暗号通貨交換取引のルールを強化しました。[Btcmanager.com]
マウントゴックスウォレット[CCN]から8,200ビットコインが移管されました。アメリカのような国では、仮想通貨取引の制限やICOを持つことは難しくなりましたが、5月には、イーサリアムとIOTAにそこまで悪い影響を与えることはありませんでした。 イーサリアムにとっては、これは主に新しいCasperプロトコルの問題、IOTAの場合は最初のテストネットの開発を取り巻く好評の記事、IOTAのTrinityモバイルウォレットによるものです。-[ Twitterより]

さらに、トップ10の暗号通貨の長期的な傾向を比較するために、2018年の開始以来の価格の変化に関するデータを示しました(図3)。 2018年の5ヶ月間の暗号通貨市場の下方修正には重要な意味があり、年初と比べて価格が上昇しているトップ10の暗号通貨は2つ(EOC、TRON)しかありませんでした。

図3.時価総額トップ10の暗号通貨の価格変化(2018年)

(左側は5月全体、右側は6月1日の時価総額に基づいてランク付けされています)

全体的に、1月初めから5ヶ月間で、全ての暗号通貨市場の時価総額は6,000億ドルから3,300億ドル、すなわち45%減少しました。これは11月と12月の過熱市場の大規模で長引いた下方調整によるものです。トップ10の暗号通貨は、市場動向に沿って変化するものを第1グループ、市場を上回るものを第2グループ、市場を下回るものを第3グループに分けることができます。

IOTA、ビットコイン、Litecoinが最初のグループに入ります。価格の変化は市場全体の変化の範囲内であり、これらの暗号通貨は価格の大幅な変動をせず、大部分は市場の傾向に通りに変化しました。

第2グループにはイーサリアム、Stellar、Tron、EOSが含まれています。価格は市場全体よりも下がりましたが、市場の縮小にもかかわらず成長を示しました。トップ10のリーダーはEOSとTronであり、両者の主力製品は2018年上半期に開発予定であり、この資金流通に投資する有益者と長期の支持者を惹きつけました。 EOSとTRONは6月にイーサリアムネットワークを離れます。

2018年6月2日に、EOSIOブロックチェーン用のEOSソフトウェアの最初のバージョンがリリースされました.TRONはメインネットワークのベータ版をリリースし、6月末には独自のOdyssey 2.0ブロックチェーンに切り替わります。これらの事柄は、イーサリアムが、暗号通貨の価格に好影響を及ぼしたCasperプロトコルを開始したという重要な事実を除いてイーサリアムの価格にさらに深刻な影響を与える可能性があります。 Stellarのホルダーは、暗号通貨の価格が市場よりも優れたパフォーマンスを発揮する新プロダクトStellar分散型取引所を考慮し予測しました。

第3グループは、Bitcoin Cash、Cardano、Rippleなど最も成功しなかった暗号通貨で構成されています。これらの暗号通貨が経験した下落は、CardanoとRippleの価格が12月に15倍に上昇した2017年末に、これらの暗号通貨の過大評価によって引き起こされた可能性があります。このような急激な成長の後は、下方調整が70%または80%に達することさえあります。

暗号通貨の取引所における取引活動の指数の計算

暗号通貨取引所の取引活動を分析するために、ZAK-nクリプト指数を計算します(用語集を参照)。 ZAK-4 クリプト指数 およびZAK-8 クリプト指数を、表1.1,1.3.aおよび1.3.bに示します。5月初旬の4つのドミナンス暗号通貨(Bitcoin、Ethereum、Bitcoin Cash、およびRipple)の24時間取引量(Volume 24h)は64億ドルから164億ドルになりました(表1.3.a)。日毎のZAK-4 Cryptoの価値は、時価総額の2.8%から5.8%まで変動しました。最も多い取引量は5月3日に見られました。

表1.5.a. 日毎のZAK-4クリプト指数(2018年5月1日〜6月3日)

表1.3 日毎のZAK-8クリプト指数(2018年5月1日 〜 6月3日)
(表1.3aの続き)

5月22日から、最大規模の暗号通貨取引所の1つであるHuobiは、市場価値と流動性の高い10のデジタル資産の動向を示す新しい”HUOBI 10指数”を発行しました。 デジタル資産は四つのカテゴリー:コイン、プラットフォーム、アプリケーション、トークン資産、に分かれています。 HUOBI 10の基点は1000です。過去2週間で、指数は96ポイント上昇し、2018年6月4日の朝には1096ポイントに相当しています。

表1.4は、2018年5月下旬から6月初めに発生し、ドミナンス暗号通貨の価格と一般的な市場価格の両方に影響を与えた事柄のリストをその性質と影響の種類で示しています。

表1.4暗号通貨価格に影響を与えた事柄

表1.5は一般的に特定の暗号通貨の価格と市場の両方に影響を与える可能性のある事柄のリストを示しています。

表1.5 今後、暗号通貨の価格に影響を与える可能性のある事柄

1.2市場の動向

2017年12月31日から2018年6月3日までの週毎の暗号通貨とデジタル資産市場の動向を、グラフ(図1.1–1.5)*に示します。

表1.6 各グラフの説明

備考: 日毎の平均データは以下のグラフに示されています。 このため、グラフの数値は表1.1のデータと異なる場合があります。ここでは、すべての数値は03:00 UTCで計算されています。 これらの数字の相違は、暗号通貨市場のボラティリティーが高い期間には重要なこともあります。
 データソース:coinmarketcap.com

図1.1 総暗号通貨時価総額*

日毎の平均データ(データソース:coinmarketcap.comに基づいて計算)

図1.1は、2017年12月31日から2018年6月3日までの週毎の暗号通貨市場の変化のグラフを示しています。この期間中、時価総額5,725億ドルから3, 472億ドルに(39%)減少しました。

先週 (5月27日〜6月3日) の市場の時価総額は3,264億ドルから3,472億ドルに減少しました。(coinmarketcap.comの平均値に基づく)(6月3日現在)

図1.2 市場の時価総額の変動

市場は突然の急変動に敏感です。 1月の第1週に、時価総額は約2500億ドル(44%)増加しました。2018年1月28日〜2月4日の週には、2018年第1四半期の最大週間下落となり、1,360億ドル(23%)下がりました。

今年の第1四半期の最初の13週のうちの9週は「赤字」、すなわち、時価総額の下落はその週の結果を次週に引き継ぎました。

第2四半期は、5週間市場が成長しましたが、その後3週間、下方調整が見られました。先週(5月6日〜6月3日)の時点では、208億ドル(6%)の上昇となりました(日毎の平均データを考慮、図1.2参照)

図1.3 暗号通貨とデジタル資産の数

データソース:coinmarketcap.com(時価総額、売上高の情報があるコインとトークンのみ考慮しました)

時価総額を算出する時考慮される暗号通貨とデジタル資産の合計数は、12月31日から数えて、1,335から1,562に増加しました。先週、その数は1,559から1,562に3増加しました。先週の平均時価総額は2億223万ドルでした。 先月、78の新しいコインとトークンがcoinmarketcap.comに掲載されましたが、一部は除外されたものもあります。先週加えられたトークンの中ではEndor Protocol, SPINDLE, ZIP, NKNが高い取引量を示しました。そのほかで注目しなければならないのは、IoTeXです。その24時間の取引量は1億800万円に達しています。

図1.4および1.5 総暗号通貨時価総額の予測

中国と韓国が、ブロックチェーンへの投資を統制し、誘致する活動は5月に著しく増加しました。

韓国国会の第4次産業革命委員会は、昨年9月に導入されたICOの禁止を覆すことを政府に公式に勧告しました(Business Koreaのデータによる)
総会は、ICOの保有に関連する分野を含めて、暗号通貨取引のための法的枠組みが作成されることを提案しました。

中華人民共和国の習近平国家主席は、中国の科学アカデミーが5月28日に主催した年次総会の北京での演説で、画期的な可能性を認識しつつ、ブロックチェーン技術に好意的な発言をしました。

2018年5月26日、中国の国営テレビ局CCTVのブロックチェーン業界(Xunlei、Danhua Capital)の大企業の代表者との会談で、業界の発展の見通しが議論され、ブロックチェーンがインターネットよりもはるかに価値があると発表されました。

前回のレポートで述べたように、中国の老舗ビットコイン取引所BTCCが暗号通貨市場に戻っています。 BTCCは2018年6月に新しい取引所のプラットフォームを発表する予定です。BTCCは、「BTC、ETH、BCH、LTC / USD、ETH、BCH、LTC / BTCなどの取引ペアをサポートする」と発表しています。

中国のブロックチェーン技術の資金調達に関する事柄にも留意すべきです。上海を拠点とする金融会社Xinhu Zhongbaoから受けた、Qulian Technology(Fun Chain Technology)の資金調達総額は15億元(約2億2600万ドル)を超えています。資金調達が完了した後、Fun Chain Technologyはブロックチェーン業界で最初の「準ユニコーン」企業になるでしょう。 Fun Chain Technologyは、ハイパーチェーンプロジェクトのための国際ブロックチェーン企業のリーダーです。

Сoinjournalのデータによると、imTokenのデジタルウォレットはCircle、Ripple、Bitmainなどの主要プロジェクトを支援している中国の投資会社IDG Capitalから、シリーズAの資金調達ラウンドで1,000万ドルを集めました。 imToken製品のエコシステムには、分散型取引所、Tokenlon(Kyber Networkと0xとの提携作成)と分散型アプリケーション(DApp)ストアが含まれます。

中国と韓国のブロックチェーン最大手企業の活動は、間違いなく、暗号通貨の時価総額に好影響を与える可能性でしょう。

このレポートの締めに、Weiss Ratingsの評価を提供します。 5月25日に最新の93の暗号通貨の格付けが公表されました。これらは、テクノロジーと採用(テクノロジー/採用)、報酬に対する投資リスク(投資リスク/報酬)の2つの基準に基づいて評価されました。これまでのところ、Weiss Ratingsは、暗号通貨に最高の「A」評価を与えたことはありません。今回、「B」評価の格付けを持つ暗号通貨のリストには、Cardano、EOS、Decredの3つの暗号通貨のみが含まれていました。主要な暗号通貨:ビットコイン、イーサリアム、およびRippleは、「B−」の評価を受けました。

附属書Annex 用語集

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