ビットコインのフォーク対応とカウンターパーティーのスケーラビリティに関するアップデート
ビットコインのフォーク時の対応と、送信手数料などの軽減に向けたカウンターパーティーからの重要なアップデートが昨日公開されました。詳細はこちらの英語の記事を参考にしていただきたいですが、日本語でも要点を紹介します。
ビットコインCoreとBUの分裂時のカウンターパーティーの対応
現在の状況下では、カウンターパーティーはBitcoin Coreを正式なチェーンとして現状維持します。ただし実際にビットコインのフォークが起こり、ハッシュパワーの大部分、コミュニティーの支持などを受けた場合、別のチェーンへの移行も当然選択肢の一つとして検討されます。カウンターパーティーにとって重要なのは、安定しており使いやすいプラットフォームであることです。これは比較的安価で素早い送金などの条件も含めてです。
なお、カウンターパーティーが公式に二つのチェーンを同時にサポートし、トークンが分裂したりなどの状況にはなりませんのでご安心ください。
手数料とスケーリングについて
ビットコインのネットワーク混雑により、カウンターパーティートークンの送受信などの手数料も高騰し、承認に時間がかかる状況が続いていました。この問題を軽減、解消するため現在下記のような提案が出ています。
CIP9: Enhanced Send(「強化」送信)
端的に言えば、これはカウンターパーティートランザクションの軽量化と効率化を実現するための変更で、今まで必要だった「ダスト」と呼ばれる少額のビットコイン(0.0000543btc)が不要になり、通常のSendトランザクションの手数料がこれだけで40%~45%ほど減少します。この第一段階の変更は6月末周辺にリリース予定です。
CIP9 multi-destination support(複数アドレス送信)
また、CIP9の第二段階機能として、一回の送信で複数の送信先アドレスを指定できるようになります。一回の送信手数料で10、100、1000ほどの単位の宛先にカウンターパーティートークンを送れるようになります。これにより送信にかかる手数料が現在の10分の1以下に改善することになります。複数アドレス送信の実装は7月~8月のリリースを想定しています。また、同時にCIP6の提案でさらなるトランザクションの効率化がされ、トークンあたりの手数料はさらに低下します。
手数料の具体的な推定、計算については、コミュニティメンバーのDevon Wellerが作成したこちらのドキュメントによくまとまっていますので、是非ご確認ください。
Picopayments
CIP6はオンチェーントランザクションの効率化が主目的ですが、同時にペイメントチャネルを利用したオフチェーン技術「Picopayment」の開発も進んでいます。これが実現されることで、トラストレスな特性を保ったままオフチェーンで大量のトランザクションを手数料ほぼ無料で行えるようになります。
StorjチームメンバーであったFabian BarkhauがPicopaymentsの開発を進めていましたが、Fabianは今後もPicopaymentsのメインテイナーとして引き続き開発を進め、カウンターパーティーチームにジョインすることが決定しました。Picopaymentsの詳細についてはこちらの最新のチュートリアルビデオも確認してください。