昔はモノの都合に合わせていた


現代の基本的な機械道具、いわゆる「モノ」の原型は1970年代頃にほとんどのものが揃っていたのではなかろうか。携帯電話のような無線通信の方法も、利便性と普及率を度外視すればアマチュア無線があったわけだし、電子メールもまた「手紙」機能の一部を電子化したものにすぎない。伝える力という点では手紙の方がインパクトが大きいこともある。

移動手段としての車もそんな時代の名車は数知れず。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などの基本的な情報インフラもあり、一方でカセットテープやレコードなどの音楽再生機器も民生用のものがたくさん出回っていた。

現代のモノは人との親和性が高い。逆に昔は、モノの都合に人が合わせていた。それが不便だからモノに改良が加えられていくとはいえ、実はその不便なモノとのつき合い方が人とモノとの本来の関係なのではないだろうか。

当たり前だがモノは人ではない。モノとのつき合い方に一歩距離を置く姿勢があれば、デジタル依存を少しは回避できるような気がする。

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