かさじぞう
薪を売りに行ったおじいさんは、町で傘を売っていた人と売り物を交換する。売り物をそのまま持ち帰るしのびなさがあったのかもしれないが、交換した傘もお地蔵様にかぶせて手ぶらで帰ることになる。おばあさんはその話を聞いて、「それはよいことをしましたね。」とおじいさんにほほえみかける。
物々交換の時代から貨幣価値のステージを経て、今や情報がビジネスに大きなウェイトを占めている。『資本論』を記したマルクスは、今の世知辛い世の中を想像していただろうか。
地蔵という信仰の化身、それに対する畏敬の念、与えることの無償の喜び。日本古来のこうした心を大切にしたい。
かなり昔のことだが、ふと恩師の言葉を思い出した。"Give and give and give, and a little take."
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