失われた風景


今や見ることができない(失われた)風景がいくつもある。昔のキャンパスや行きつけの店、風情ある並木道など。

なぜだかそのときは、そうした風景はあとになっても変わらないように思えていて、わざわざ思い出として記録(写真)にとどめようなどとは考えもしなかった。そうしているうちに月日は流れ、辺りはすっかり変わってしまって今や見る影もない、ということはよくある。

古いものがなくなると自分の中の歴史の一部が消失したように思えるのはエゴなのだろうが、せめてその時に自分が眺めていた風景を思い返せる(写真の)一枚でもあったらいいのにと思ったりすることもある。

もっと言えば、ありきたりの風景をわざわざフィルムにおさめておくということをしなかったわけだが、今になって撮っておいてもよかったように思えてくる。

そう考えると、なんの変哲もない身近な周りの風景に愛着がわいて、ずっと後の自分の目線でなんでもないものを撮りたくなった。

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