オウンドメディアは、なぜ難しいのか? ツーマンセルのすすめ。

Kayo Matsubara
6 min readApr 25, 2016

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オウンドメディアという言葉がよく聞かれるようになったのは、一昨年前ぐらいからでしょうか。以前から存在していた類のメディアですが、「オウンドメディア」という呼称を得て、企業やサービスがゆるやかなコミュニティを保有したい願望と相まって、その頃はかなり頻繁に「オウンドメディアをつくりたい」「オウンドメディアはどうしたら成功するか」という話が出ていたように思います。

最近は「キーワード」としての目新しさがなくなり、メディア自体はよく見かけるけれど、なんとなくトレンドは終わった感があるような・・・。というところですが、今回のテーマは「オウンドメディア」。

なぜ、オウンドメディアは難しいのか?

広報マーケの職をやっていると、プロモーション施策の中に必ずといっていいほど

「メディアをつくる」

というアイデアが出てきます。オウンドメディアです。

お決まりのように「私はおすすめしません」と、いちおう伝えます。

理由は簡単。

◎体力がいる →箱つくるのは簡単だけど、継続にお金も人も必要

◎編集部(運用)の構築ノウハウが必要 →たいていはその組織に経験者はいない

◎ゆらがない編集方針 が必要→コンテンツマーケティング視点だけでは面白いものにならない

よく言われていることでしょうが、代表的なものを3つ。

わたし自身も編集経験があることから、相談が来ることがしばしば、いくつかメディアの立ち上げ運営に関わりながら、オウンドメディアは難しいなぁと思ってきました。

そんななかで最近「オウンドメディアを上手に運営する」ためのひとつの解を見つけたような気がしており、今回はそれを紹介しようかと。

暮らしと住まいのメディアの編集責任をまかされました

発端は、暮らしと住まいのメディア「スミカマガジン」の編集長的な役割を任されたこと。

SuMiKaは、家づくりのパートナー(建築家とか工務店とか)を探せるマッチングサイトですが、そのオウンドメディアとして併設されたのが、このスミカマガジン。

「好きに暮らそう」をテーマに、暮らしや家づくりの既成概念にとらわれることなく、自分の手で暮らしをつくる人、家をつくる人とそのストーリーを紹介しています。

家というのは、「○LDK」「新築一戸建て」だけが家ではありません。固定概念をとっぱらっていくと、身近なところなら小屋でも、トレーラーハウスでも、土嚢でも、家になります。好きに暮らすってそういうことだよね、ということで、面白い家や暮らしを紹介しています。

オウンドメディアに欠かせない、2つの視点

スミカマガジンの運営にあたって、私には編集パートナーがいます。増村江利子さんという女性です(八ヶ岳に娘さんと移住してトレーラーハウスで暮らしているエディターの女性で、とっても素敵な方。この話は長くなるのでまた別途)。

二人三脚で、ネタ探しから記事として出すまでをおこなっています。私はWeb企業で10年ほど広報やデジタルマーケに関わってきており、一方、彼女は長くエディターとしてさまざまな媒体運営に関わってきた人。わたしは、世の中のトレンドや話題となりそうなキーワードを見つけたり発信するのが好きな一方、彼女はパッションと洞察力があり独自の視点で、暮らしや人を編集しメッセージを届けられるタイプ。

おそらく彼女から見たら、私のアイデアは話題にはなりそうだけどそれはビジョンが弱い、とうつることが多々あると思います。一方、私も彼女の編集した記事で面白いし視点はユニーク、でも読者に届けるにはもうひと捻りしたいと思うことも。

そんな感じでやっていますが、マーケッターよりの私と編集者の彼女とで議論しながら共につくりあげるスタイルをやってみて、これはいいんじゃないか!と。

オウンドメディアは通常のメディアよりも、コンテンツマーケティング的な特性が強く、編集力に加えてマーケティングの視点も重要です。

広報やマーケ部門が抱えている事が多いのもそういう理由。かたや、編集プロダクションに委託するケースも多くあります。それは、そういうことだと思います。

オウンドメディアは編集とマーケのツーマンセル

編集力とマーケの視点の両方がよい均衡を保ち、双方の力を発揮できるチームとすること、これはオウンドメディアをうまく運営するひとつの解ではないか、と思うようになりました。

もちろん、両方を持ち合わせている素晴らしい方もたくさんいます。が、なかなかそういう人材は見つかりません・・・。2人なら議論し高めていける(よいものづくりの鉄則)という意味ではあえて性質の違うふたりを組ませ、ツーマンセル、ツートップみたいのは、結構おすすめだと思います。

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Kayo Matsubara

(株)ハモニア代表取締役 兼 (株)カヤックLiving代表取締役。広報、Webメディア編集、ライティング、Web事業開発が主戦場。コンサル→編集→面白法人カヤック→独立 そして 縁あってカヤックLiving(現在地) http://www.hamonia.jp/