「第4回 HealtheeOne 医療経営セミナー」開催レポート

Kenya CHIBA
Jul 26, 2017 · 7 min read

<テーマ: 医療AIを用いた診療の将来展望と対策>
2017年7月22日(土)に、「第4回HealtheeOne 医療経営セミナー:医療AIを用いた診療の将来展望と対策」を開催しました。ご参加くださいました皆様、誠にありがとうございました。


第1講座:医療業界の現状と、これからすべきこと
千葉 賢也
株式会社HealtheeOneマネージャー・医療経営コンサルタント

第1講座では、医療業界の動向についてお話しました。

少子高齢化が進んでいる日本では、保険医療を通じて、国から補助してもらうことはあっても、国へお金を納めることは少なくなってきています。国からの補助を享受する主要な年齢層が高齢者であることを考えると、今後もこの傾向が強くなることは間違いありません。

その中、医療業界においてAI活用は、どのような影響があるでしょうか。一般的に、人件費の削減や業務効率化に有効です。殊医療業界においては、AIは、医師の診断支援に寄与させることができます。実用化のために日々更新が進んでおり、より精度の高い医療の提供と、医療の効率化の実現に向けて準備が進められています。

今後の診療報酬改定で見込まれるのは、診療報酬単価の減少と、医療保険と介護保険を利用した在宅療養人口の増加です。AIによる診断支援を通した診察患者数の増加が、医院存続の大きな手段になります。

加えて、クリニック存続で必要なのは、「かかりつけ医」機能です。患者数の増加を図った上で、患者一人ひとりが、その地域で、その人らしく生涯を過ごせる仕組みづくりと、その実践が不可欠になります。

「かかりつけ医」の機能を一言で表すと、”その患者自身の最適な療養サービスを提供する”ことです。今日において、医師は診察だけすればよいということではなくなりました。国が掲げる医療費の削減を達成するには、医療サービス利用を辞めてもらう、あるいは医療に代わるサービスの利用をしてもらわねばなりません。その一つの形が、介護保険を利用したサービスへの移行です。この状況下では、医師は、介護サービスの情報にも通じていることが求められます。他医療機関・他事業所との連携をより深め、一人ひとりに最適なサービス提案・提供を進めていくことが重要です。

第2講座・第3講座:
AIが医療に及ぼす影響と診療体制の変革
千葉 賢也
株式会社HealtheeOneマネージャー・医療経営コンサルタント

第2・第3講座では、引き続き千葉からお話いたしました。医療業界において、実際どれほどAI活用の動きが進んでいるのか、またその開発事例を並べてお伝えしました。

まず、AIとは何を指すかを明らかにする必要があります。

AIとは、人間の意思決定などが持つ、「知性」やその「ふるまい」を人間以外の”何か”が行う技術・サービスと解釈できます。AIのAは“Artificial”で、人が作った“つくりもの”を指します。

では、医療業界においてどの面において活用の機会があるでしょうか。先月6月に、「保険医療分野におけるAI活用推進懇親会」において示された、AI活用ロードマップを見ることでクリアになります。

医療において、特に親和性が高く見込まれているのは、

・ゲノム医療
・画像診断
・医薬品開発
・介護・認知症
・手術

です。

いずれにしても目下進行中ですが、特に進んでいるのは、ゲノム医療と画像診断支援です。

膨大な画像をはじめとしたデータを集積、解析して、行なっている事業会社が多く出てきています。最短で2020年に実用化される予定です。

いくつかの事例をお伝えした後、さらに最適な地域医療の構築のためにどのようなことが必要かディスカッションを行いました。

AIは、伝えるに便利な概念ですが、実際どのような面で実装できるか、また具体的にどこまで進んでいるか再認識する機会として捉えていただけました。

主に挙がったテーマとして、

・AI学習結果活用における診断支援以外の活用の仕方
-医師への教育効果
-AI活用と確定診断との線引き

その他、最適な地域医療の構築のためにどうすればよいか、議論が盛り上がりました。開催側としても、非常に有意義な機会となりました。

次回は、来月8月19日(土)に行います。テーマは、「医介同時改定を控えた業界の現状と、医院の財務・採用戦略」です。皆様のご参加をお待ちしております。

株式会社HealtheeOneについて

株式会社HealtheeOneは、医療従事者の皆さんが患者やその家族に寄り添う時間を少しでも多くするために、「テクノロジー」と「アナログ」を活用して「医療現場の作業負担低減」を提供していきます。その結果として「医療を受ける患者のQoL向上」や「その家族の満足度向上」の実現に取り組んでおります。また、福島県いわき市発のTMT x Healthcareスタートアップとして国内外に向けてプロダクト提供を展開することによって、福島県浜通り地域の産業創出に寄与することを目指しています。

一方で、株式会社HealtheeOneは地域社会への直接的な貢献活動も積極的に行っています。

2016年12月30日に福島第一原発事故後に避難地域にて唯一診療を続けた福島県双葉郡広野町の病院のただ一人の常勤医が不慮の事故で亡くなったことをきっかけに、当該地域における医療崩壊の危機が現実味を帯びました。そこで当社は2017年1月5日(木)から6日(金)にかけて「クラウドファンディング」と「ふるさと納税」を組み合わせた寄付の募集によるボランティア医師支援策をとりまとめ、福島県広野町役場に対する緊急提言として無償で実施しました。2017年1月9日(月)には寄付受付を開始し、それからわずか1日で目標金額を上回るなど、最終的には目標額の357%ほどが福島県広野町に対する返礼品のないふるさと納税として全国から寄せられました。これからも地域社会への貢献を継続してまいります。

HealtheeOne Facebookページより

地域包括ケア時代におけるクリニック向け生産性向上サービス「HealtheeOneクラウド」

医院の「作業負担軽減」や「業務効率化」は、パソコンの導入だけでは達成できません。
「HealtheeOneクラウド」は「IT」と「専門職」の複合的な力で、地域医療を担う医院の経営者や職員の皆さんを支えます。


紙カルテ電子化サービス「HealtheeOneスキャン」

2018年の診療報酬改定を控えて医院のさらなる経営効率化が求められる中、検索や閲覧効率を上げることはもちろんのこと、院内の省スペース化やIT化への円滑な移行をサポートいたします。「HealtheeOneスキャン」では紙カルテの原本性と電子化品質を確保するために、原則として手作業で電子化を行います。

    Kenya CHIBA

    Written by

    株式会社HealtheeOne マネージャー・医療経営コンサルタント。前職の船井総合研究所では全国の100を超える医療機関の経営コンサルティングに従事。現在は、外部サービスとの最適な組み合わせを提案しながら地域医療機関の経営戦略の実行を支援している。 東北大学経済学部卒業。宮城県石巻市出身。

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