Kenichi Sugawara
3 min readJun 6, 2016

スタートアップがするべき事とはプロのいない領域でプロになる事である

何社もスタートアップを経験し、ついこの間もスタートアップに転職(前職も一部兼務)したところでありますが、

スタートアップを経験するときに「自分はなぜ働くのか?」とか「どうしてスタートアップで働くのか?」を考える機会が増えるし、日常的にスタートアップ起業家のメンターなどで企業家の皆さんに話す事の一つをまとめてみました。

このポイントはどこにも普遍的な事かなと思っています。

僕はスタートアップ企業のするべき事って「プロのいない領域でプロになる事」だと思っています。

一つ例を上げると、ちょうど20年前くらいの1999年に着メロサービスが始まりました。当時僕はエンジニアで日本で初めて着メロサービスを実装した人間の一人でした。しばらくするとその時の社長が「健一、おまえ音楽好きだろ?着メロ作ってみろよ」と言ってきました。その時の僕はエンジニア経験しかない社会人なりたて3年生ですから、「そんなの無理だよ」と思って乗り気じゃなかったんですね。とはいえ言われたしな(実際音楽好きだし)と思いつつ試行錯誤を重ねて、当時のJpopを着メロ編曲するのですが、これが最初はうまくいきません(当然ですね)とはいえ頑張って作ってく訳です。試行錯誤の結果着メロ制作チームを立ち上げて、某レーベルさんの着メロ制作をまるっと受注させてもらうレベルになりました。

某レーベルにはプロのミュージシャンがいっぱいいます。なので本当はそのプロのミュージシャンが着メロ作ればいいわけですよね?でも制作費の問題や16和音なんてやってられるかよ的な気持ちもあるでしょうし(単なる推測ですが・・・)結果僕らを選んで下さった訳です。

当時はすでにCDもありましたし、品質の高い音楽というのはウォークマンでどこでも聞けたので着メロなんか流行らないのでは?というのもあったんですが、うちの会社はそこにチャレンジしたと。不安ではありましたが、プロがいない領域をあえて選んでチャレンジしたんです。

プロがいない領域での優劣は努力や試行錯誤の量で決まります。なのでスタートアップ向きなのですよね。大企業で同じ判断をするとおそらくは最終的にはプロに頼もうと既存のマーケットに擦り寄る形になっていくと思います。そうならずにできたのは「プロがいない領域」で「プロになる(頼るではなく)覚悟」があったからかなと。

不安な時も多いスタートアップライフではありますが、どうせなら努力が報われやすいプロのいない領域でチャレンジしていきたいものです。