来年飛躍するために年末年始に読むべき本2016

Kenichi Sugawara
12 min readDec 28, 2016

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この10年ほどインターネットに関連した経営者やCMOなどマーケティング職を経験して役に立った本を紹介します。

年末年始にキャッチアップし、来年へのスタートダッシュをするための本たちです。

三冊読めば全く違う自分として2017年をスタートできるでしょう。

データ、マーケティング、経営者、企画職、様々な方に力をあたえてくれる本たちです。

  1. 確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力

USJをV字回復させた森岡さんの本です。つい最近USJを退任されると発表し話題になっていましたね。(どこへ行くのでしょうか?

今までの勘やセンスの企画から、確率論、そしてサイエンス出来ている本です。

企画職・マーケティング職・経営者全ての方にお勧めです。

2.空気のつくり方

2016年にB DASH CAMP というイベントで著者の池田さんとお話させて頂きました。事前にこの本を読んだのですが、マーケティングに大切なことが数多く書かれている名著でした。森岡さんの本同様、マーケティングと数学的なバランスが取れたとても良い本です。

【経営者とマーケターは必見】
これは球団の作り方ではなく今後常に勝ち続ける組織と仕組み作りの話だった。

就任5年でベイスターズを売上2倍、赤字を黒字に解消し、勝ち続ける仕組みを作り、そして電撃退任。元ベイスターズ球団社長の Jun Ikeda さんとB DASH CAMPでお話させて頂く機会を得ました。
インタビューさせて頂くに際し著書の「空気の作り方」を隅々まで読み込んだのですが、これはすごい。
空気のように漂う組織や世の中にある何かを味方に付け、なりたい自分、なりたい組織になるにはどうすれば良いのかがベイスターズという球団経営を事例に事細かに書いてあります。
どの話も球団経営ではなく、組織経営・マーケティングの考え方として理解できるのは池田さん自身が昔からターンアラウンドのプロとして実践してきた考え方や行動を球団経営に反映させているだけという部分に表れています。
僕もこんな風に世の中や組織に流れる空気を良い流れにし、お客様やメンバーに喜んでもらえる環境づくりが出来ればなと、新たな組織運営のイメージや目標が出来ました。
スピリチュアルではなくむしろロジカルに、そして繊細に積み上げられる発想には多くの刺激と感動があります。
そしてこの本自体も池田さんの繊細に積み上げられたストーリーがあるから読み物としても大変面白い!

この本は全経営者、全社員が次の大きな成長をするための必読書です。

3.USP ユニーク・セリング・プロポジション 売上に直結させる絶対不変の法則

僕の大好きな本。DAGMARももちろん良いのですが、広告のサイエンスを最もシンプルに、そしてクリエイティブの課題解決に注力できる考え方で表した本です。60年以上前のアメリカの名著をついここ数年で翻訳されたとても貴重な本です。

USPという言葉の誤解を解くにもとてもよく、ユーザーとはなぜ買うのか、なぜ買わないのかを本質的にサイエンスできる本です。

マーケター、広告業界の方にお勧めです。アドテクの人もぜひこういう本を読んでいただきたい。

4.10億ドルを自力で稼いだ人は何を考え、どう行動し、誰と仕事をしているのか

経営者・スタートアップクラスタの方へ。

5.新版 目標による広告管理―DAGMAR(ダグマー)の新展開 | ソロモン ダトカ, Solomon Dutka, 八巻 俊雄

とはいえDAGMARも大事ですよね。たかひろさんもお勧めしてるし。

もう随分前に廃盤で値段が高騰してますが、今見たらなんと¥207円でした。今のうちに買うべき。

6.問題解決ドリル―――世界一シンプルな思考トレーニング

【顧客の事だけ考えても儲かる方法】
友人の坂田さんが書いた本。
お世辞抜きにこの本は今まさに会社や事業の運営に必要な事を教えてくれている。
自社の利益を考えるだけでは、顧客や市場がついてこなかった経験を持つ起業家やマーケター、営業の方は多いのではないか。
企業は顧客に報いながら利益を追求出来るのか。
この難しい問題を「重なり思考」というシンプルなフレームで軽快に解決していく。
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・ズレた問題解決はもうやめよう
近江商人の心得である「売り手よし、買い手よし、世間良し」のように売り手も買い手も共に満足できるフィット感が大事です。
「会社の常識は世間の非常識」という言葉がありますが、同じ会社に長く勤めていると、自分にとっての当たり前が世間とズレていってしまいます。

・問題を解決する前に「誰の問題を解決するか」を考えよう
自分たちの問題を解決しようとしているだけで、顧客の問題、市場の問題を解決していなかったということにならないためにも、「相手の思い」と「自社の思い」を重ねていくことが大事なのです。

・「重なり思考」を始めよう
相手の問題を発見し、自社の出来ることを発見して、それらを重ねるということは、あらゆる問題に応用が出来る普遍性があるのです。

・「無理難題」を解くための考える力が身につく

7.経営者になるためのノート ([テキスト])

【自分で完成させる最強の経営レシピ本】

ひさしぶりにいい本を見つけた(最近ペース落ちてる・・)
経営者やマネジメントにはこれものすごくいい。
VCの皆さんはスタートアップに配った方がいいし、会社の人材育成・研修担当は経営・マネジメントレベルに必須で配るべき。

何より素晴らしいのは柳井正さんの話を自分の経験ややるべきことを書き留めながら読めること。(本は読んでも忘れるが、これは確実に自分の体系で理解できてく)
僕は過去の反省をびっちり書いたり、これからチャレンジすることが忘れられずどんどんメモれてとても良かった。

会社のメンバーそれぞれ書いて、ページごとに読み合せてレビューすれば、研修もバッチリ。

きっとこれは30年間持ち続けるような本になるでしょう。
これ企画した人は天才だなー。
絶対日本の経営者・マネジメントのレベルを底上げ出来るもん。

8.Q思考――シンプルな問いで本質をつかむ思考法

良質な問いは日々の成長に重要

一言で言うと日常をPDCA化して生きてるだけで成長するための本です。PDCAには良質な問い(問いかけ)が必要で、その問いかけを生み出し続ける方法が書かれています。
特別な時に頑張るのではなく今日より明日を1.01倍にして、1年後には37倍成長し続けるにはこれが1番良い方法だと思います。(1.01の365乗は、37.8)

9.SUPER BOSS(スーパーボス)

僕のシェアする本の感想の中でTOPクラスにみなさんの関心が高かった本。ボスというと大げさかもしれませんが、部下を持つ全ての人にオススメです。
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世界を変える人たちには、必ずすごいボスがいる。なぜ彼らは、有能な人を次々に育てられるのか?

偉大な経営者、投資家、編集長、シェフ、デザイナー、アメフト監督、映画監督、指揮者のほか、マッキンゼーOB、ペイパルやオラクルの創業者などに200回上も取材し、10年の歳月をかけて有名教授が調査分析。そうしてわかった「突出した有能な人を育てる」戦略を本書で紹介します!

チームリーダーやマネジャー、指導者が読めば……
チームの創造性、エンゲージメント、業績を高めるスーパーボスになる方法を学べます。

チームメンバーや社員が読めば……
スーパーボスが誰のか見分けられるようになり、一緒に働けるようにすれば急成長できます。

スーパーボスとは、イノベーションの文化を育み、賢いリスクテイクを推奨し、障害を取り除き、変化を促す最高のボスのことだ。チームにずば抜けた業績を求めるだけでなく、達成する力を引き出しもする。本書は、部下の能力を最大化する戦略を記したリーダーの教科書だ。
――ジェフリー・イメルト(GE会長兼CEO)

10.数字力×EXCELで最強のビジネスマンになる本

結論:侮るなかれ、これは思考のフォーム改善の本である。

献本頂いたので読んでみた。

もともと著者のたがひこさんとは友人で、さらに遡ると同じ会社の先輩後輩の関係である。

彼が僕と同じ会社で働いていた時に何をしていたかはわからないが、その後のアクセンチュア=>IBM=>GiXo(現職)で素晴らしいコンサル業をしているかは知っていた。なので楽しみでもあった。

そもそもExcelはツールで、僕もある程度は使える。ただ、僕の会社にもExcelが得意な派遣社員さんとかがいて、業務効率が良いなーなんて思ったりもしていた。きっとそんな本だろう。と思っていた。

実際は大きく違う。

この本はExcelに役立つtipsがいっぱい書いてあるだけの本ではない。

では何なのかというと、これは何か物事を考え、人と話をし、結論を出し、誰かにプレゼンテーションする、そんな社会人の必須業務に使える思考のフォーム改善の本である。

自己流では限界があり、辿り着けない思考にまで行き着くために体系立てて思考を進める本である。

危惧するのはこれをパラパラ読んで、ああ知ってるよそんな事と思ってしまう事である。

賢くない人ほどそう思ってしまうのではないだろうか。

ゴルフやスポーツも下手な人ほどクラブなどのツールや1つ1つの改善法に目を向けてしまい全体のフォーム改善や流れに目を向けないものである。

この本は点(tipsの集合体)としてみるのではなく、線(思考法のフォーム改善)としてみる必要がある。

思考法は点ではない、線だ。

この本に書かれている事の全てを筆者のレベルになるまで持っていくには相当時間がかかるだろう。

すぐに100点を目指す必要はない。もちろん新社会人や自己流を抜け出したい管理職や経営者の方にもお勧めである。

知的労働の方は幸運だ。本を読めばすぐに明日から実践できて自分の年収やキャリアを向上させる手立てが目の前にあるのだから。

くれぐれも点ではなく線でこの本を使う事をオススメする。

3冊読んで来年飛躍しましょう!!

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