テルアビブ大イスラエルイノベーションまとめ

テルアビブ大で4日間32時間に渡る集中講座”Lessons from Israeli Innovation”が行われた。このコースをリードした教授の一人であるStephen M. Sammut教授から頂いた以下の言葉が突き刺さったので、大ざっぱではあるがコースでの学びをできるかぎりまとめてみたい。

過去、世界中が日本を恐れ、日本からイノベーションを学んだ。イノベーションの波は常に国から国へと移動している。今、日本はイノベーションを世界から学ぶ時期である

コースは、ペンシルバニア大ウォートンビジネススクールのProf. Stephen M. Sammut, Prof. David Hsuとテルアビブ大レカナティビジネススクールのProf. David Zvilichovskyのリードの下、以下のような産学官でイノベーション第一線で活躍するゲストスピーカーによって四日間朝から晩までみっちり行われた。流石に最後の方はへとへとに。。

  • Dr. Tal Steinhertz: CTO, National Cyber Bureau
  • Inbal Arieli: VP Strategic Partnership, Start-Up Nation Central
  • Gigi Levy: Angel investor & ex-CEO, 888 Holdings
  • Elad Kushnir: VP Business Development, Playtika
  • Dr. Shimon Eckhouse: Founder & Chairman, Syneron Medical
  • Yoav Chelouche: Aviv Venture Capital
  • Dr. Benny Zeevi: DFJ Tel Aviv Ventures
  • Modi Rosen: Magma Venture Capital
  • Visit to Teva Pharmaceutical Industries
  • Visit to NICE Systems
  • Visit to Netafim
  • Tal Slobodkin: Founder & Managing Partner, StageOne Ventures
  • Prof. Amir Averbuch: Co-Founder & Chief Science Officer, Thetaray
  • Nava Swersky Sofer: Co-Chair, NanoIsrael

ここで一つ一つのプレゼンテーションは紹介できないが、イスラエルのイノベーションの強さを敢えてまとめるなら、以下のようなことかと。

  1. イノベーションとグローバリゼーションを強みとすることへの明確な方向性が示されている
    →人口800万人の国ということもあり、そもそも世界で勝負することしか考えていない(考えざるを得ない)、技術革新が国家戦略。NASDAQ上場や特に米国マルチナショナルによる買収などを強く支援。
  2. 産学官どのセクターも、イノベーションに対する概念理解が深く、ネットワークを機能させることの必要性を心得ている
    →スタートアップはR&Dの入り口として捉えられ、またネットワークの中心にアントレプレナー(リスクテイカー)がいて初めてネットワークが機能するという理解のため、アントレプレナーが尊敬される文化。また、細かいが大学とR&Dセンター(と軍事施設)が地理的に徒歩圏同士だったりする設計も功を奏しているとか。
  3. 人材育成に力を入れている
    →StageOne Venturesファウンダーによるエリート軍事プログラム「タルピオット」の話が面白かった。厳しいペーパ試験と適性試験に合格した少数精鋭の学生たちが四年間リーダーシップとサイエンスを学び、彼らがテクノロジートランスファーの担い手になっていく。この四年間は相当厳しいらしく、ここで卒業生たちは圧倒的な知識と自信を得て社会に出ていくという。
    →ハイテックアントレプレナーには女性も多い。Orna Berry, Roni Ross, Ruti Allonなど
  4. 強いサイエンスバックグラウンドを持ったロシアからの移民や多国籍企業のR&Dセンターを多数受け入れた。また、Yozmaなどの施策で海外からのリスク投資を受け入れた。
    →知を海外から受け入れることに大きく成功している。移民もサイエンスバックグラウンドが強い人を積極的に受け入れ、トップ300の多国籍企業のうち250社がR&Dセンターをイスラエルに置くなど、受け入れ体制を整備した。
    →Yozmaのよかったところはムーブメントを作るためだけの目的で短期間だけ施行され、あとは内部のプレイヤーにけん引を任せたことらしい。
    →逆に言うと、国内大企業が少なく国内での潰し合いのようなものが少ない。

全部捉え切れていない、かつもしかすると間違った理解もあるかもしれないが、いずれも日本人として学ぶべきところが多いと感じている。最後にパテントと収入の関係から見るテクノロジートランスファーの比較表(イスラエル、日本、アメリカ)を以下。