海外で働いても英語が上達するわけではない

Antiquarian books — photo by K / iphone6S

海外駐在を目指す人に英語上達のコツはと聞かれたら、

「コミュニケーションに対してどれだけ貪欲になれるか」

だと自分なら答えます。

英語を勉強する理由は人によって異なりますが、海外展開する企業で働く人が目指すべきゴールは「コミュニケーションツールとしての英語を身につける」ことだと思います。

TOEIC、TOEFL、英字新聞、ニュース、海外ドラマ、洋楽。英語学習の方法は人それぞれだと思いますが、もし英語を勉強する目的が「海外で仕事をする」ことであれば、一番訓練しなければいけないのは「コミュニケーション」だと思います。海外で仕事をする人に求められるのは現地社員と一体になって成果を出していくことで、それに必要なのはペーパーテストの点数でも文法知識でも難しい単語でもなく、紛れもないコミュニケーション力であるからです。

日本人は英語が下手な人種だとよく言われます。読み書き偏重の受験制度を続けてきたせいで話す聞くが出来ない人が多いという人もいますが、日本人が今ひとつうまく英語が話せないのは、

  1. 声が小さい
  2. 外国人慣れしていない
  3. 恥ずかしがり屋、あるいは完璧主義

といった国民性の問題も大いに影響していると感じます。なので、どんなに座学を頑張って勉強して知識をつけたとしても、いざ外国人を目の前にすると緊張して言葉が出てこなかったり、ボソボソ話すせいで何を言っている分かってもらえなかったり(発音のせいではない)、変な英語を話して馬鹿にされるのが怖くてなかなか文章が出てこないといった壁にぶち当たってしまう人が多いのです。そして、多くの人はこの壁を目の前にすると、事なかれ主義に走ってコミュニケーションをなあなあで済ませてしまう。これこそが英語を上達させる上での一番の妨げになると思うのです。

周りの英語を話す日本人を見てて感じるのは、TOEICの点数なんかにかかわらず、コミュニケーションに貪欲な人ほど英語の上達も早く、外国人とスムーズに会話しているということです。下手でもいいから自信を持って自分の考えを発信し続ける、相手の言っていることが分からないならきちんと聞き返す、相手の目を見て大きな声で話す、日本人同士で仕事を済まそうとせずに現地社員も巻き込みながら仕事を推進していく。こういうコミュニケーションの「基本のき」が徹底している人は、最初はぐちゃぐちゃでも自ずと英語を使ったコミュニケーション能力が向上して、最終的には立派に現地社員と仕事をしていく英語力を身につけることが出来ています。

例えば、自分の同僚のA君の場合。彼は理系の大学を卒業していて日本でも海外とは関わらない部署だったため英語とは全くの無縁。赴任した当初は現地社員ともあまり英語でのコミュニケーションが取れていない状況でした。ところがその1年後。働いている国が違うのでその後どうしていたのかあまり知らなかったのですが、何かの機会でたまたま同じ電話会議に出席することに。もちろん会議は英語。話が煮つまり難しい話になって現地人が頭を抱え始めたその時、緊張を解き放つ発言をしたのはそのA君。何と普通に複雑な話を英語で説明しているではありませんか!完璧ではないですが、みんなが十分に理解できる内容です。さらに彼の場合は現地社員からの信頼も厚く、いろんな人から” ○○ san !”と呼ばれて親しまれていました。

最初にも書きましたが、働く人にとっての英語というのは「コミュニケーションツール」という意味合いが一番大きいです。意思疎通を図るツールである以上、やはりいくら知識豊富でもコミュニケーションができないと意味を成しません。だからこそ、コミュニケーションに対して貪欲で、完璧でなくともとにかく英語を使って外国人と面と向かって議論したり、雑談したりできることは、英語を学ぶ上で何よりも重要なことだと思うのです。実はこれってすごく勇気がいることなのですが、逆にそれをしようともしない人は、海外で働いていても一向に英語なんて上達しません。社内に何人かはいる駐在してたのに英語が全然出来ない人たち。おそらく、このタイプの人だと思います。

とはいうものの、日本に住んでるとそもそも外国人と英語を話す機会も少ないので、コミュニケーションに対して貪欲になりようがないかもしれません。ではどうすれば良いかと言うと、底上げは現地に赴任してからいくらでも出来るので、日本では中学生〜高校生レベルの英単語と文法は押さえた上で、先述した1–3の日本人特有の課題をなくせるよう、英会話教室やLanguage Exchangeでとにかく英語で外国人とコミュニケーションすることに慣れる、というのが一番実践的な勉強法なのではないでしょうか。多分週1回では少なくて、慣れるためには週に3、4回は必要でしょう。本気で仕事で使える英語を磨きたい人は、是非そのようにコミュニケーションにも積極的に挑戦してみてはいかがでしょうか。

と、大したことない英語しか話せない自分が英語上達方法について少し語ってみましたわけですが、これは自分への戒めでもあります。直属の上司がものすごく細かくDemandingなスペイン人なのですが、スペイン訛りの英語で何をいってるかよく分からないことも多ければ、専門的な話になると話の内容も難しいし、自分の考えていることが正しいのか分からず口に出せないこともあります。多分、こう言った小さな障害を頑張って乗り越えていって初めてグローバルな環境で成果を出せる人材へとステップアップしていけるのだと思います。頑張れ自分。そしてこの記事を読んでくださった方も一緒に頑張りましょう。

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