『プライド月間』に私たちができること

参加する勇気が出ない、当事者のために

こんにちは、LGBT総合研究所研究員の内野です。

いよいよ、6月になりましたね。
皆さんは6月がLGBTコミュニティーにとって特別な月であることをご存知でしたか?

元を辿れば、LGBTコミュニティーの歴史上でも最も影響を及ぼした「ストーンウォールの反乱」が1969年の6月末に起こったことから、6月に多くのプライドパレードが開催されるようになりました。

これを記念に、2000年に当時の大統領であったビル・クリントンが6月を「Gay & Lesbian Pride Month」とし、2009年にオバマ大統領が就任してからは2016年まで毎年のように6月が「Lesbian, Gay, Bisexual, and Transgender Pride Month」であると宣誓を行なっています。

ですから、6月はLGBT当事者あるいはアライ(LGBTに理解・支援する人のこと)にとって特別な「プライド月間」だというわけなんですね。

以下は、2014年のオバマ元大統領による宣誓文です。

日本で最も規模の大きい「東京レインボープライド」は毎年、4月の終わりから5月の第1週にかけて開催されることが多くなっています。

研究員の私自身も、今回初めて企業ブースからパレードまでを体験しまして、想像以上の企業参加数と来場者数に圧倒されました。
今年はパレード参加が主催者発表で延べ6000人超、イベント会場の来場者を含めると10万5000人だったそうです。

イベント会場の代々木公園からスクランブル交差点を通り、原宿まで歩きました。沿道からも沢山の人が「Happy Pride!」の声と共にハイタッチしてくれます。

さて、話は戻りますが、アメリカでも最大のプライドパレードと呼ばれる「ニューヨーク・プライド」は、昨年約200万人ほどの参加者を記録しています。
さらに、アメリカ国内だけでも6月の間だけで80近いプライドパレードが各地で開催予定です。

これだけの参加者数と開催地数の多さは、一体何が理由なのでしょうか?

そこは、アメリカ国内においてカミングアウトするLGBT当事者が多いことではないかと考えます。
アメリカ国内の調査では、自身の近親者あるいは友人にLGBT当事者がいるか?という質問に約65%の回答者が「いる」と答えているのです。

その一方で、日本国内で「カミングアウトを近親者・友人・同僚にしている」と答えている人は大変少ない、という結果が出ています。

出典:LGBT総合研究所「LGBT意識行動調査2016」2016年5月実施

差は一目瞭然です。
確かに、段々と日本のプライドパレードの規模は拡大しています。
しかし、依然として、カミングアウトをしていない当事者にとっては、参加すること自体が、意図しないカミングアウトを引き起こすリスクにもなり得ます。

そんな中、北欧の国ノルウェーでは、参加できない当事者のために私たち(非LGBT)がパレードに参加しようという取り組みが始まっています。

動画内では、人々が当事者からの「何故私がパレードに参加できないか」のメッセージを読むシーンが映されています。
比較的、LGBTに寛容な北欧でも、多くの人がまだカミングアウトできない状況にあるようです。
そして、動画の最後では、「これは私の手紙ではありません。私はこの人のためにパレードに参加します。」と宣言するのです。

動画は英語の字幕が選択可能なので、是非視聴してみてください。

Photo via: http://www.gaformeg.no/

さて、上記のノルウェーの事例を見ると日本においても、まずは非LGBTの人がアライとして表明していくことは、LGBT当事者にとってカミングアウトがしやすい環境を作り出す一つの方法だということができるのではないでしょうか?

今現在、国内におけるレインボーパレードを含むLGBT関連のイベントに協賛している企業は、以下の割合になっています。

出典:LGBT総合研究所「LGBT意識行動調査2016」2016年5月実施

このように、非LGBT層が務める職場環境ではLGBTイベントに協賛する企業が2%にも満たないことが分かりました。

現在は、国内でも大阪・名古屋・青森・九州などで同様のレインボーパレードが毎年開催されていますが、東京のパレードと比べると規模は小さいものになっています。

確かにパレード自体は当事者のイベントではありますが、非LGBTのアライの人数が増えていくことが、カミングアウトが難しいと言われる日本では大きな意味を成していくのではないでしょうか。
今後、より多くの企業と人数が参加し、より多くの都市でパレードが開催されることに期待したいです。


話は変わりますが、2016年6月12日は米オーランドのゲイクラブでの銃乱射事件がありました。
犯人は「プライド月間」を狙ったとされ、米国の歴史上でも一人が起こした銃乱射事件として最大の死傷者を出しました。

ちょうど1年経った今年の6月は、多くのLGBT支援団体やセレブリティが哀悼の意を込めた動画や画像をメディアに発信しています。
2015年に同性婚が全国で合法化されたアメリカでも、未だに多くのLGBTに抗議する運動が一部の地域で行われている現状があります。

プライド・パレードへの参加や自分の身の回りのLGBTの方々に対する配慮など、自分ができることから始めて行くことで時間はかかりますが、ここ日本でもLGBTコミュニティーへの偏見のない世界を広げていきたいです。


弊社では、国内企業を対象としたLGBT関連プロモーションのご提案等も行っております。

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