日本における『ゲイクルーズ』の可能性 その1

今こそゲイクルーズが注目されるべき理由とは

Photo via: Atlantis Events

こんにちは、LGBT総合研究所研究員の内野です。

以前のポストでお話しさせていただいた「LGBTの旅行意欲の高さ」について、多くの場合、皆さんが想像することは飛行機に乗った海外旅行であったり、電車を使った国内旅行かと思います。

しかし、欧米を中心とした海外では「ゲイクルーズ」が大きな人気を得ていることはご存知でしたでしょうか?

現在有名なゲイクルーズツアーの運営会社だと20年超の経験を誇るAtlantis EventsやRSVP Vacations、レズビアンクルーズを専門に取り扱うOliviaなどの3社が挙げられます。

彼らは収容可能客数2000名を超えるような大型クルーズを使った、ヨーロッパ周遊ツアーなどを年に数回開催し、出航の2ヶ月前には全室埋まってしまうような人気を獲得しているのです。

大小限らず、欧米を中心としてゲイクルーズは年に50超の数が企画・運行されています。何故ここまで人気があるのでしょうか?

以下のサイトでいくつかの理由が列挙されているので紹介してみたいと思います。

互いに交流を深めようとする雰囲気があること

非LGBTの人々も参加できるクルーズ船では家族や友人グループでの参加が主になるため、他のグループと交流する意欲は比較的低い。
しかし、ゲイクルーズにおいては様々な出会いを求めて参加する人々が多いためフレンドリーでオープンな人が多い。

参加者それぞれに合わせたイベントを開催

ゲイクルーズにはシングルの人のみが参加できるアクティビティや、カップルが他のカップルと交流を深められる企画等が開催されている。
そのため、どんな形で参加しても他の乗客と仲を深められる仕組みができている。

パーティー!

乗船している間は毎日のようにパーティーが開催され、クルーズ船上の屋外プールや屋内クラブルームを使用する大規模なパーティーが夜通し楽しむことができる。

飛行機と客室の予約だけでほぼ準備完了

ほとんどのゲイクルーズにおいて客室の料金には滞在中の食事や飲料の費用が全て含まれているため、ツアーに含まれないアクティビティを行わない限り毎回の支払いの手間を省くことができる。

一度の旅で多くの国に訪れることが可能

面倒な旅の予定を立てなくてもクルーズツアーではおよそ一週間に4つ以上の国々を巡ることができる。
現地の交通機関を自分で調べる手間がなくなって、朝目覚めたら次の国に着いている状況が楽しめるのだ。

旅の諸々を考える必要がない!

言うまでもなく数カ国を回るための飛行機や現地のホテルの手配は何回も行う必要はなく、通貨や言語の壁・パスポートの心配も必要ない。

多くのエンターテイメントを用意

大型クルーズでは、船内に大小の劇場が用意されておりLGBTコミュニティーで人気の有名人やドラァグクイーンのショーを鑑賞することができる。
多くの場合、ショーの鑑賞料金は宿泊費に含まれている。

デートアプリは必要なし!

アプリを使用しなくても面と向かった出会いの環境がある。

LGBTで囲まれたアットホームな環境

自分以外も皆LGBTで、同船するスタッフもしっかりトレーニングを受けたLGBTフレンドリーな人々ばかり。
心身ともにオープンになれる環境が用意されている。

などなど、日々職場や学校でカミングアウトをできず悩んでいたり、新たな出会いを求めるLGBTにとってゲイクルーズやレズビアンクルーズは日常オープンになりきれていない部分まで晒け出せる稀有な環境と言えるのかもしれません。

当社の日本国内のLGBTを対象に行った調査では以下のような結果出ています。

出典:LGBT総合研究所「LGBT意識行動調査2016」2016年5月実施
出典:LGBT総合研究所「LGBT意識行動調査2016」2016年5月実施

一見すると、今回の「ゲイクルーズ」とは関係のない調査内容にも見えますが自身のセクシュアリティを隠して生活するLGBTの割合がアメリカに比べてこれだけ少ない日本において、ゲイクルーズなどのLGBTしかいなくオープンになれる環境の必要性は自然と高くなってくるような気がします。

先週の週末に開催された東京レインボープライドでは主催者発表で過去最大の10万人超の参加があったことが分かりました。

日本でも新宿二丁目やゲイタウンと呼ばれるLGBTの人々が集まる場所は多くありますが、地方に住んでいたりで中々出会いの機会がない人も多くいるでしょう。

自分自身を隠さずに参加できるツアーは日本ではまだあまり浸透していませんが、旅行意欲が高くカミングアウトできる環境が限られる日本においてこそ「ゲイクルーズ」に多くのニーズが眠っているのかもしれません。


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