LGBTシンボルの歴史

パレードで掲げられるレインボーフラッグの背景とは?

みなさんこんにちは!LGBT総合研究所研究員の内野です。

毎年6月はプライド月間。左上のMediumのロゴもレインボーカラーに変わっていますね。

アメリカを中心とする海外では、毎週末各地でプライドパレードが開催されています。
特に今年は世界でも最大級のパレードが毎年行われている、ニューヨーク・サンフランシスコ・トロントなどが全く同じ6月25日(日)にパレードを開催します。今週末は、ソーシャルメディア上が多くのパレード写真で埋まりそうですね。

プライドパレードといえば多くの方は「レインボーフラッグ」と呼ばれる虹色の旗を振る光景を想像するのではないでしょうか?

先月の東京レインボープライドに参加した方なら分かるかと思いますが、イベント会場内でも虹色のフラッグやうちわなどが販売されており、多くの人がその旗を振りながらパレードを歩いていました。

【1978年 サンフランシスコプライド】 Photo via: http://www.nydailynews.com/news/history-lgbt-rainbow-flag-gallery-1.2271577?pmSlide=1.2271560

レインボーフラッグがパレードで初めて使用されたのは、1978年のサンフランシスコ・ゲイ・フリーダム・デイ・パレードだと言われています。
この年は、オープンリーゲイ候補者のハーヴェイ・ミルクが市議会議員選挙に当選し上記の写真のようにパレードを歩いたことでも有名です。

実は、レインボーフラッグが使用される前に“ピンクトライアングル”がLGBTコミュニティーのシンボルとして掲揚されていました。

しかし、このピンクトライアングルはナチス統治下の同性愛者が迫害を受けていた時代に、強制収容所等で男性同性愛者を区別するために装着を義務つけていたものだったのです。

ちなみに、女性同性愛者は反抗しない限り迫害対象とはされず、反抗した場合のみピンクトライアングルに対応する“ブラックトライアングル”が、他の「反社会的」とされる女性たちと共に装着が義務つけられました。

Photo via: https://adignorantium.wordpress.com/tag/pink-triangle/

そんなネガティブな歴史があるピンクトライアングルから、何か新しいシンボルを見つけようというタイミングで「レインボーフラッグ」は誕生したのです。

レインボーフラッグを制作したアーティストのギルバート・ベイカーは、当初ピンクトライアングルへのリスペクトを込めて、基本の7色にピンクを加えた8色でフラッグを制作しています。

しかし、当時は大量生産を行う段階でピンク色の布を使用することが難しく、最終的にはピンク・水色が省かれた今現在もっとも有名な6色のレインボーフラッグが主流になったわけです。

【オリジナルのレインボーフラッグ】 Photo via: http://www.gilbertbaker.com/site/

話は戻りますが、ピンクトライアングルが初めて使用されたのは1937年。ヒトラーは「ゲイがドイツの出生率を下げる原因だ」、として男性同性愛者は差別を受けました。
しかし、同性愛者の中でもドイツ人の同性パートナーを持たない外国人などは、ドイツ国家への影響がないとして迫害対象から外されるなど例外も存在したようです。

しかしながら、1933年から終戦を迎える1945年の間に、およそ5,000~15,000人の男性同性愛者が強制収容所に送られ、その大半が殺されてしまったとされています。

このようにピンクトライアングルの歴史にはとても悲しい背景がありますが、その歴史を繰り返さないために、ピンクトライアングルをイメージしたプライド仕様の商品を発売しているアパレル企業もあります。

Photo via: http://news.nike.com/news/be-true-2016

スニーカーブランドのNIKEは、毎年プライド月間に発売している#BeTrueシリーズにて、2016年モデルではピンクトライアングルをイメージしたスニーカーを発売しました。

同時に、レインボーフラッグにインスパイアされたデザインの商品も発売しており、2つのLGBTシンボルを意識したコレクションだったようです。

売上の一部は今までの#BeTrueシリーズ同様にLGBTアスリートを支援する団体に寄付されました。


以上のように、LGBTのシンボルとなっているレインボーフラッグにはその前身であったピンクトライアングルを含めた大きな歴史の変遷がありました。

今現在もレインボーフラッグは様々な方向性で進化を続けています。
例えば、ほんの先週にフィラデルフィア州が発表した新しいフラッグは、オリジナルの8色に加えて「黒・茶色」を足した10色のフラッグでした。

これには、LGBTコミュニティーの中にある人種や肌の色にもフォーカスした、より強く多様性を意識させる目的があるようです。

このフラッグ案には賛否両論な意見が集まっていますが、このようにして現代に合ったデザインや新たなシンボルがこれから生まれていくのかもしれません。

もちろんプライドパレードは楽しいお祭り的側面が強いイベントです。
しかし、ふとした時に今までLGBTコミュニティーの権利獲得のため戦ってきた人たちの姿を、レインボーフラッグのはためきに思い出してみれば、今これだけLGBTに関する論議が活発になっている社会の成長を改めて感じることができるはずです。


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