2016年、テック界のデザインテーマ8つ

Takumi Kai
9 min readDec 20, 2015

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早いことでもう年末ですね。
どうも、タクミカイです。今NewsPicksというサービスのデザインをしています。
2016年、個人的に熱くなりそうなテーマ8つを書き起こしたいと思います。1テーマ1記事付きでお送りします。

年末年始のお酒のつまみにでもなれれば、とても、とても光栄です。
それでは、どーぞ!

この記事は「UI Design Advent Calendar 2015」21日目の記事です。

▽8つのテーマ×リスト

1. プロダクトシンキング 2. 通知のパーソナライズ 3. No UI 4.ナビゲーションUI2.0 5.モバイル×動画デザイン 6.”ストーリー”デザイン 7.VRデザイン 8.脱”UI”デザイナー

1. プロダクトシンキング

1機能=1UIの側面だけでデザインを考えることから脱し、プロダクト全体の視点でデザインしていく必要が高まると思っています。なぜなら、様々な勉強会で提唱されているUX方法論を実現することは、プロダクト目線からのデザイン提案に直結するからです。

さらには、デザイナー自身がプロダクトに責任を持つような立場についていく必要があるのではないでしょうか。すでに流れを作る企業が国内にも存在しますが、「デザインが理解されない」ことから抜け出し、プロダクトの価値を高めるには、デザイナー自身がプロダクトに責任を持つ役割を担っていくべきです。

この流れがより来年は起こってくるのではないかと思います。

2. 通知のパーソナライズ

通知はアプリという新しい文化に、メルマガのような、個人にコンテンツを届ける新しい仕組みでした。

が、1人がいくつものアプリを持つのが当たり前になった、アプリ飽和時代な今、アプリ通知は興味もないのに毎日送りつけられる、うっとおしい存在になってしまっています。

過半数が必要と”考えられる”通知ではなく、より個々人に適した通知をデザインしていく時期に来年はなるんじゃないかなと思ってます。また、アプリを開かずとも通知で価値を届けられるのであれば、無駄にUIを作って要素を増やす必要もない。これも、アプリ飽和時代の解決策の1つかもしれません。

3. No UI

すでに海外では話題になっていたり、wechatやUBERなど徐々にその存在が注目されている「No UI」。

今まで画面設計であらゆるユーザーニーズを満たすためにデザイナーは四苦八苦して来ましたが、AIや柔軟な仕組み(テキストメッセージetc)で代替できる部分はやっちゃおうという流れ。

スクリーンに固執しない、根本的なコミュニケーション設計により注目が行くのではないかと思います。

4.ナビゲーションUI2.0

「ハンバーガーデザインはBAD UIだ」という流れをどう乗り越えるかが1つテーマになると思います。

狭い画面の中で要素をうまく整理してくれる”ハンバーガーUI”は革命的に思われましたが、存在が分かりにくい悪いUIの1つとして既に考えられています。

逆に「いかに要素を隠さずに、うまく整理できるか」を来年は提示していくべきです。

ガイドラインにハンバーガーUIを採用しているGoogleのマテリアルデザインでは、この流れがすでに始まっています。今年の後半にアップデートされた「Youtube」のアプリリニューアルではハンバーガーUIを廃止しています。また、「Google+」のアプリアップデートではAndroidでも共通でフッターナビを採用しています。

表現する必要のないものは削ぎ落としつつ、必要な価値を訴求すべくいかに知覚できる状態で整理するか。ハンバーガーに頼らずに実現していくのがスタンダードになる年になるでしょう。

5.モバイル×動画デザイン

動画が本格的にモバイル上のあらゆるサービスで目にする機会が増えると思います。Facebookがプロフィールに動画対応したのもその1つの流れです。そして、この動画は従来に存在する動画と同じように扱っては上手くいかないと考えています。

おそらくまずは「フィード」上に広告的に動画が設置される機会が増えますが、従来の動画をそのまま貼り付けるだけではいただけない。なぜならモバイル動画の特徴として、「ユーザーが流ら見で動画に集中していない」「動画の他にも画面上に情報がある」「音声は流れない」「スクリーンが縦長で小さい」という違いが従来のものとあるからです。

モバイルで効果的にユーザーに届けるには独自の調整が必要なのではないでしょうか。

「いかにモバイルに適した動画を作るか」といった部分にモバイルのデザイナーならではの視点で切り込んでいく必要があるでしょう。

6.”ストーリー”デザイン

アプリ飽和時代、もっというとコンテンツ飽和時代においては、目には見えない”共感”を生める機会を設計することもデザイナーに求められ始めるのではないでしょうか。
初めは画期的だった写真加工アプリも今はいくつあるのか分かりません。

人の時間をカテゴリが違うサービス同士が時間を奪い合う今、サービスに共感してもらいファンになってもらえるのかが、プロダクトには間違いなく必要です。
機能が届けられ、ターゲットユーザーに好まれるデザインをするかは、すでに語られ、行なわれています。
リアルプロダクトのように、長く愛せる”モノ”にするためデザインの力を使う必要がありそうです。

7.VRデザイン

「まだまだ先でしょ?」ということなかれ。2016年はVR元年。ということで、オキュラスやSONY PSVRなど、本格VRを体験出来る年になります。

急にすべての領域に普及するとは言いませんが、数年後には既存UIとは違う方法でコンテンツを伝える/体験する1つの表現方法として定着すると考えています。根拠としてはAmazonやFacebookなどのテック業界の大物企業がこぞってこの分野に参入しているからです。Facebookの360°動画を見たことがありますでしょうか。VR体験を1ユーザーが投稿した入り消費する未来は間違いないと思います。一足先にVRでの体験デザインを考えることは、未来のデザイン、またプロダクトを強くすることに繋がるでしょう。

まだカードボードでの疑似体験もされてない方は、年末に購入して体験されることを強くお勧めします。NYT、スターウォーズ、Youtube動画などなど、対応している大手のコンテンツは増えています。

8.脱”UI”デザイナー

これを読んで共感していただける方は、感じているかもしれませんが、やはりそろそろ”UI”だけ考えていてはデザイナーの価値は下がるし、何よりデザインがつまらなくなる時代に本格突入しているように思います。

解決する方向として、いわゆる”UX”を考えようという流れと同じに思えますが、とはいえ体験をユーザーが「知覚」する手段のイメージが”UI”に絞られすぎていては機能しない考え方だなと思っています。

UIは来年も引き続き間違いなく必要ですが、それだけではない視点で、サービスを、インターネットをデザインする視点がそろそろスタンダードになっても良いと思います。

以上です。

どれぐらい共感するものがあったでしょうか。良ければSNSにでも、意見をお聞かせください。

それでは、少し早いですが、良い年末を!
また会おう!

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Takumi Kai

Product Designer at NewsPicks,inc. Living in Tokyo, Japan.