プロフェッショナルジャーナリスト協会倫理規約

Japanese translation of SPJ Code of Ethics


プロフェッショナルジャーナリスト協会(Society of Professional Journalists)が公表している倫理規約“SPJ Code of Ethics”の翻訳です。この訳文はCreative Commons(Attribution)ライセンスにて公開していますが、これは訳文に対して適用されることを意図しており、元の文章のいかなる権利も侵害する意図はありません。問題がありましたら、可能な限り早く対応いたしますので、ご連絡ください。また、誤訳・不適切な表現等ありましたらご指摘ください。以下、訳文です。


SPJ倫理規約

2014年9月6日米国中部標準時午後4時49分、テネシー州ナッシュビルにおけるSPJの全国大会にて改定

前文

プロフェッショナルジャーナリスト協会の会員は、公衆の啓蒙が、正義の先駆けであり、また民主主義の基盤であると信じる。倫理的ジャーナリズムは、正確、公正、かつ完全な情報の自由な交換を確実にするよう努める。倫理的ジャーナリストは、誠実に行動する。

本協会は、これらの4つの原理を倫理的ジャーナリズムの基盤として宣言し、全てのメディアに携わる全ての人々による現実におけるこれらの利用を奨励する。

真実を探し、それを報道せよ

倫理的ジャーナリズムは、正確かつ公正であるべきである。ジャーナリストは、情報を集め、報道し、解釈する際に、正直かつ勇敢であるべきである。

ジャーナリストは、

– 自身の仕事の正確さに対する責任を持つべきである。それを公表する前に、情報を検証するべきである。可能な場合はいつでも、元の情報源を使うべきである。

– 速さも構成も不正確さを許容する理由とはならないことを覚えておくべきである。

– 前後関係を提供するべきである。記事を進め、推敲し、まとめる際に、不正確に伝えたり、過度に単純化したりしないよう、特に気を付けるべきである。

– ニュース記事の存在期間を通じて、情報を集め、更新し、訂正するべきである。

– 約束をする時には用心深くあるべきだが、自身がした約束は守るべきである。

– 明確に情報源を特定するべきである。公衆は、情報源の信頼性と動機づけとを判断するために、できるだけ多くの情報を得る権利がある。

– 匿名性を約束する前に、情報源の動機を考慮するべきである。危険、報復、または他の危害に直面するかもしれず、どこか他で得ることができない情報を有する情報源のために、匿名性を用意しておくべきである。匿名性が与えられた理由を説明するべきである。

– ニュース報道の対象が批判または不正の告発に応じることを許すために、ニュース報道の対象を入念に探すべきである。

– 伝統的な公然の方法では公衆に不可欠な情報が得られない場合を除いて、身分を隠した、または他の内密な情報の収集方法を避けるべきである。

– 権力を有する者が説明責任を果たすようにさせることについて用心深く、かつ勇敢であるべきである。声なき者に声を与えるべきである。

– たとえ自身が反感を抱く見解であったとしても、種々の見解の公然かつ市民的な交換を支持するべきである。

– 公共の事柄および政府の監視者として仕える特別な義務を認識するべきである。公的な仕事が開かれた形で行われており、かつ公的な記録が全ての者に公開されていることを確実にするよう努めるべきである。

– 関連があり、かつ適切である時には、原資料へのアクセスを提供するべきである。

– 人間の経験の多様性と大きさとについての物語を大胆に語るべきである。我々がその声をほとんど聞くことのない情報源を探すべきである。

– 固定観念に当てはめるのを避けるべきである。ジャーナリストは、自身の価値観と経験が自身の報道を形づくるであろう方法を考察するべきである。

– 意見と解説に表示を付けるべきである。

– 視覚的な情報を含む事実または前後関係を決して故意に歪めてはならない。具体例と再現に明確に表示を付けるべきである。

– 決して剽窃してはならない。常に帰属を示すべきである。

危害を最小化せよ

倫理的ジャーナリズムは、情報源、対象、同僚、および公衆の成員を尊敬に値する人間として扱う。

ジャーナリストは、

– 潜在的危害または不快感と、情報に対する公衆の要求とを釣り合わせるべきである。ニュースの追求は、傲慢さ、あるいは不当な侵入の許可証ではない。

– ニュース報道により影響を受けるかもしれない人々への思いやりを示すべきである。青少年、性犯罪の被害者、および未熟であるか同意を与えることができない情報源または対象を扱う時、高い感度を用いるべきである。近づき方と待遇の文化的な相違を考慮するべきである。

– 情報への法的なアクセスと、公表し、あるいは放送することの倫理的な正当化とは、異なるものであると認識するべきである。

– 私人には、公人、および権力、影響力または注意を求める他の人と比べて、自分自身に関する情報を制御する大きな権利があると理解するべきである。個人情報を公表し、あるいは放送した結果を考察するべきである。

– たとえ他者がそうする場合であっても、醜悪な好奇心に迎合することを避けるべきである。

– 容疑者の公正な裁判に対する権利と、公衆の知る権利とを釣り合わせるべきである。犯罪容疑者が法的告発に直面する前に、彼らを特定することの意味を考慮するべきである。

– 公表物の永続性および広い到達範囲の有する長期的な意味を考慮するべきである。必要に応じて、より完全な、更新された情報を提供するべきである。

独立して行動せよ

倫理的ジャーナリズムの最高かつ最上の義務は、公衆に仕えることである。

ジャーナリストは、

– 実際のものであれ、そう受け取られるものであれ、利益相反を避けるべきである。不可避の利益相反を公開するべきである。

– 贈り物、好意的な取り扱い、支払い、無料の旅行、および特別な待遇を拒否するべきであり、誠実さ、または不偏性を傷つけるかもしれない、あるいは信頼性を損なうかもしれない、政治的および他の外部での活動を避けるべきである。

– 好意的な取り扱いのため、または金銭のために情報を提供している情報源に、慎重になるべきである。ニュースへのアクセスのために金銭を支払ってはならない。金銭を支払ったか否かに関わらず、外部の情報源によって提供された内容を特定するべきである。

– 広告主、資金援助者、または他のいかなる特別な利益団体にも好意的な待遇を与えるべきではなく、報道に影響を与えようとする内部および外部の圧力に抵抗するべきである。

– ニュースと広告とを区別するべきであり、この2つの間の境界線をぼやけさせる混合物を避けるべきである。資金提供を受けた内容に顕著に表示を付けるべきである。

説明責任を果たし、透明であれ

倫理的ジャーナリズムとは、その者の仕事に対する責任を持ち、その者の決断を公衆に説明することを意味する。

ジャーナリストは、

– 倫理的な選択と過程とを聴衆に説明するべきである。ジャーナリズムの慣行、報道、およびニュースの内容について公衆との市民的な対話を奨励するべきである。

– 正確さ、明快さ、および公正さについての質問に素早く応じるべきである。

– 間違いを認めるべきであり、迅速に、かつ顕著にそれらを訂正するべきである。注意深く、かつ明確に訂正と釈明について説明するべきである。

– 自身の組織内のものを含む、ジャーナリズムにおける非倫理的な行為を開示するべきである。

– 自身が他の者に期待するものと同じだけの高い基準を守るべきである。


SPJ倫理規約は、変わりゆくジャーナリズムの慣行に対処する追加的な説明とポジションペーパーとにより支持される、不変の原理についての記述である。この規約は一組の規則ではなく、むしろ、媒体に関係なくジャーナリズムに従事する全ての者が、自身が提供する情報に対する責任を持つことを奨励する指針である。この規約は全体として読まれるべきであり、個々の原理は前後関係から取り出されるべきではない。この規約は法的強制力を持つものではなく、またアメリカ合衆国憲法修正第1条のもとでは法的強制力を持つことはできない。

シグマ・デルタ・カイの最初の倫理規約は、1926年に米国新聞編集者協会から借用された。1973年に、シグマ・デルタ・カイは自身の規約を起草し、それは1984年、1987年、1996年、2014年に改定された。