【第一回】Dogechainレポート(ブロックチェーン研究会)
今回のレポートについて
今回のレポートはDogechain本体についての理解を深める目的の内容となります。Dogechainのホワイトペーパーに記載されている内容をかなり噛み砕くものです。
目次
1- Dogechainの運営チームに関する情報
2- Dogechainを作成した背景と目的
3- Dogechainの仕様について
4- 最後に(個人的な現段階での感想)
Dogechainの運営チームに関する情報
HP:https://dogechain.dog/
Twitter:https://twitter.com/DogechainFamily
Telegram:https://t.me/DogeChainOfficial
medium:https://medium.com/@DogechainFamily
運営チームに関する情報は公式には記載がされていません。(あったら教えてください)Dogecoinのコミュニティの方で、Dogecoinを応援している方でチームを組成しているとのことです(それ以上の記載がない点に関しては不信感を抱きます)先日開催されたTwitterスペースにて、スピーカー側であり明確にチームの方であると確認できたアカウントは以下になります。あくまでも公式には記載がなく、独自の調査によりまとめている内容となります。
alee.eth
Twitter:https://twitter.com/alee
medium:https://andrwlee.medium.com/
W3J:https://w3j.substack.com/
aleeはAndrew Leeという名のアメリカ在住の方で、名前と顔写真を公開しています。”Web3Journal”を立ち上げ、aleeの考察や見解を発信しています。他のプロジェクトの実績は”KarmaDAO”を立ち上げているのとステーブルコインのプロジェクト”Frax Finance”のメンバーとしての一面もあります。そのためFrax FinanceはDogechainにおけるステーブルコインも作成しています。過去の様々な投稿から、ブロックチェーンに関する知識は相当にあるものだと感じられます。
Roc Zacharias
Twitter:https://twitter.com/CryptoRocky
Rocもaleeと同じように顔と名前を公開しています。DogechainではCore Contributer(中心である貢献者かな?)です。実はPolygonの中心AMMDEXとしても有名な”QuickSwap”の共同創業者の一人でもあります。そのため、上記Fraxと同じくDogechainに対応したQuickSwapのAMMDEXをローンチしています。また”Lunar Digital Assets”という暗号通貨専用のコンサルティングファームの最高経営責任者としての一面もあります。
(余談)謎の日本人女性
こちらに関しては仕事辞めたいのみの情報です。日本コミュニティのことを教えてくれとaleeから連絡が入り、aleeとLINEで交流を持ちました。その際に、日本のLINEのオープンチャットには海外の電話番号では入ることができないため、aleeはこの”謎の女性”の電話番号を使用してグループに入りました。また、この女性からのネイティブな日本語音声による挨拶も送られてきています。いずれaleeは日本でもミートアップを行いたいとのことで、私の予想ではすでに日本市場を狙うためにこの”謎の女性”をチームに入れていると考えています。
Dogechainチームメンバーに関する情報は現在確認できている中では以上になります。メンバーの中にはDogecoinの開発者は参入しておらず、あくまでも彼らが勝手に独自で作成したブロックチェーンという認識です。
Dogechainを作成した背景と目的
Dogechainはその名の通りミームコインとして有名な”Dogecoin”のサイドチェーンになります。公式HPにはLayer2と記載されていますが、正確にはサイドチェーンです。Layer2はLayer1のコインのセキュリティを利用しますが、DogechainはDogecoinのセキュリティを利用しておらず、あくまでも独自のバリデータでセキュリティを担保しているため、サイドチェーンという扱いになります。
Dogecoinは2013年に開発された、ライトコインをベースとしたPoWのブロックチェーンのコインです。発行枚数は無限で、今なおマイニングが行われており、その消費電力は小国の消費電力に匹敵すると言われています。Ethereumのようにスマートコントラクトは実装されておらず、決済や送金などのような使い道しかありません。
上の画像はCoinCeckoにおける仮想通貨の現在の時価総額ランキングのTOP10です。ステーブルコインを除くとスマコンを実装していないコインはBTC, XRP, DOGEのみとなります。運営チームはスマコンを実装したコインの人気が高まってきており、スマコンを実装していないコインの人気は落ちてきていると述べています。また、PoWに関してもその消費電力の高さや、処理能力の問題から時代遅れだと指摘しています。運営チームは上記のDogecoinの問題を解決するために、Dogecoinの新たな使い道となる、スマートコントラクトを実装したPoSのサイドチェーンであるDogechainを作り出すことを計画しました。
Dogechainの仕様について
特徴
- EVM互換
- PoS
- ブロック生成時間=2秒
- バリデータノードは21
- ガス代は$wDOGEを使用
- エクスプローラー https://explorer.dogechain.dog/
DogechainはPolygonのフレームワーク”Polygon Edge”を使って作成されたブロックチェーンです。Polygon Edgeを使うことで簡単に、独自の様々なカスタマイズを施したEVM互換のブロックチェーンを作り出すことができます。EVM互換であることは非常にメリットがあり、開発者はEthereumのコントラクトを直接そのままDogechainに持ち込むことが可能です。
セキュリティを担保するために、21のバリデータノードが稼働しています。DogechainはPolygonやDogecoinのセキュリティを利用することができないため、独自のバリデータノードを稼働させる必要があります。
Dogechainにおいてはガス代として$wDOGE(Dogechainにラップされた$DOGE)が使用されます。$wDOGEはPoSのステーキングに参加するために必要なトークンになる、予定だったのですが、トケノミクスの見直しにより$wDOGEのステーキングによる報酬は無くなりました。
$DCについて
Dogechainのネイティブトークンであり、ガバナンストークンです。Dogechainにおける様々な役目を果たすトークンとなります。$DCの詳細に関しては別レポートを作成します。
最後に(個人的な現段階での感想)
Dogechainはかなりネットワークが落ちやすい印象を持っています。何度も落ちる場面があり、さすがPolygonのフレームワークという感想を抱きました。$DCの大量売却(かなりの規模をしています、100億円規模)により資金を得て、その辺りが改善されればと思います。
$DCのローンチ直後の大量売却は実際に発生しています。しかしDogechainはVCがおらず、事前のエンジェルラウンドのセールやプレセールなども一切なかったプロジェクトであり、今回の売却が初めて資金を得た瞬間になります。(例えばAleoは現段階で290億円規模)大量の資金を得て満足したので辞めます、とチェーン自体がラグる可能性ももちろんあります。
しかし、上述したようにVCがいないプロジェクトではある程度の運営による売却は発生すべきと考えています。真面目にプロジェクトを運営して、Dogechainを拡大していくビジョンの実行をするには資金が必要です。Dogechainの開発者のための助成金基金も立ち上げており、現在100を超えるプロジェクトから応募があると発表しています。
独自の技術や特殊な機能を開発しているわけではないので、100億円という規模は確かに少し多いかなぁ、という感想も正直抱く部分はあります。どうしても応援しているので前向きに見てしまうので、その点は気をつけます。
本レポートは投資を助長する目的ではありません。独自の調査による判断をお願いします。