Googleは無料で住居を提供してくれるのか?

星新一のショートショートに、「住宅問題」という作品があります。

簡単にいうと、広告収益により運営されている無料住居で、居住者が自らの私生活を広告で埋め尽くされてしまうというお話です。これが、Googleなど微塵も存在しない昭和の時代に書かれた小説というから驚きです。

もし本当に住居について広告モデルでのビジネスを行う場合、家賃相当額を賄うだけの広告収益が必要となります。それなりの住居となると、ターゲットの属性としては、(圧倒的な)購買力の高さが求められることになるように思えます。

このように、このモデルでは購買力が高い顧客がターゲットになってしまい、無料住居が実現してもこれを享受できるのは金持ちに限定されてしまう可能性があり、それはそれで皮肉な未来です。

さて、広告モデルでのビジネスは、現時点では無料ウェブサービスが中心となっていますが、IoTが普及することでモノの利用についても広告モデルのビジネスが登場してくる可能性が高いのではないでしょうか。

「消費」は、モノを「所有」することから「利用」することに重点が移っていると言われていますし、広告モデルのビジネスはサブスクリプションや一時使用と相性がいいといえます。モノ広告モデルビジネスは、まずはレンタル系・シェア系の事業から普及するのではないでしょうか。

服レンタル、家電レンタル、カーシェア、タクシーなどで広告モデルによる無料(あるいは超低価格)のサービスが登場するのもそう遠い未来でもないのかもしれません。

それにしても、星新一の作品にはリアルに実現しそうな近未来を描いたものが少なくありません。人間のインスピレーションというものの奥深さにただただ感心するばかりです。