分散型通貨の分散型トレーディング

Wavesplatformの記事”Decentralising trading of a decentralised currency”の日本語訳です。

3年を経ても、GoxはいまだBitcoin世界に影を落とし続けています

最初の分散型電子通貨の恩恵を得た人たちが、中央集権型取引所でのトレードを強いられている状況は皮肉なものです。 セントラライゼーション、このフィアット通貨制度の弊害は、Bitcoinとクリプトカレンシーエコシステムに望ましくない機能ながらも残っています。 それにさよならを告げる時が来ました。

MtGox、 それは今は亡きビジネスの名前だけでありません。 ‘Gox’は他の文脈には見当たらない、Bitcoin世界の専門用語になりました。 あなたはZhou Tongingとは何か、知らないかもしれません。HODLをアドバイスされれば、いぶかしげに眉を持ち上げるかもしれません。しかし、短期間であっても周辺に居たなら勝ち目はあり、世界初のBitcoin取引所がクリプトコミュニティに残した冷たい影を理解するでしょう。 親達はそれを、子供達に秘密鍵の取り扱いを注意深くさせる恐ろしい物語として使用できます。 自分の使用している取引所が同じ状況になったときには、大の大人が恐怖のあまり泣き出すほどです。

Goxxed、 Gox(動詞、自動詞): 盗まれるさま、文字通りに、あるいは比喩的に、この場合無償還である。自らの手に余る限界を把握できない者の愚かさ、不誠実さに起因する。重なり続けるさまは、合わせ鏡であり、Gray’s Anatomyのコピーのようである。 ‘Goxした’、’彼らは信用できない、Goxするかも’。真にGoxという言葉が継承してきたのは、このようなことが再び起こるべきでない、というある種の経験的な苦悩であり、クリプトカレンシー取引所をはじめ、中央集権型機関に置かれた信用の抹消です。 特にMt Goxから引き継がれています。

ディセントラライゼーション

ディセントラライゼーションの潮流がBitcoinerによる信仰のキモになっています。 bitcoinの低コスト、高速、無干渉の恩恵を得る人は、中央集権型のフィアット世界では一般的でない、これらの機能の真価を認めるでしょう。 同様に、供給量の固定も魅力的です。それはBitcoinが自らを価値保存分野に区分けする1つの理由でもあります。 民間銀行と中央銀行は資金供給に一方的なコントロールを行っています。そしてトランザクションを自由に妨げ、取消できるのです。Bitcoinはユニークなオルタナティブを提供します。

それは歯ぎしりするフラストレーションの源泉であり、フィアットや他のクリプトカレンシーとBitcoinがトレーディングされる主な理由です。それは中央集権型取引所で行われています。 ここにはさまざまな問題が伴う嘆かわしい慣習があります。 ハッキングを受けます(ここでのハッキングとは、テクノロジーに精通した盗人による攻撃を意味します。あるいは悪質なオーナーや雇用者による不正を指します)。 DDoS攻撃によりオフラインにされ、しばしばトレードサイクルの重要な瞬間が狙われます。 中央集権型取引所は、チャイナの人民銀行によって調査され、トレーダーにとって利益か不利益か知る由もなく、新たな規制が課されます。 税逃れの取締に関して顧客情報を公開するように呼び出されるかもしれません。 コインをリストに加えるために高額な支払を要求できたり、リクエストを無視したり、恣意的にコインをリストから除いたり、実際上、コミュニティとその市場を排除できます。 これら全ての問題は、Bitcoinのベテラン勢には身近な存在であるでしょう。

セントラライゼーションのタイプ

定義によれば、セントラライゼーションは権力の集中を伴います。同時に技術的および組織的な単一障害点をもたらします。 Bitcoinの初期には、MtGoxがいろいろな意味でBitcoinトレーディングの中心を担っていました。 唯一の実用的な取引所でした。Bitcoinをトレーディングしたいなら、それがたった1つの選択肢です。 アルトコイン世界では、このような独占がいまだに主張されます。流動性のある少数の取引所が異なるクリプトコインのトレーディングを可能にしているのです。

資金のセントラライゼーションでもあり、攻撃者のターゲットになります。 p2pのオンライン価値送信を可能にしたプロトコルのはずが、顧客の資金を預かることで、セントラライズドなGoxリスクに見舞われます(疑わしいコードでセキュリティが施されていたことも判明しています)。 私たちは失われた650,000BTCの内、それぞれ不誠実さ、無能力、ハッカーの悪意ある行動に起因するものがいくらになるか知り得ません。 Bitcoinプロトコルは盤石であっても、チェーンはその最も弱い部分の強度で測られます。 Goxはその原則を悲惨な形で具現化しました。

トレードの分散化

CounterPartyやNxtに留まらず、これまでに多くの分散型クリプトカレンシー取引所が現れました。 これらの全ては1つ2つの重大な問題に悩まされています。 利便性が低いことも多く、ユーザー体験が貧弱で無用に複雑であったりします。 さらにそのほとんどで、トークンはネイティブ通貨とトレードされる必要がありました(CounterPartyならBitcoin、Nxt Asset ExchangeならNXTといった具合に)。 それらはブロックタイムがネックになり低速です。トレードの状況を知るまでに10分かそれ以上を待たされました。 ブロックチェーンベースのUSDトークンの信頼できるプロバイダーが存在するケースは少なく、たとえ居たとしても、もちろん、それらはUSDや他のフィアット通貨とトレーディングするには適していません。 別の言い方をすれば、各々の流儀で先駆的であったにせよ、それらは目的に最適化するのが難しかったのです。

真に使い易い分散型取引所のミニマムな要件に含まれるのは:

  • スピード。 HFTが最初から必要ではありませんが、トレーダーは彼らの注文がリアルタイムで実行され知らされる必要があります。次のブロックタイムまで待つことなく。
  • トークンtoトークン・トレーディング。 ユーザーは取引ペアを直接トレードでき、ネイティブ通貨との取引をはさみません: USD-BTC, USD-EURといった具合に。USD-xyzからのxyz-BTCではありません。無用な手間と追加コストから解放されます。
  • ブロックチェーン上のフィアット。 これは難しい試みです。セントラライズドなフィアットシステムは、ブロックチェーンの分散型世界となかなか結び付きません。 これまでに多くのアプローチが試されてきましたが、特に満足のいくものは出てきていません。 しかしながら、トレーダーは資金逃避のために価値保存先を必要としており、そうでなければ取引所から収益として出金しなければなりません。

DEXとTidex

フル分散型取引所エンジンは、長い間Bitcoinトレーディングの至高の目標でありました。しかし、それは実現が難しいものでした。 どのようにすればセントラライズドなフィアット通貨は、セントラライズドでなくなるでしょうか? いくつかの試みがなされています。 Coinffeineは面白く革新的な取り組みをしています。 Bitcoinとフィアットの送信をスライスして交互に送信するのです。 預金が不正の試みに支払われないことを保証します。 これはトラストレストレーディングのための巧みなソリューションです。そしてBitTorrentのようにp2pネットワーク上で動作します。しかしながら、そこには制限があります。 まず第一に、通常の取引所とは全く異なっており、不可逆送信をサポートするフィアットペイメントプロバイダに登録する必要があります。そこには追加コストとハードルがあります。

Wavesプラットフォームは、クリプトカレンシープラットフォームのメインストリームでの活用準備ができていない、という認識の中で生まれました。 ユーザー体験、スピード、スケーラビリティは限定的で、プラットフォームを市場に提供する際の生命線となるビジネス開発は、よくてもアマチュアレベルになる傾向があったのです。 そして上記の機能が整わない分散型取引所は、トレーダーにとって使い易い取引ボリュームを達成できませんでした。

Wavesはカスタムトークンプラットフォームです。クリプトカレンシー活用の開拓者は、相対的に基本的なブロックチェーン機能であるシンプルなトークンの作成と送信機能になる、というアイデアをベースにしています。 これらのトークンは望むものがあれば何でも表すことができ、何を使用しても裏づけることができます。 Wavesブロックチェーン上でBitcoinとUSDをトレードするためには、BitcoinとUSDのゲートウェイが必要です。

Bitcoinのケースでは、’multigateway’アプローチを指します。3つ以上の安全なサーバーが、ユーザーのBitcoin入金とマルチシグアドレスへの保管を可能にします。 このBitcoinを表すトークンがWavesブロックチェーン上に自動的に発行されます。 このプロセスは従来の取引所に資金を預金するのと似ていますが、大きく安全性が向上します。 完全なディセントラライズドではありませんが、ディストリビューテッドです。従来の取引所に必要だった信用から、かなり改善しています。

USDのケースでは、Tetherが採用しているメソッドが唯一実用的です。フィアットを、保証され、監査されたアカウントに保存し、そのフィアット毎にトークンを発行します。部分準備銀行とは異なる、100%準備システムです。 信頼度はこのアプローチに固有のものですが、フィアットシステムの特性をシンプルに反映しています。

トークンは、Wavesの分散型取引所(DEX)で互いに直接取引されます。 これはマイナーがトランザクション手数料を他の通貨で受付けることで可能になります(ホワイトリストやブラックリストで指定できます。無用と判断されたアセットは他のノードに回ります)。 全てのトレードはブロックチェーン上でセトルメントされますが、注文はマッチャーとして機能する個々のノードによってペアリングされます。 これにより中央集権型取引所のスピードが確保され、分散型プロトコルのセキュリティを保てます。 マッチャーが落ちたり、不正な挙動をしても、トレードは通らず、資金は失われません。

このアプローチにTidexが加わります。バックエンドにWavesのDEXを統合する予定の新たな取引所です(現在はベータ)。 Tidexは複数のフィアットとクリプトカレンシーを採用し、馴染み深いトレーディング体験を提供しますが、WavesのDEXに直接サービスを提供するマッチャーノードとしても機能します。

Bitcoinエコシステム内に根強いセントラライゼーション問題は、単独の参加者によっては解決されません。 分散型トレーディングプロトコルには、多くの新たな取引所とそのオーダーブックを集めそれらの間を裁定する手段が必要になります。 DEXとTidexは待望のソリューションの撚り合わせを提供します。 やがて、他のものも出現して、おそらく分散型通貨の中央集権型トレーディングの時代は終わりを迎える時が来るでしょう。