デザインするということ。UNDEFINEDとNYAGOとデザイン
はじめまして
はじめまして。株式会社UNDEFINEDの若月と申します。ぼくはCEOというポジションで、プロダクトという面で見ると、デザインと開発(iOS)を担当しています。
ご存じの方もいるかもしれませんが、今月末にアプリを正式に公開することをきめました。それが「NYAGO」というアプリです。実はこのアプリに至るまでに、いくつもの事業モデル・プロダクトを考えては潰してというようなことをやっていたのですが、正式に公開するという意味では今回のリリースがはじめてになります。
そこで、今回は「スタートアップの一番最初のプロダクト」がどのようにしてつくられているのか。ということをデザインの面からお伝えできればと思っております。
UNDEFINEDという会社
軽く会社の説明と、創業からこれまでのストーリーを紹介します。
まず、UNDEFINEDという会社は、ぼくと高校の1個上の先輩だった渡邉、そして前職で一緒に働いていた金井の三人で創業しました。創業したのは、昨年の9月なので、なんだかんだ正式リリースまで半年ほどかかっています。
これはなぜかというと、いろんな事業を考えて、試してみながら自分たちに向いているところを探していたからです。
そんなこんなでNYAGOという今回のプロダクトをつくることになりました。
会社でなにをしているか
会社のなかでぼくの役割はこんな感じです。
- デザイン(UI/UX, ロゴなど全般)
- 開発(iOS)
- あとは経営陣としての仕事
そして、渡邉が主にPMを担当、そして金井はAPI,Web側を担当しています。また、社内にはあと2人ほど開発を激しくサポートしてくれているインターン生がいます。
ぼくとデザイン
最近良く聞かれることとしてあげられるのが、「どこでどうやってデザインを勉強したの?」ということですが、正直、あまり勉強していないというのが答えです。
先程ちらっと出てきましたが、前職で、Webデザイン・コーディングを担当させていただいていたので、基本的なことはやりながら覚えました。
ですが、会社を設立したとき、アプリのデザインに関して言えばまったくの未経験でとても困ったなと思ったので、とりあえずPinterestで「iOS UI」とか検索してかっこいいなと思ったものをトレースしていました。
トレースを重ねていく中で、アプリを構成しているパーツのこと、デザインパターンなどがケーススタディとして蓄積されていって今に至るというイメージです。
なぜぼくがデザインをやったかというと、「アプリをよく触っていた」ということと、「なんか響きがかっこよかった」この2点かなと思います。
意識とデザイン
デザインってかっこいいものをつくればいいんだよねっていう前提があるかもしれませんが、これは間違っているのかなと思います。まあ、なにをつくるかということによってこの答えは変わるのですが、UIデザインにおいては「かっこいいもの」ではなくて「コンセプトに沿ったもの」なのかなと考えています。
コンセプトとデザイン
まず、アプリをつくるとなってから正式リリースまで、ぼくたちは果てしない数のミーティングを重ねてきました。おそらく、他のチームから見たらミーティングが多すぎるかもしれないというくらいです。そのミーティングで何を話しているかというと、
- アプリのコンセプト
- 要件定義
- ユーザーインタビュー
これが多いのかなと思います。まず、コンセプトについて。コンセプトというとなんか堅い感じがしますが、「軸」だと考えています。
とてもむずかしいことに、コンセプトがブレるとプロダクト、チームに亀裂が入ります。「俺はこう作りたいんだよ!」「いや、それは違うだろ!」みたいな話になりかねないので、そこはPMの渡邉がとてもうまい感じに言語化してくれています。
NYAGOのコンセプト
NYAGOをつくるに至ったきっかけはおそらく渡邉が書いてくれているので、そちらを読んでいただきたいなと思うのですが、かんたんにNYAGOというアプリについて説明します。
NYAGOは
「コミュニケーションのハードルを下げる」ということをコンセプトにしています。それは、「気になるアイツにニャゴしよう」というキャッチコピーにも如実にあらわれていますが、要はこれまで連絡するのに勇気が必要な相手、躊躇してしまう相手に連絡しやすい、ダル絡みしやすいアプリをつくろうということです。
そんな軸からアプリを設計して、
- 送る側だけ”とくめい”のチャット
- 暇な人がSNSで募集するチャット
- 朝6時に消えるチャット
こんなアプリにしましょうかというところまで決まりました。
“とくめい”とデザイン
先程から”とくめい”と書いているので違和感を覚えた方もいるかもしれませんが、これもコンセプトに沿って決めた文言です。
日本で活発に使われている匿名のサービスというと、
- 2ちゃんねる
- 匿名掲示板
などなど。ちょっとネガティヴなイメージ(作っている方ごめんなさい)があるサービスが多いのかなと思います。
それはなぜかというと、「匿名だから言えること」という軸で考えると、どうしてもネガティヴな悪口だったり、愚痴だったりが増えてしまうからです。
もちろん、NYAGOにもそういったユースケースは存在すると思うのですが、先程のコンセプトから考えると「ネガティヴな匿名ではなく、ポジティヴなもの」、例えば、「気になってる女の子に”とくめい”だからチャットできるよ」みたいな印象です。
そう考えると、*匿名*という字面はちょっと堅い、怖い、良くないんじゃないか。あくまでぼくたちがつくっているのは、”とくめい”でコミュニケーションのハードルを下げるプロダクトだ。ということで”とくめい”というキャッチフレーズに決まりました。
“とくめい”とUIデザイン
さて次はこの”とくめい”というコンセプトを言語化するフェーズです。このアプリがどういったシチュエーションで使われるのか、ユーザーがどんな気持ちで使うのかということをまとめると、
メッセージを送る側
これまで連絡を躊躇していた相手に連絡する -> どきどき!
メッセージを受け取る側
“とくめい”でメッセージがくる -> だれだろう!どきどき!でもちょっと怖い…
こんな感じなのではと思います。すると、ネガティヴな要素は「ちょっと怖い…」ということになります。ここをデザインの力でどうにかしないといけないなという感じではじまりました。
ちょっと悩んだ末、
- “とくめい”を感じさせないポップなカラーリングとUI
- 「名無しさん」みたいな相手から来るのではなく、「かわいい動物」にする
デザインのベースはこれだ!と決まりました。
UIは大きく分けて2回変わったのですが、(もちろん、細かい修正を含めたらもっと)その3バージョンすべてがとてもポップなデザインになっています。
NYAGOとつくりたい世界観
ここまでデザインプロセスについて紹介してきましたが、NYAGOというアプリが目指すのは、「コミュニケーションのハードルを下げる」ことです。
インターネットが当たり前になった世界で、本来コミュニケーションは非常に容易なものであるはずです。そんな時代になっても、「気になってる相手」「卒業してから一回も会っていない中学の同級生」に用もないのに連絡をするのは難しいという人が多いのではないかと思います。
ぼくたちは、インターネットでリアルなコミュニケーションを加速していきたい、そう思ってNYAGOをつくっています。高校生が、ティーンエージャーが言語化できないコミュニケーションの難しさを、ユーザーに寄り添うことで言語化してプロダクトとして提供する。
NYAGOは明日リリースされます。不安もありますし、どう使ってもらえるのか未知数な部分もありますが、ぼくたちはコンセプトを大切に、ユーザーの意見を聞きながら、これからもプロダクトをつくっていければいいなと思っています。