シェアリング・エコノミー Uber,Airbnbが変えた世界

著者
宮崎康二

近年急速に広がるシェアリング・エコノミーについてUberやAirbnbなどの成長事例を交えてシェアリング・エコノミーとはなにか。
それに伴って起こっている数々の問題や規制や労働について詳細に説明してくれている良書です。

シェアリング・エコノミーとは?

社会の限られた資源を、テクノロジーを用いて効率的に分配し、活用していく仕組み。

シェアリング・エコノミーの特徴

・シェアする、あるいは共有するといった性格を持つ取引である
・P2Pあるいは、個人間のモノなどのやりとりである
・取引はインターネット上のプラットフォームで行われる
・ソーシャルメディアによる信用をもとにしている

特徴のうち上の2項目は、新しいものではなく、古くからある考え方だとされています。
21世紀に台頭しているシェアリング・エコノミーは上2つの特徴に加えて、下の2つの特徴を備えていることが決定的な違いです。
インターネットを使うことでシェアが行われる範囲が世界中に広がり、SNSを使って、売り手と買い手で相互評価を行うことで信用を確保しました。

規制と労働

新しい経済現象であるシェアリング・エコノミーでは、規制の在り方が大きな問題となっている。
ビジネスを行ったり、サービスを提供したりしているのが企業ではなく個人であること、取引の形態がこれまでとは異なることなどから、新たな規制の枠組みが必要となっている。

通常の住宅やアパートの一室を貸し出すAirbnbなどのサービスに対して「ホテルと同じ規制を守れ」というのはシェアリングサービスそのものの良さを殺してしまいます。
一方で、近隣の住宅が勝手にサービスを開始したことによる治安の悪化や騒音などの問題も起きる可能性が考えられます。
このようなことから、シェアリングサービスという新しい形のサービスに対しては、従来の規制に当てはめて考えるのではなく、既存業界との違いを理解し、全く新しい規制の形が必要になります。

労働問題

サービス提供者が、従業員と同じような業務をこなしているにも関わらず、個人事業主として扱われることで、最低賃金など労働者としての権利が守られず、不利益を被っているのではないか

この問題に関しては、個人的には選択の問題だと思っていて、
既存企業の従業員とシェアリングサービスを使った個人事業主として得られるメリット、デメリットを理解して、自分に合っている方を選択することが大切だと感じます。
現状のシェアリングサービスとの向き合い方は、「空いた時間を利用して収入を得ることができる」という向き合い方が最善なのではないかと個人的には思っています。

クラウドソーシング
個人の時間やスキルをシェアする

クラウドソーシングは、モノではなく、個人の時間やスキルを社会全体でシェアするというタイプのシェアリング・エコノミーである。

クラウドソーシングは、開発、デザイン、翻訳、ライティングなど個人のスキルを活かしたサービスが行われています。
特徴としては、P2P型とP2B型の2種類があり、企業が個人に発注する流れも加速しています。

本書で定義しているクラウドソーシング企業の役割

・発注者と受注者のマッチング
・評価システム
・取引を安全に進めるためのサポート

であると定義しています。
今後のクラウドソーシング市場の急速な拡大に伴って、さらに重要になっていくのが、3つ目の取引のサポートです。
受発注される仕事の複雑化などに対応して取引を円滑に進めるためのサポートがさらに重要になってくると考えられています。

このようなサービスが広がっていくことで、働き方に対しての考え方が変化していき、企業に属するのではなく、自分の得意分野を存分に活かした働き方が増えていくことで、個人の力が発揮され、より多様な働き方ができる社会になっていくのではないかと思います。

2020年に向けて

2020年の東京オリンピック、パラリンピックの開催時には、延べ1000万人もの外国人が日本を訪れると予想される。
それに伴い、ホテルや交通機関に対する需要が増加する。
シェアリング・エコノミーの仕組みを上手く用いれば、オリンピックによる短期的に急増する需要にも効率的に対処することが可能なのではないか。

Airbnbは今回のリオオリンピックで懸念されていた宿泊施設不足に対して、公式サプライヤー企業として参加し、バックアップをしました。
期間中(17日間)の宿泊人数は6万6千人を超え、リオデジャネイロ市内で、76億円の経済効果が見込まれいます。

このような事例から、東京五輪でも間違いなく宿泊、交通様々な場面でシェアリング・エコノミーのサービスは必須であり、急速な需要拡大に対応する規制の整備が急務であります。

最後に

本書を通して、言葉だけはよく聞くようになったシャリング・エコノミーという新しいものに対して、理解が深まりました。
シェアリング・エコノミーという新しい流れが拡大していくのは確実で、そこに対しての向き合い方がよく分かる良書でした。

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