持ち歩き用のミニ防災袋を作る話

Seulaset
12 min readMay 22, 2017

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たいしたきっかけはないのですが、家の防災持ち出し袋をリニューアルついでに自分のバッグに常に入れておく持ち歩き用の防災袋を作ることに最近少しはまっていました。参考にしたのは「東京防災」(https://www.amazon.co.jp/東京防災-東京都総務局総合防災部防災管理課-ebook/dp/B01DJ6KDUS)だったり、ネット上で色々みなさん工夫している防災セットの中身だったり色々です。

ちなみに自分の防災袋作りの大前提はこんな感じにしました。
①職場にいる平日・出歩く休日を問わず首都圏で被災した場合のことを想定。②都心で被災した場合、自宅まで数時間歩く必要があり。③電車、バス使用がほとんど。
ということで防災袋に求めることは、
・まず第一に無事に自宅か避難所に帰れること
・コンパクトにひとまとまりになっていること
・持ち歩きに苦にならない軽量であること(500~600g以下?→見当がつかない)
・被災時だけでなく普段もそこそこ使えるものであること

以上のことを目指してちまちまと買い足してみました。登山用品にちょっぴり詳しくなったり。

◎下準備

・防災袋

重さ制限があるのでとにかく軽い・防水・薄いけどそれなりに頑丈・そして安いという点で、Sea To SummitのウルトラSILドライサック 1L(http://www.seatosummit.com.au/products/storage-bags/ultrasil-dry-sacks/?ref=outdoor)に詰めることにしました。カラーバリエーションがいろいろあり、また小刻みなサイズ設定で1リットルサイズがあるのが良い。ドライバッグは普通の巾着タイプと違って巻けるところまで巻けばスペースもコンパクトになるのが良いです。あとは最近旅行のパッキング用品でドライバッグを目にすることが多いので一度やってみたかった、というのもあります。笑

・ジップ付きのビニール袋

100均で名刺サイズとA5判サイズセットをそれぞれ購入。基本的に小物は名刺サイズに入れる→A5判につめて薄くのばして空気を抜いて圧縮というパターン。ドライバッグが縦長なので、下にばかり中身がたまらないように。

◎防災袋の中身

1. ライト

ABITAXの小さいLEDライト。前々からキーチェーンに付けていてたまに明かりのないところでの捜し物とかで役立っています。念のための予備のボタン電池を防災袋に放り込んでおきます。

2. コンパス、ホイッスル

100均でも運良ければ売っていることがあります。

上記三つのライト、コンパス、ホイッスルは正確に言うと防災袋にはつめず、キーチェーンの余ったカラビナに付けました。全部名刺サイズにおさまるサイズなのでもちろん防災袋に入れても全くもって問題はないです。

3. 救急用品

全部A5版ジップ袋に入れて薄くのばしています。
内訳としては
・常備薬(ふだん自分が使っているものを1日分ずつ名刺サイズのジップ袋に入れておく。薬の種類が多い人は薬の名前を書いた紙を入れておいた方がよさそう)
・ティッシュ
・手指消毒液(20mlぐらいのでよし)
・北見のハッカ油 10ml (虫除け、におい消し、収斂化粧水代わり、気分転換用に。どうやら食品に足してもOKな様子。ちょうど最近このハッカ油活用本が出て、いろいろな本屋でハッカ油の宣伝が打たれています)
・オロナイン (虫刺され等)
・misokaの歯磨き粉なしで磨ける歯ブラシ(旅行用。海外旅行で移動が多いときに結構な威力を発揮した代物。旅行グッズの買い換えと共に、古いやつをこの防災袋に迎え入れました。(http://www.misoka.jp/products/detail.php?product_id=59))
・マスク 1枚
・絆創膏 (普通サイズと大判のを3,4枚ずつ)

4. 携帯トイレ

コンパクトなやつを二つほど。

5. 生理用品

女性は嗜みとして当然持っているものですが、これは怪我をしたときの止血目的で加えました。ティッシュだと枚数使いますし。止血というと患部をしばる緊縛止血法を想像する人も多いですが、これは組織や血管を傷つける危険があるため最終手段です。現在推奨されているのは傷口を上からガーゼ等で押さえつける直接圧迫法です(東京防災でも止血には直接圧迫法もしくは間接圧迫法が勧められています)

6. ウインドブレーカー

東京防災とかではエマージェンシーブランケットが推されているのですが、正直エマージェンシーブランケットは本当に緊急時しか使えないのがネックです。あと、とても蒸れるらしい。そんな訳でアウトドア仕様のモンベルのEXライトウインドパーカ(https://webshop.montbell.jp/sp/goods/list.php?category=11500)を選びました。これが本当に感動的な薄さと軽さ(50g!)、まさに羽のよう。薄すぎて防水といえるかはちょっと微妙、また引っかけないようにしないとすぐ裂けそう。これが結構縫い付けてある収納袋に収めるのが大変で、詰め込むときに間違えて引き裂きそうになるので、たたんでA5版ジップロックに入れて圧縮することにしました。たたむと本当にハンカチとかのサイズ感です。たぶん収納袋に入れるよりはしわしわになってない(はず)モンベルはU.L.ストレッチウインドジャケットというのもあってこちらは113gありますがより丈夫かもしれない。

7. 行動食

飴やチョコレートが定番ですが、こうも暑くなってくると溶けるので先日家の方の防災袋の入れ換え前の井村屋えいようかん(今年の12月に賞味期限が切れる)を一つ入れてみました。小さいのに一つだけで170kcalもある模様。

8. ラジオ

インターネットラジオアプリをスマホに入れてはいるのですが、スマホの通信状況がどうなるかわからないので、OHM AudioComm軽量小型タイプのラジオを追加。電池抜きで66g、電池込みで90gちょっと。手回しは電池不要なのは魅力的ですが大きすぎるしちょっとミニ防災袋には合わないです。電池は逆向きにすると危険なようなので、外すか絶縁を代わりの紙を挟んでおきます。

9. モバイルバッテリー

実は以前からモバイルバッテリーを持ってはいたのですが、複数回充電可能な大容量である反面、単体で180gというなかなかの重量級だったので毎日は持ち歩かなくなっていました。どちらかというと日帰り旅行以上の遠出の時使っています。でもいざというときに持っていないのに最も不安がある代物なわけで、現在最軽量である驚異の70g弱の薄型バッテリーも加えてみました。もっとも逆にこっちは軽量化の代償に端子のコードの柔さに不安があるので、防災と本当に電源が足りなくて困っている緊急時のみと割り切って毎日使いとかはしない方が良さげです。

10. ボールペンとメモ

情報を書き留める用に。とりあえず居住地のラジオ局周波数はメモってあります。

11. ビニール袋

たたんだやつを何枚か。名刺サイズのジップ袋で圧縮。

12. 帰宅支援マップ

アプリ(https://mapple-on.jp/products/kitaku)もあり、オフラインで使える(位置情報もわかる)のがポイント。アプリの方は400円。一瞬アプリをダウンロードしたし書籍版いらないんじゃ?って思ったのですが、しかし情報がきちんとアップロードされているのは毎年更新の書籍版の方のようです(アプリ版は最終アップロードが2016年3月)あと、「ベンチが多数あって帰宅時の休息に好都合」とか「ブロック塀等道路の妨げの可能性」「段差あり」の丹念な書き込みなど、被災時の役立ち情報は圧倒的に書籍版が上っぽいです。
そんなこんなで、スマホの電源をできる限り温存したいということも有り得るので、一応この書籍版も入れました。薄いけど110gあってちょっとミニ防災袋的には悩ましい。

13. 小銭

公衆電話用。10円玉を10枚と100円玉を2,3枚名刺サイズのジップ袋に入れます。

◎完成

ということで、ひとまず完成しました!けっこうパンパン。

気になる重さは660g。ちょっと重いんですが、正直削るに削れない状態。
また、コンパクトですが結構まるまるしたフォルムになりまして、普段のバッグやナップザックに入れるのに支障はないけれど薄型のカバンには入らなさそうです。

◎抜け穴

・ペットボトルの水

実は防災袋を作っている過程の中で、どうしても水の存在は無視できないけど防災袋には入らない(大きさも重さも)些かのジレンマを抱えていました。苦笑
歯磨きにせよ服薬にせよ、また怪我をしたときに洗い流したりそして何より移動時の水分補給にあたって水は必要です。残念ながら他のものと違ってサイズも重さもコンパクト化できませんが。ということでちょっとずるいですが防災袋とは別枠扱いで。
また被災時でなくても今の季節暑いので、通勤電車が一時停車とかしたら熱射病予防に水を持っていると安心。

◎入れるか迷ったけど入れなかったもの

・ウエットティッシュ

容量大幅超過につき、入れていたけれども常任入りから外されました。なにせ消毒薬とハッカ油とポケットティッシュで代用できないこともないので。しかも今回みたく数ミリの空間を争っていると意外に分厚いんです。普通にカバンのポケットの隙間に入れていることもまあまあ多いです。

・ポケットナイフ

サバイバルといえば多機能ナイフ。ですが、正直被災して帰宅する途中にナイフを使う場面が思いつかなかったので外しました。結構重いし・・・
ちなみに、以前は上のコンパスとかライトと同じ感じで超小型のヴィクトリノックスのポケットナイフをキーチェーンに付けていたのですが、あまり使う機会が無かったのと軽量すぎて存在感を見失い、ある時飛行機に乗るときにうっかり外すのを忘れて没収されるというまさかの失敗がありました。残念ながらまたやらかしそうで、それ以来持ち歩いていません。

・ライター

ポケットナイフと同様、アウトドアの必需品ではあるけれど喫煙者でもない自分が首都圏で被災したときにあえて必要か?という。むしろ密集地、ガス漏れ等火災の危険のあるところは迂闊に火をつけないほうがよいです。ナイフを入れる必要が出た場合には消毒用途として必要かも?

◎番外編(場合に応じて持ち歩く)

・ポケッタブルのリュックサック

軽い・防水・たたんだ状態がコンパクト・(ポケッタブルとしては)高価すぎないということで、またしてもSea To Summit のウルトラsilシリーズです。ドライデイパックというやつでドライサックに肩紐がついたような状態。通勤等で荷物がリュックじゃないとき、荷物をまとめて両手を空けられるようにに持って行きます。
一応上記の防災袋に入ります。ただ、防災袋の重さがいよいよ800g弱になるので荷物が少ないときは積極的に外します。単体で見ると100g切っていてぺらぺらっぽいのですが、防水仕様で案外しっかり通勤時の荷物数キロ分が全部入ります。22L容量らしい。たたむと小さい円筒状になりますが備え付けの袋に入れられず、(Amazonのレビューでも入れにくいという感想はちらほら)またしても必殺技:ジップ袋圧縮にて保管する羽目に。モンベルのウィンドパーカーそっくりの見た目になってしまった…まあこれはこれで平べったくなって持ち歩き防災袋には入れやすいのですが。

◎検討中

・ビニールひも

軽量だし、2,3m巻いておいても何か役に立ちそうな気はします。大荷物の持ち運びとかに?

・爪切り

ナイフの代わりに防災セットに入れている人によると、切りにくいけど案外何でも切れる、らしい。一応飛行機にも持ち込めそう。

・靴

職場にはとりあえずスニーカーを置き靴してみました。問題は外出中に被災した場合で、これまた悩ましいところです。スニーカーで出歩いている時は一応問題ありませんが、「何キロも歩く」「しかも平常時より瓦礫、飛散したガラス等で道の状況が極めて悪い可能性もある」「危険が迫った場合走る」ポイントを鑑みると通勤時の足下では革靴にせよハイヒールにせよ不安が残ります。当面ミニ防災袋を持ち歩き慣れてから、ちょっと考えてみようと思います。今後の課題あり。

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Seulaset

Tokyo, Japan ポメラDM200を手に入れて以来、長文書くのが楽しい、そんなお年頃です。MediumはとりあえずポメラとiPhone(アプリはMWeb)で参加していますが少数派かもしれません。愛用カメラはRICOH GR。