治療記録の取得代行スタートアップのPatientBankが$2.2Mの資金調達

※2016年12月25日に別のWebsiteに掲載したものを転載

個人が医師や保険会社に自らの過去の治療記録(Medical record)を提出する際の煩雑な手続きを代行するサービスを提供するPatientBankがGeneral Catalyst、Khosla Ventures等から$2.2Mの資金調達を実施しました。

PatientBank gets $2.2M for online medical record sharing system | MobiHealthNews

同社はYale大学でコンピューターサイエンスと経済学を学んだPaul Fletcher-Hill(現CEO)等が会社を立ち上げました。Y Combinatorを今年卒業しており、サンフランシスコを拠点としています。

米国においては、個人が医師、保険会社、弁護士等に自らの過去の治療記録を提出する際には、過去治療を受けた病院等に自ら問い合わせて、何度もファックスや電話等でやり取りをした上で、記録を受け取る必要があります。手間もかかる上に、そのプロセスにはおおよそ30日程度を必要としており、個人にとっては煩雑な作業になっています。

同社は、患者から医療機関名と電子サインを受け取り、それ以降の作業をすべて代行するサービスを提供することで、個人がこれらのプロセスから解放されることを目指しています。ユーザーは、一つのデータを得るために$9.99を支払うことで、デジタル化された治療記録を受け取ることができます。記事によると、同社は既に11000件以上の治療記録について2500の医療機関への問い合わせを既に行ったとのことです。同社は将来的には、各医療機関で異なる運用がされている治療記録の照会プロセスを標準化していくことも目指しています。

また、同社はこれまでの医療機関への治療記録照会の結果を踏まえ、7項目の基準(照会への回答件数、回答時間等)で各医療機関のスコアを公表しています。このサービスが広がっていくと、各医療機関においてもスコアを上げるインセンティブが働いていくのかもしれません。

Hospital Scores | PatientBank

医療機関サイドの手続きが従来の方法(電話、Fax等)である限り、なかなかスケールさせていくことが難しい事業なのかもしれませんが、既に11000件の治療記録照会を行っているように、現時点でも一定のニーズがある事業ですし、各医療機関での治療記録照会プロセスの標準化につなげていけると一気にスケールしていくかもしれません。いわゆる「医療ど真ん中」の医療×ITのサービスではなく、少し周辺から医療関係の効率化に取り組んでいくサービスなので、今後の行方に個人的には関心が高いです。