日報を3ヶ月続けて感じたこと・考えたこと、そしてつくったもの
いま3ヶ月ほど毎日の活動を日報というかたちで、ともにIT教育の会社で中高生向けにインストラクターをしている仲間5人で綴っています。その過程で自分のなかでの変化や得たもの考えたことを主にまとめます。エンジニアとデザイナーで集まっていることもあり、日報をもっと多くのひとにやってもらうためのライフハックツールも作成したので、最後にそのツールの宣伝もします。
日報とはなにか
「そもそも日報ってなんやねん」と思う方もいらっしゃると思うので、まず簡単に日報とはなにかというところから書きます。
日報とは…
毎日の活動を見つめ直し、改善していくための日々の活動の記録
と定義できるかと思います。
仕事などの業務においては業務の内容に特化した項目を設けることで業務内容の改善に繋げることもあるかと思いますが、私たちの目的は「日々の生活全般を改善し学びの多い生活を送ること」だったので、細かい項目を設けることなく、その日の活動を見つめ直すことができるような項目を設けることにしました。
と、言いたかったのですが、なにも考えてなかったのでこの日報の発起人のちゃんちー(chanchihiro)のインターン先の日報の項目をそのまま持ってきて、
- その日やったこと
- 明日すること
- 考えたこと
- 読んだもの
- 思ったこと
- 一言
という項目でその日の活動を綴っています。
エンジニアとデザイナーの集まりらしく、GitHubのissueとして日報を書いて行く形式でやっています。
こんな感じで、3ヶ月間たまにサボりながら日々の生活を仲間にだけさらけ出してきました。
日報を3ヶ月続けて感じたメリット
当初は考えもなしに設定していた項目ですが、明確なメリットがいくつもありました。以下がそのメリットです。
- 毎日の行動が意識され、改善しようという気持ちが醸成され、行動が改善されること
- 「読んだもの」を意識することで、インプットを意識した書籍や記事の選定
- インプットと同時に読んだ感想や考えたことをすぐにアウトプットすること
- 周りの「読んだもの」が分かるので、互いに良記事のシェアにつながること
- 周りの日々の生活が分かるので周りのがんばりを見て、刺激をもらえること
- 周りとの議論でより自分の考えが深まったり、別の視点を得たりすること
- コメントで簡単にコミュニケーションが取れるので単純に楽しい
- たとえサボったとしても周りが書いているので、通知が来て存在を忘れたりすることがなく、まただれかは必ず書いているので、サボってもまた書きやすく、継続しやすいこと。
- たまに悩み相談ができること。
ざっと思いつくだけでもこれだけのメリットがあったりします。
個人的に大きかったのは、一番最初に上げた項目です。その日その日を有意義なものにしようという意識が芽生えて、毎日の少しの行動が変わっていったことです。その日の日報に残ると思うと、「やべっ!こんなダラダラしてたらなにも書くことなくなる」と思うと、なにかしら有意義にしようと思えるものです笑。
日記でもいいのかもしれませんが、だれかに見られている感覚は特に大事だと思います。
日報を3ヶ月続けて印象深い日報
3ヶ月の継続で個人的に印象に残っている日報を簡単に紹介します。
個人的なことですが、秋ごろに片思いしていたひとに振られたんですが、その人との関係性で実は少し悩んだ日があって、その悩みもしっかりと日報に綴って、内面をさらけ出しました。
今読み返すと、最後に「センチメンタル」とか書いてあって、恥ずかしさと気持ち悪さと感じる内容なんですが、内面もしっかりとさらけ出せる仲間であり、いろんなことを日報の中で議論したりしてきた仲なので、どういったことばをかけてくれるのかと逆に期待もありながら、その日の日報を綴っていました。
そして翌朝期待に胸を膨らませながら、「どういう慰めがくるのか・どういうことばをかけてくれるのか」とワクワクしながら日報を見ると、
まさかのコメントなし!!!
あったのは、いいねの絵文字だけ。慰めもなく、むしろ反応なしで。さらに気分が落ち込むという悲劇に見舞われました笑。恥ずかしいことと気持ち悪いことを書いただけになってしまいました。
期待していた反応や議論がなかったり、むしろ思ってもいなかった反応やコメント、意見が返ってくるという日報のいい例であり、個人的に一番印象に残っている日報です。
日報を3ヶ月続けて考えたこと
日報に綴るという行為を通じて、日々の学びということを考えてきました。その学びについて考えたことは、もちろん今教えている中高生たちの学びについて考えたことも含み、そこから中高生を見ることを通じた学習のプロセスなどにも派生するのですが、特に日報を綴っている僕自身の学びや日報により変化が起きた僕自身のインプットとアウトプットによる学びついて考えました。
インプットの面においては、学びのための3つメリットがあると考えました。
まず読んだものを列挙することがわかっているので、意義ある内容を読もうという意識が芽生えます。これはおそらく他者の目を意識するから、インプットする内容に対して厳しい目を持つことができ、インプットする内容に対して選定するという行動の変化が生まれます。インプット前の選定を自然とすることになります。そして第二に、周りが読みかつログとして残しておきたいと思った内容の書籍や記事を、周りの日報を読むなかで知ることができます。信頼できる仲間が読み、その仲間が認めた内容のものだけがシェアされるので、さらに良質なインプットを得られます。
またアウトプットの面においては、その日に読んだものを列挙することで自分が今日どういったことに対して興味関心を感じてインプットをしたのか、またインプットしたことの内容も列挙するなかで読んだものの内容が自分のなかで整理されていきます。ログとして残しておきたい記事・書籍はなにかという観点が加わるので、インプットした内容において一度反芻をしてから、列挙することになります。ログとして残すという手間のかからないアウトプットですが、学びという点で効果が高いと思います。
まとめると、
- インプット前の選定
- アウトプットによる内容の反芻・整理
- 周りのアウトプットからの良質なインプット
ということが、「読んだもの」という項目が得られ、非常に学びという面で日報が与えてくれたインパクトは大きかったです。
「読んだもの」という項目は非常に意義のある重要な項目なのですが、1日のなかで読んだ記事のリンクとタイトルを列挙するという行為のは、単純な作業の連続かつ「読んだもの」に列挙し忘れる可能性が高いという課題がありました。
課題から生まれたもの
学びという面から重要な「読んだもの」という項目に漏れなく簡単に良質な記事を列挙することはできないかという課題意識から今回この日報をともに綴る仲間でつくったライフハックツールが、nippolyです。
nippolyは、「読んだ!が10倍速くなる」をコンセプトに開発したChromeの拡張機能です。
読んだ記事を「読んだ!」しておき、最後に「まとめる!」で24時間以内に「読んだ!」した記事のタイトルとリンクをマークダウン形式でクリップボードに保存してくれます。
だれも拡張機能をつくったことがないところから合計1日半ほどで仕様や要件定義をまとめて、デザインを決め、コーディングをしました。
ぜひ使ってもらえるとうれしいです。
プロジェクトもGitHubでオープンソースにしています。ので、issueの報告やpull requestお待ちしてます。