大学入学時は想像できなかった進路

来年の4月から、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント(SDM )研究科に進学します。今、所属しているのが、理学部生物学科なので、なんでそんなところに???ってなるのが、普通だと思います。正直に言うと、こんな進路を選択するとは、大学入学時には思いもしませんでした。(しかし、自分の認識は絶えず広がっていく(そうでありたい!)ものだと思うので、大学入学時と今での認識の変化については、とてもポジティブに捉えています。)

これから、なぜSDMに進学することを決めたのか、その経緯を説明しつつ、思うところをつらつら記してみようと思います。

この機会に、自分の高校時代を少し思い出してみました。科学部で酸性雨について研究しつつ、生物の先生がしてくださる大学入試の過去問に関連する大学で行なわれている研究についての解説に、とてもワクワクしていました。そして、生物の現象を頭の中でイメージしたり、実際に絵で書いてみることが楽しく、また、先生には、テストの点数が上がるのに直接関係のないような質問ばかりしていました。勝目君は早く大学に行った方がいいねと先生に突っ込まれたのは今となってはいい思い出です。笑

理学部生物学科に進学後、大学1年生のときに、山中伸弥さんの著書、「山中伸弥さんに人生とiPS細胞について聞いてみた」という本を読みました。その本にて、山中さんが京都大学iPS細胞研究所の所長として、特許や財務に関して多くの時間を割いていることを知り、経営的素養のある研究者がこれから求められるのだなぁと大学1年生の時なりに感じていました。そこで、専攻の学習と並行して、QRECの授業を受講し始めました。QRECの授業を受講していると、ある社会問題の解決に向けてアイデアを考えて、発表していく機会が多くありました。そして、チームで協力して課題に取り組む機会が多くありました。数々の経験を経るうちに、自分のやりたいことは社会に対して、新しい価値を提供することなのかもなぁ。となると、研究者は手段の1つでしかないのかなぁ、と思うようになりました。また、川の上流から下流のように、基礎研究から社会への普及を捉えると、自分自身はより下流の方がやりたいのかもしれない。そこで、大学院では、技術を利用する人たちの近くで技術がどのように生かされているか実感の持てるテーマを学びたいと思うようになり、ある経験(後述します。)がきっかけでSDMを志望しようと思うようになりました。

SDMに進学を決意した理由は大きく分けて3つあって、

①自分で課題を設定できること

SDMでは、自分自身で研究課題を設定できます。「自分自身で課題を設定する」ということは、言うは易し行うは難しだなあと痛感します。幸い、今所属している研究室に入った際に自分で研究課題を考える必要がありました。論文を読んだり、教授などと話したりすることを通して、取り組もうとするテーマに関連することで分かっていることと分かっていないことを把握するように努め、扱う実験装置の技術的限界を理解することは本当に難しいです。少し話が変わっちゃいますが、抗体の多様性について研究をしてノーベル賞を受賞した利根川進さんは今の技術的限界を見定め、自分が一番面白いと思うテーマを選んで研究を進めていると、現在師事している教授から伺いました。このことを、利根川さんと同じようにできるとは全く思いませんが、少なくとも、意識はしてテーマを決めていこうとしました。大学院でも、試行錯誤を通して、研究課題を自分で決め、研究を進めていきます。

②複数の教授を師事できること

SDMでは、メインで師事をする1人の教授を決めつつ、他の教授にもアドバイスをもらえるシステムが整っています。このシステムがあることを聞いたときに、ある人に相談することが適切なこともあれば、他の人に相談した方がいいこともあるという当たり前の事実を考えました。大学ではこのようなシステムはなかなかないですが、素晴らしいシステムだと思いました。

また、社会に出た後に比べ、相対的に、大学が技術をじっくり学びやすい環境であるのは事実かなと思います。SDMに所属している教授の方々は、経歴などを見ると、技術を理解している方が多い印象を受けます。複数の専門家の師事を仰ぎつつ、技術をどのように社会問題の解決に生かすか、その視点を学びたいと思いました。

③個人的なエピソード

志望した3つの理由に順位をつけるとしたら、①=②<③です。それくらい以下のエピソードが大きなきっかけになりました。

2015年の3月に九州大学にて、「イノベーション教育学会」が開催されました。私はアルバイトとして参加したのですが、その学会には、実際に理論と実践の橋渡しに取組んでいる、私にとってロールモデルとなるような方々が1人と言わず複数人いました。そこで、私はたまたま、今までQRECで受講した授業についてのポスター発表をお手伝いすることになりました。ポスター発表をしている際に、ある方(恥ずかしいのであえて名前は伏せます。笑)が来て、私が授業で感じたことを聞いてくださったり、リーダーシップについてお互いの考えを話しディスカッションしたりしました。そして、別れる際には、「参考になった」という言葉をかけてくださいました。その方は、私より10歳以上も年上で、知識も経験もはるかに上回る方です。そのような方が、大学生の意見を聞いて、参考になったという言葉をかけたのが自分にとっては新鮮でした。そして、仮に自分が逆の立場だったら、そのような言葉をかけれるのか、少し不安になった自分がいました。この経験を経て、その方が以前学んでいたSDMには同じように謙虚で学びに真摯な方々が集まっているにちがいないと考え、大学院進学での選択肢の1つになりました。(こんなことを書きつつ、真摯に学んでいるか?日々全力か?と自分自身い問いかけてみると、自信を持って、Yesと答えられない自分がいて、反省しています。)

ストレートに考えて意思決定をしてきたように書きましたが、話せば長くなる紆余曲折の過程が実はあります。その時なりに自分で考えて意思決定をたつもりではありますが、論理性は後からついて来た面があることも自覚しています。また、最もらしい理由を述べてきましたが、志望したシンプルな理由は、「ワクワクしたから」に尽きるのかなと思います。笑 SDMという素敵なコミュニティに所属できることに感謝の気持ちを持ちつつ、自分が貢献できることは何か考えながら、日々を過ごしていきたいものです。

長々と書きすぎました。そろそろ、筆を置こうと思います。具体的にどんな研究テーマに取り組もうと考えているかなどは、また別の折に。

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