アサラン・ジャミール:ラムズの小さな選手の軌跡

作者: TERU IKEDA/池田照和
 翻訳者: 佐藤須美

わずか身長170センチ、体重63キロのアサラン・ジャミールは、ライアソン・ラムズのポイントガードとして加入、その日から彼のバスケットボール選手としての日々が始まった。2度の不合格を経て、やっとの思いでベンチのスポットを得たのだ。

ライアソン・ラムズでプレイするためにセレスティカでの仕事を辞め、フットロッカーで働きながら生活費を賄った。ヨーロッパでプロ選手として活躍したい、そう考えた。アサランは言う、「ほとんど妄想じみてた」

10年前の当時。彼はまるで今の自分を予言するようにこう言い切ったのだ。

「俺はバスケットボールで、人生で欲しいものすべてを手にするだろう」

彼には試合に対する揺るぎない愛があった。そして、その全身全霊を傾けた愛は、何年も前からバスケットボールの方にも通じるようになった。「バスケットボールのおかげで食べていくことができたんだ」と彼は語る。しかし、彼はコートでバスケットシューズの音をキュッキュッと響かせるだけで生活していたわけではなかった。

その傍ら、トロントラプターズのフロントオフィスに在籍し、マサイ・ウジリの右腕として働いた。すべてのボールプレーヤーやファンにとっては夢のような仕事である。2015年夏には、彼の役員秘書としてアフリカへの出張旅行に随行している。

Photo by Kevin Couliau

彼はライアソンで一流のバスケットボール選手でい続けるために、ラムズが不振の時でも思考し、勝者としてふるまうことを学んだ。ライアソンのフィットネス・スペシャリストのパトリック・ウィリアムズにコート外でのアドバイスを請い、ザ・ボール・ファザーの異名をとるマイケル・ケネディからは基礎を学んだ。

皮肉なことに、ウィリアムズはアサランをクビにしたけれども、彼はアサランの現在の成功には驚いてはいないという。「私は彼の人間性すべてを信じています」とウィリアムズは明言する。彼は、アサランのプレーヤーとして、そして人としての成長の秘密は「極めて精細な技術」によるものと考えた。

ライアソンの選手として、アサランは向上していく感覚に夢中になっていった。練習すればするほど上達し、試合にかける愛情もより強固なものになっていく。彼はボールハンドリングやジャンプショットの向上に発揮した極めて精細な技術を、フロントオフィスでの仕事でも発揮した。今はもう一線に出ることはないが、彼の突き進む力と粘り強さはこれからも変わらないだろう。

彼は最近、勝利に向けた不屈の精神を象徴する自身のファッションブランド「Goals Over Temptations」を立ち上げた。学生時代をふりかえって彼はこう語る、「決まった仕事もなく、学生ローンを借り、無一文だった」と。セルティカで仕事をし、短期間だが安定した日々に甘んじることもできた。しかし、そうはせずにワイルドな夢を追いかける道を選んだ。彼は甘い誘惑や諦めて楽することに屈することなく人生を歩んでいる。

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