Happen #1:ソーシャルビジネス創業塾 ユヌス&ユー ソーシャルビジネスコンテスト × BYD

Venture Café Tokyo
Feb 24, 2019 · 13 min read

左:小林美穂氏 当時:株式会社アバ―ジェンス コンサルティング部門ディレクター(現在:狭山市ビジネスサポートセンター(Saya-Biz)センター長/ 九州大学ソーシャルビジネス研究センター客員研究員)
右:井上創太 株式会社BYD代表取締役

今日はありがとうございます!はじめに自己紹介として、お二人はどんな志を持たれていて、そして何をされているか、お伺いさせてください。

人口減や技術伝承などの社会課題が顕在化する中でコンサルティング会社としてどんなことができるのだろうと考え出していました。

小林:私は株式会社アバージェンスという会社で主に大企業向けの経営コンサルティングをやっています。それとは別にライフワークとして、九州大学のソーシャルビジネス研究センターと一緒に社会課題解決ビジネス、特にユヌスソーシャルビジネスという分野のインキュベーションの活性化をここ5年くらいやっています。

社会課題解決ビジネスに携わるようになったのははクライアントの方にソーシャルビジネス研究センターの岡田教授を紹介いただいたのが、直接のきっかけです。当時は利益や売り上げの向上だとか、コスト削減というテーマで仕事をいただくことが多かったんですが、一方で人口減や技術伝承などの社会課題が顕在化する中でコンサルティング会社としてどんなことができるのだろうと考え出していました。それで社会課題解決を通じることで、今までよりも幅広い層へのインパクトというところで何かできることがあるんじゃないかなと思って、ご一緒しはじめました。

ユヌス&ユーソーシャルビジネスデザインコンテスト(YYコンテスト)については、2012年から開始しているコンテストです。2006年にノーベル賞を取られたムハマド・ユヌス博士がソーシャルビジネスという言葉をつくられたのですが、社会課題解決と利益の永続的な創出という2つを備えたビジネスこそが本当の意味で社会の課題を解決するビジネスであるという思いをもとにして、始まったものです。

最初の4年間は学生を対象に2015年からは社会人も含めて対象にしているコンテストです。はじめは福岡から開始したんですが、東京に進出してきて、今年で7回目。述べ500人近く、240チームにご参加いただいていいます。

このコンテストは、世界各国でも広がり始めている動きで今年はその中でもアジア、具体的には台湾、フィリピン、タイ、そして日本のチャンピオンによるアジア大会を開こうとしています。また、毎年11月にはグローバル・ビジネス・サミットというのを世界規模でも開いており、50数カ国800人近くが参加されています。

偏差値の高さよりも自分が本当に何ができるのか、自分自身しかない武器であったりとか特性を磨いていく教育というのが必要だと感じていました。

井上:私は主に教育業を展開する株式会社BYDの代表取締役をしています。現在27才です。BYDでは複数事業を展開しているのですが、一つは主に大学生向けに、自分の人生とキャリアに活きるビジネス/ クリエイティブ・スキルを学ぶキャリア教育を提供する3rd Classという事業を展開している。その他には一部上場企業などに対する企業研修や採用におけるコンサルティング。また、中学校・高等学校向けの授業の企画・運営・講師をやっています。

BYDは学生団体を前身に大学5年生の1月に創業しました。なぜやろうとしたかというと、既存の教育に対してこのままじゃよくないなという問題意識と大学教育の中でも様々な不十分があるなと感じていたからです。自分自身が受験勉強を経たり、大学時代に予備校でチューターをしたりする中で、偏差値の高さよりも自分が本当に何ができるのか、自分自身しかない武器であったりとか特性を磨いていく教育というのが必要だと感じていました。一方で、そういった議論する力だったりとか思考力や表現力を得られる場所がない。その課題を解決したいなという小さな動機から学生団体として活動を開始しました。活動を続ける中で学生団体ではきっかけはあたえられたとしてもしっかりとした実力であったり、仲間集めであったりができないと思い、本格的に事業を展開するために起業にいたりました。

ありがとうございます。お二人はVenture Café Tokyoがきっかけで出会われて、「ソーシャルビジネス創業塾」という取り組みを始められたと聞いていますが、その新たな取り組みについてお伺いさせていただきますか?

小林:そもそもVenture Café Tokyoを知ったのもネットワークでとある方に紹介いただいたのがきっかけです。たまたまその方にYYコンテストについてご協力をお願いしにいった際に「じつはこの後、Venture Café Tokyoさんでソーシャル・ビジネスのピッチの審査員をやるんだけど来る?」と言われました。当時は2018年の4月くらいですかね。その後、コンテストの参加者やメンターを募集していた時期でもあって、それから1か月後くらいにVenture Café Tokyoでインフォ・テーブルを出させていただきました。

そこでたまたまであったのがBYD取締役の畠山さんでした。畠山さんからは「まずは自分もメンターとして参加します。」と聞いて、YYコンテストに畠山さん、井上さん、お二人に参加いただいたのが始まりでした。

まさにセレンディピティですね。笑

小林:ほんとそうですよね。あそこで、畠山さんと出会わなければこの場はないので。笑いろんなことが数週間で起こってるのが面白いところですよね。

それで、畠山さんと出会った時にせっかくなので、「一緒になにかできるといいですね。」とじつはその時から話をしていました。YYコンテスト自体がもともと学生さんを対象としていたものなので、もっと若い方にソーシャルビジネスの理解だとか、ソーシャルに限らずビジネスを作るということに対して興味をもっていただく場を提供できればなと思っていたことと、BYDさんのほうで学生のキャリア教育というのをやってらっしゃって学生のネットワークをお持ちだったということもあってビジネスやキャリアに繋がるような場を持てたらいいねということで出来上がったのが「ソーシャルビジネス創業塾」でした。

一方で、BYD/ 井上さんから見て、事が運んで行った経緯ってどんな感じだったんですか?

井上:基本的になにかやりましょうと言われたらやる会社なので。一つは「面白そう」だなということが大きかったです。それで、結果的にBYD側は私が主導することになったのですが。笑

あんまり疑いはなくて、お互いやってることだとか、目指しているものだとかを話しているなかで、それが合致したというか、この人は信頼できるなと思いましたね。

それぞれがそれぞれに出会われた時にお互い素性を知らないと思うんですけど、どうやってお互いの信頼を育んでいかれたんですか?

井上:自分はYYコンテストで、小林さんがファシリテーションをされているのを見ていたので、特になかったですね。

小林:なんだろう。自分の性格なのかVenture Caféという場の効果なのかわからないんですが、あんまり疑いはなくて、畠山さんとお互いやってることだとか、目指しているものだとかを話しているなかで、それが合致したというか、この人は信頼できるなと思いましたね。それから、私が最初に入ったコンサルティング会社を畠山さんも受けていて、そういう話になって盛り上がったのを覚えています。笑

後は行動の速さも大きかったですね。その場で(コンテストの)メンターを申し込んでくれたんですよ。メンターをしていただている間、きちんと本気で関わってくださっていたので、やっぱりそういうのって信頼できますよね。

井上:ただ、メンターをちゃんとやった分、想像以上に重かったですけど。笑

社会課題解決と永続的な利益創出のできるビジネスを増やす

そうして始められた「ソーシャルビジネス創業塾」はどういう取り組みだったんですか?

井上:「社会課題解決と永続的な利益創出のできるビジネスを増やす」ことを狙いに、ソーシャルビジネスを創り上げる連続講座で、講師を小林さんと自分で行いました。結果、述べ200名に参加いただき、最終回の発表(デモディ)(*1)を含む7回全ての回で、70–80名の方に来ていただきました。そのうち4回はワークショップを行い、社会課題から自分なりのソーシャルコンセプトをつくることから始まり、ターゲット顧客のジョブ(*2)に見合ったサービスづくり、収益が上がるビジネスモデリング、そして最後に伝わるプレゼンテーションのポイントに関するセッション行いました。

実際ソーシャルビジネス創業塾をやった今の手応えはどう感じられていますか?

井上:参加者の満足度は非常に高かったですし、来年のYYコンテストに出たら、うまくいくんじゃないかなというプランもちらりほらり出てきました。興味関心のある方々がソーシャルビジネス創出に向けて一歩を踏み出すきっかけになったという点で、大きな意味があったと思っています。

小林:良かったのは、最後の発表の会場はVenture Café Tokyo、ワークショップは別会場と2箇所を使ったのですが、それが良かった。Venture Café Tokyoでの発表は、良い意味で流動性が高くていろんな方に注目してもらえたし、それこそ入ってきた方が自由に質問していくみたいなすごくアグレッシブな場が最後に設定できたのは良かった。うまく適材適所で繋げられました。セッションをつくる時って、本当に人とテーマと場所って大事だなと改めて思いましたね。

井上:確かに、最後の発表会は僕らのことを知らない人が見にきてくれたのはすごく良かったですね。

そんなこんなで始まったこのコラボレーションなんですが、今後の展望をお伺いさせてください。

小林:もう一度ソーシャルビジネス創業塾やりたいですね。今度は高校生をターゲットに、リアルなビジネスを感じてもらう場作りなんかできると面白いと思っています。若い方の社会課題に対する意識も高まってきているので。

井上:本当に、そうですね。高校生でやる場合は、親御さんも巻き込んで、発表を見に来たりしたら、面白いですね。やっぱり、子供達の興味関心に対して

、親が追いついていないというのは大きな課題だと思うので、そこを打破できればEntrepreneurship教育やグローバル教育を活性化できると思います。後は、BYDとしてはYYコンテストについても更に協力して、もっともっと盛り上げていきたいですね。コミュニティ形成やメンタリングは自分たちの強みでもあると思うので、それを活かしていきたいと思っています。

最後にメッセージをお願いします。

井上:起業にちょっとでも興味のある学生や若手の社会人の方々に対してなんですが、小さいことでもやってみたほうがいいと思っています。僕は起業するまでにビジネスモデル書けたわけでもないんですが、思い一つで初めて、色々行動していくうちに色んな人達が手助けしてくれるようになりました。それが挑戦ややりたいことをやってみるということなのかなと思っています。

小林:ソーシャルビジネスというもの自体が、SDGsのような動きもあるように大企業から中小企業まで含めて、すごく取り組みやすい環境になってきていると思っています。ソーシャルビジネス創業塾でも、社会課題解決に軸足を移したくて参加しているという方が沢山いました。それを実現する上で、重要なのはヒトとオカネだと思うんですね。その両方を見つけにいくことができるのは、Venture Café Tokyoのようなソーシャルな場所でもあったりするんで、そういう場でやりたいことをどんどん発信していくと色んな方とのご縁がつくれるんじゃないかなと思います。YYコンテスト2019 もエントリー開始に向けて準備も始まっていますし、またVenture Café Tokyoとも何か一緒にやると思うので、お会いした際は是非「何かやろう!」と声をかけていただければと思います。

ありがとうございました!

■お話をお伺いした方

小林美穂氏 狭山市ビジネスサポートセンター(Saya-Biz)センター長。九州大学ソーシャルビジネス研究センター客員研究員。
一橋大学商学部経営学科卒。マスコミ業界から一転、コンサルティング業界へ。プラウドフットジャパン株式会社、デロイトトーマツコンサルティング合同会社にてさまざまな業種の営業改革、生産現場改革を経験。「ボディイン」スタイルの経営コンサルタントとして組織の定量的成果創出・新規事業創出に携わる。その後、中小企業支援に軸足を移し、現職。現場の実態に即してカスタマイズしたアプローチを武器に、経営幹部研修・管理職研修の経験多数。コーチング・メンタルトレーニングを駆使したクライアントとのミーティングはのべ5,500回以上を誇る。2013年より九州大学SBRC主催のYunus and You Social Business Design Contestに参画し、近年は企画兼ワークショップ講師を担当している。
(社)ビジネスモデルイノベーション協会認定コンサルタント
(社)メンタルタフネス協会認定講師
公認モチベーションマネジャー(Advanced)

井上創太氏 株式会社BYD代表取締役
某大手教育系企業で4年間教育事業に携わり、2年目から中学生を含む高校2年生以下の生徒を指導するリーダーとなり、全国1位の実績を出す。
4年生の後期に内定を辞退し、1年間の休学を決意。学生団体Be Your Dream Projectを立ち上げ500人以上の学生にプレゼンテーション等のワークショップを実施。
自身も一流のプレゼントレーナーの元で一年間、プレゼンやリーダーシップの指導法を学び、多くの学生をプレゼンコンテストやビジネスコンテストで優勝に導いている。その後独立し、現在は自身が創設した株式会社BYDにて、代表取締役を務める。若者向けスクール事業「3rd Class」を通して、現在までの7年間教育系事業に携わる。


*1) 「ソーシャルビジネス創業塾<最終ピッチ大会>」(2018年11月29日実施) http://venturecafetokyo.org/event-calendar/#event=20419909
*2) 「イノベーションのジレンマ」の著者であるクリステンセン教授によって提唱された概念。消費者の消費行動は彼/彼女が何かをやり遂げたい目的(=ジョブ)に基づく

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