大都会と砂丘行ってきた

写真は大都会と砂丘フライヤーより(http://www.daitokai.cs8.biz/

10月8日に渋谷WWWとWWW Xで行われたMultine Recordsによる大都会と砂丘に行ってきた。こういうイベントとしては多くが、夜行われるイベントだが、このイベントは15時から22時というお昼から宵の口までの時間帯のイベントであった。

私は、大都会フロアに聞きたいアーティストが多かったのでほとんど大都会にいた。途中tofubeatsを見に砂丘フロアへ行ったぐらいだった。流れとしてはin the blue shirt→Avec Avec→banvox & Nor(途中まで)→
tofubeats→Pa’s Lam System→Tomggg→(ちょっと休憩)→(途中から)Aiobahn & Yunomi→三毛猫ホームレス→DJ WILDPARTY→bo enといった感じで楽しめた。

Tomgggとbo en見に行こうと思って行ったイベントだけど、結構骨のあるイベントに感じられた。行ったあとにtomadのインタビューを読んで、感じたこと等を今回書いてみようと思った。(以下の引用はこれらのインタビューより)

例えば、今「大都会」だけみたいなイベントを単発でやってもそれと同じになってしまうのでマルチネとしてやるには面白味はないなという状況だったからちょっと違うことをしようと。「大都会と砂丘」は2つの異なるコンセプトのイベントを同時に立てることによってある意味どうなるかを実験するみたいなイメージです。実は近年で一番実験的なイベントになってるんじゃないかと思う。

ラインナップだけ見ると他のイベントの豪華版って印象を受けるんだけど、実際に大都会を見た印象としては、それぞれのアーティストが自分が好きな音楽をやるって感じだった。うまく伝えられないけど、好きなことを精一杯好きだと表現したイベントという印象を受けた。エレクトロのアーティストのライブってライブと言ってもMacbookをずっといじってるだけっていうのが多かったりする中で、今回のライブはボーカルが出て一体感があるものだった。

tomad:あんまり共有して欲しくないなっていうのはあって。ビジュアルとかも、ぱっと見ると孤独ではあるんだけど、悲観的なイメージにはしないっていうのを、制作チームと相談しながら撮ってもらって。最近はクラブイベントを一人で楽しむみたいなことが僕も周りも少なくなっていってるなっていうのが体感であって。且つ、マルチネはクルーじゃないから、多分みんな個々の内なる思いや考えで曲とかを作ってるんだと思うんですよ。だからこそああやってオフ会とかやった時にそれが特別だから一時的な一体感があるみたいな。
でもその一体感だけで捉えられて、その一体感を毎回求められるのも歯がゆいなと思ったんですよ。だから原点ってわけでもないですけど、個々で音楽と向き合って、それに対して観客がどう思われようと勝手っていう部分を大事にしたかったっていうか。だから、クライマックスに向かっていく感じをあえて作らなかったんですよね。多分、「東京」とか「天」とかで知った新規マルチネファンからすると、「あれ?」みたいに感じるかも。でもそういうこともしないと先には進めないかなって思いますね。

クラブとかって最初はすごくすごくハードルが高いっていうのはあると思うんだけど、自分が好きな音楽があるならば、実際にその場に行って体験すべきものがあると思う。とにかく自分が好きだって気持ちを大切にして音楽を聞ける流れをマルチネは作ってるのかなと感じた。Twitterで公開されている映像とかって誰かに見てもらいたいわけじゃなくて、自分の記録としてTwitterにアップしている人が多いなって印象を受けた。音楽もフィジカルで出ていなくて、SoundCloudで公開しただけの曲ってのも多く音楽のディストリビューションと聞き方は本当に大きく変わったと感じる。

今回の大都会では、この曲は知っているから盛り上がれると観客は盛り上がるといった印象があった。知らないアーティストもこの曲いいね!っていうのはもちろんあると思うけれども、知らないと反応出来ないみたいなアーティストも多くいたと考えた。もちろん知っていればものすごく楽しいのは事実である。例えば、in the blue shirtのSeven Bridgeの“イマージネーション”は鉄板だし、ChelmicoのLove is Overの大合唱等々すごく一体感が出て盛り上がる。でも知らないと蚊帳の外って感じがあるなぁと感じる。ワンマンにはない、こういうオムニバスなイベントだからこその難しさってあるんだなと再認識した。

tomad:ここ2~3年は、広がりすぎてしまったような気がしますね。ちゃんと分かって広がるのとただ単に広がるのでは訳が違うと思うので、これからはもっと「わかり」の部分を増やしていきたいなと思っています。
森下:ただ単にマスに向かっていくわけではなく「わかり」を増やすってことですね。
tomad:やっぱり「わかり」を増やさないと最終的にアーティストを受け入れるファンがしっかりと広がっていかないと思うので。でも、Pa’s Lam Systemとかは間口が広くてもいいと思っていて。そこから入ってマルチネのイベントに来て、「Lost Decade」に遊びに行くとか、トラックメーカーになろうと目指したりとか、いろんなきっかけで少しずつ濃度を高めてシーンを繋げていけたらよいなと。だからあんまり拡大に急ぎ過ぎなくてもいいかなと思っています。僕はただマルチネをやって、自分が納得するようなイベントをやりたいだけなんですけど、それをするってこれだけ大変なことなんだなと改めて感じますね。

エレクトロダンスミュージック(EDMとは言いたくない)ってたしかに「わかり」って重要だとは思う。「わかり」をだだの「わかる」と認識して強調しすぎると、石野卓球がLUNATIQUEのインタビューで言っていた「射精のコントロール」に繋がる危険性を大いに孕んでいるということを意識したい。

射精にたどり着いちゃうとダメなんですよ。だってそれは男性的な考えでしょう。そこに射精っていう考えが入ってきてしまったら、ダンスミュージックで例えるなら非常に EDM 的な考えですよ。各曲に射精のポイントがあるような繋ぎをされたら、もう射精管理ですよ。カラッカラですよ(笑)。(石野卓球インタビューより)

EDMってドロップがすごくわかりやすくてここで盛り上がるよ!みたいなのがしっかり明示されている。だからこそ「わかり」はあると思うが、いつのまにかそういう音楽って廃れていくと考える。例えば、トランスは2000年台前半にものすごく流行っていたが、いつの間にか廃れてしまった。時代の流れもあると思うが、私は最後半期のトラパラが大きく影響しているのではないのかと感じる。好きなように音楽を楽しんでいたところに、振り付けをつけることで、「射精コントロール」されてしまったと今振り返ると感じる。

今回の大都会では、まだまだ射精ポイントが明確化されているとは感じないものの、このシーンの先にEDMが見えるような気がした。

tomad:そんな人もいつつ、tofubeatsのファンもいて、ハウスミュージック好きもいて、ポップス志向の人もいつつみたいな、その面でもそれぞれが色々な目的で来るんだろうなという感じはします。でも、それぞれ自分の目的がありながらも、不意に他のものにも触れて何かを感じてもらいたいですね。
森下:マルチネも10周年までやってきているので、予想では、「砂丘」はクラブで遊び慣れた30代、「大都会」は10代かなと思っていました。
tomad:「大都会」的なノリに飽きてきた人が「砂丘」に行って、初めて四つ打ちをちゃんと聴いたみたいなのもあるかもしれないですね。

このインタビューを読んで、そうか砂丘があったのか!とイベントが終わってからすごく後悔した。もちろん大都会は大都会ですごく楽しかったからそれでいいのだけど、砂丘に行きたかった。

大都会の先に砂丘が見えたような気がしたイベントであった。唯一砂丘で聞いたtofubeatsのDJセットはそういう意味では非常に砂丘であった。音も音圧があり、大都会とは違った音楽が存在した。インターネットを通じて、これから音楽がさらに多様していくと思うけれども、それをうまく盛り立てていってカルチャーが継承されていくといいなと思った。

以下に大都会で流れた曲をざっくばらんにまとめてみたので公開する。

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