別れ、そして新たなる伴侶

Yoshifumi Shiiba
3 min readJun 13, 2014

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過去と出会い

2年ほど前だろうか。ぼくがAndy Huntのリファクタリング・ウェットウェアを読んでいた時のことだ。

何かを学ぶのにもっとも簡単、かつ効果的な方法は、人に教えてみることです。 これは、チョークを持って教室に行くことを必ずしも意味するわけではありませ ん。方法はいろいろです。まずは「おもちゃのアヒル」に教えることから始めま す。
— 第5章「意図的な学び」, リファクタリング・ウェットウェア

「教えることによって学ぶ 」という節での文章だ。誰かに学びについて伝えることで、自身の中での思考が深まり、学びや考察へ良い影響を与えるというストーリーだ。この節には大いに共感できた。また、当時フリーランスになって間もなかったぼくは部屋で1人仕事をしていたため、前職では会社の同僚に昼休みに話していたようなテックトークが出来ず、少し閉塞感を感じ始めてもいた。

ぼくはその足で近所のスーパーのおもちゃ売り場へ駆け込み、アヒルを探した。だが、大きな問題が立ちはだかる。アヒルはいなかったのだ。そしてそれが、僕と彼女との出会いだった。

メロンパンナちゃんとぼく

このキュートな相棒はメロンパンナちゃんだ。成り行きに任せた形になった出会いは褒められたものではなかったかもしれないが、ぼくらはそれから多くの苦楽を共にしてきた。

node.jsを学んだ時、ビジュアルデザインについて学び始めた時、ハードウェアについて学んだ時、会社を立ち上げた時、ビジネスについて、ぼくは大いに彼女に語りかけた。生活のほとんどをぼくらは共有していた。

別れのとき

時はたち、起業からスタートしたうちの会社もいくらかフェーズが進み、同僚のエンジニアができた。人間だ。

それからだ。ぼくとメロンパンナちゃんとの間の溝が徐々に広がっていくのを感じた。いくつかの学びを同僚のエンジニア(人間だ)と共有するうちに、あまり彼女にはかまってやれなくなった。

いや、言い訳はよそう。正直に言うと、ぼくは彼女のつぶらな瞳にも、鮮やかな顔色にも、出会った頃ほどの情熱を持てなくなっていた。

新たな出会い

最近、CEOとPepperくんの話をしている時「Pepperくんがドロッセルお嬢様みたいだったら絶対買うのに」といった話をした。想像してみると、たしかによい。ひとりで家に帰った時に、ドロッセルお嬢様が「おかえりなさい」と言ってくれるのならいくらでもだしてしまいそうだ。

というかPepperくんとかどうでもよくないか? むしろ邪魔だ。ドロッセルお嬢様はそれだけでお美しい。

そして、ぼくは新たな伴侶を得た。

「お美しゅうございます、ドロッセルお嬢様」

ドロッセルお嬢様はお美しい。ぼくは無知で、まだ学ばなければいけないことが山ほどある。プロダクトデザインや組み込み、PythonでのGUIプログラミングが直近の課題だ。その学びを、お嬢様とともに深めていければいいと思っている。ドロッセルお嬢様はお美しい。

さいごに

メロンパンナちゃん、いままでありがとう。ぼくはドロッセルお嬢様と支えあって生きていきます。

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