El Drado Exchange

Yield Farming Lab
13 min readFeb 20, 2023

執筆:https://twitter.com/sagattya_

今回はBSC上に展開しているEl Drado Exchange(以下EDE Exchange)に関するレポートになります。

BSCのデリバティブ取引所では、複数の投資家から戦略的投資をうけ、トークン価格が急上昇したLevel Financeが記憶に新しいですが、そんなNext Level Fiannceを求めるユーザーが殺到しつつあるのがEDE Exchangeです。

基本的な仕組みは流動性バスケットトークンに対してトレーダーがトレードを行うGMXライクな取引所ですが、流動性バスケットトークンをアセットごとに分けたり、アカウントシステムにSBT(ソウルバウンドトークン)を導入していたりといくつかのユニークな点で差別化されています。

本レポートでは主にELP-1,ELP-2、ESBT、トークノミクス、EUSDに関してを取り上げます。

プロジェクト概要

EDE Exchangeはオンチェーン上で先物取引ができる分散型取引所です。BSC上に展開されています。

2022年12月にローンチしましたが、ローンチ後2カ月は特に出来高が急増したりしてなかったですが、Level Financeの戦略的投資、トークン価格上昇で同チェーンのデリバティブ取引所であるEDE Exchangeにスポットがあたったような形で注目されています。

オンチェーンデリバティブ取引所ではGMXが有名ですが、GMXにプラスアルファした機能を実装しており、今後に注目が集まるプロトコルです。

リンク集

公式サイト:https://www.ede.finance/
Twitter:https://twitter.com/ede_finance
Medium:https://medium.com/@ede_finance
ドキュメント:https://docs.ede.finance/

主要機能

ここではEDE Exchangeが持つ主要な機能をELPを中心に3つ取り上げます。

①ELP-1.2
ELPはGMXのGLPと同様に複数のトークンで構成された流動性バスケットトークンです。

GMXではGLP単体しかないですが、EDE Exchangeでは構成アセットが異なるELP-1とELP-2が存在します。

ELP保有者はプロトコル収益の60%を受け取ることができます。
収益分配は後述するEUSDで受け取ります。

ELP-1
リスクが最も低いプール。構成アセットはBTCやETHなどのブルーチップアセットのみで構成されている。

構成アセット
-BNB
-BTC
-BTC
-BUSD

ELP-2
中リスクのプール。時価総額上位50以内のアセットと上位100位のアセットで構成されている。

構成アセット
-XRP
-ADA
-LINK
-CAKE
-BUSD

https://app.ede.finance/

なぜ異なる流動性バスケットトークンがあるのか

流動性バスケットトークンを構成アセットごとに分けるということは、リスクに応じて流動性を提供することができるということです。

基本的にGMXライクな取引所は、トレーダーの利益は流動性提供者の損失に、トレーダーの損失は流動性提供者の利益になるような構造をしています。

トレードで大きな利益を上げやすいボラティリティが高いアセットは、流動性提供者にとってリスクがあります。なのでELP2として分割することで、流動性提供者はリスクとリターンに応じて流動性提供先を選ぶことが可能です。

ELP-3
また、今後はELP-3の実装も予定されています。

ELP — 3はステーブルコインのみで構成されたバスケットトークンで、ステーブルコインを基に合成資産を作成して、様々なアセットのレバレッジ取引をできるようにします。

流動性提供されている額以下であれば、任意の価格を持つアセットを合成資産として作成できるので、例えばゴールドや小麦などのコモディティ、株や債券などをオンチェーン上で取引できるようになります。

EUSD

EUSDはEDEトークンのステーキングやELPの流動性提供の報酬として配布されるトークンです。基本的に1ドルにペッグされているステーブルコインとなります。EUSD自体は過剰担保型とアルゴリズム型の両方を採用したステーブルコインです。

トレーダーがEDE Exchangeでトレードを行うと、トレード手数料がEUSD-Reserve Poolに蓄積されていきます。

蓄積されたトレード手数料に応じて同等のドル建てのEUSDがMintされて、EDEステーカー、ELPホルダーに分配されます。

https://docs.ede.finance/tokenomics/usdeusd

分配されたEUSDはEUSD-Reserve Poolでトレード手数料として徴収したアセットと引き換えることができます。その時引き換えた分のEUSDはバーンされて循環供給から削減されます。

https://docs.ede.finance/tokenomics/usdeusd

EUSDの償還には手数料が設定されており、担保率に応じて手数料が変動する「Dynamic Transaction Fee」を採用しています。

原資産の価格がEUSD発行時から下落した場合、EUSD-Reserve Poolの担保率が100%を切る恐れがあります。

100%を切った場合、償還時に基本手数料+Dynamic Transaction Feeを徴収することで償還を抑制する仕組みです。

引き換え手数料は以下になります。

・担保率が100%以上の場合=基本手数料のみ

・担保率が100%を下回った場合=基本手数料+(1-担保率)

Stake&Bond

EUSDの担保率は過剰担保型ですが、担保割れした時に必要な清算の仕組みが無いのでアルゴリズム型も採用しています。担保率が100%を下回った場合、割安なEDEを販売することでEUSDをバーンして担保率を元に戻すような仕組みです。

EUSDの担保率が100%を超えるとステーキングオプションが利用可能になり、ユーザーはEUSDをステークスすることで利息を受け取ることができます。利息はEUSDで分配されます。

EUSDの担保率が100%を下回っている場合、Bondオプションが利用可能になり、ユーザーはEUSDで市場価格よりも低い価格でEDEを購入することができます。

https://docs.ede.finance/tokenomics/usdeusd

El Soul Bound Token (ESBT)

ESBTはEDE Exchangeで利用できるアカウントに紐づいたSBT(ソウルバウンドトークン)です。

ESBTにはランクが設定されており、ランクを上げていくと各種特典がアンロックされていく方式です。

ESBTをアップグレードさせていくにはePointを貯める必要があります。

ePoint

ePointはトレードや流動性提供を行うことで溜まっていくポイントです。

以下の画像が現時点でのePointを貯めることができるアクションになります。

一番効率が良いのはレバレッジ取引を行うことで、50ドルの取引ごとに1ePointが溜まります。

https://docs.ede.finance/el-soul-bound-token/mint-upgrade-your-esbt

ランク

ESBTのランクを上げていくと各種特典がアンロックされていきます。
・トレード手数料の割引
・リベート(取引手数料の還元)
・aEDE Vesting期間の短縮

この中で一番効果が大きいのはaEDE Vesting期間の短縮です。

最長1年ロックから最短1カ月ロックまで短縮できるので多額の流動性提供をしているユーザーはかなり早いスパンでaEDEをEDEに変換することができます。

https://docs.ede.finance/el-soul-bound-token/mint-upgrade-your-esbt

トークンについて

EDE Exchangeには3つのトークンが存在しています。

EDE
EDEはプラットフォームのユーティリティトークンです。EDEをステークすると、ガバナンス トークン であるgEDEと$EUSDおよびEDEを報酬として獲得できます。
EDEの最大供給量は30300000トークンで制限されています。

gEDE
gEDEはEDE Exchangeのガバナンストークンです。EDEを任意の期間ロックすることで入手することが可能です。
gEDEはプロトコルのガバナンス権のトークンであり、プロトコルの更新などの投票に参加できます。

aEDE
aEDEはステーキング報酬として獲得可能なトークンです。ESBTのランクに応じて30日~365日のVesting期間が存在しています。

EDE Exchangeの好循環

本稿執筆時点でのEDEの価格は底値から約7倍に上がっています。なぜこのようなトークン価格の高騰が起こったのかを考察していきます。

https://dexscreener.com/bsc/0xd14e0b9eba0010e97f57cbd9042215499b53bc47

①Trade to earn報酬の増加

EDE Exchangeではトレードの出来高に応じてaEDEの分配するTrade to earnキャンペーンを去年から開始していました。

当初は1日1000aEDEがTrade to earnの報酬として割り当てられてましたが、2/11から報酬として割り当てるaEDEを増加。現在1日当たり5000aEDEが報酬として割り当てられています。

結果、報酬目的でトレードを行うユーザーが増え、多額の取引手数料を徴収することに成功、EDEステーカーとELP流動性提供者の報酬が増加しました。

これによりEDEのAPRが上がり、市場で購入するユーザーが増えて価格が上昇に転じました。

トークン価格が上がるとTrade to earnの報酬のドル建ても上がるので、よりTrade to earnを目的としたユーザーの流入を見込めます。

また流動性提供やTrade to earnで配布される報酬は、aEDEという最大1年間のVesting期間が設けられているトークンなので、短期的な売り圧が少ないというもの価格に悪影響を加えません。

ESBTのランクを上げることでVesting期間を短縮することができますが、それ相応の取引手数料を支払わなければならないので、プラットフォーム収益を上げることに成功しています。

以下の画像を見ると分かりますが、Trade to earnの報酬が増加した頃からトレードボリュームが増加しています。

https://stats.ede.finance/

②Next Level Financeを探している

BSCに展開している同じようなデリバティブ取引所ではLevel Financeが有名です。Level FinanceはEDE Exchangeと同様にTrade to earnキャンペーンを行っていたりなど似たような要素を持ちます。

Level Financeは投資家から戦略的投資を受けたことを発表し、トークン価格が底値から約100倍になりました。

この波に乗れなかったユーザーが次のLevel Financeを探すことは想像に容易いです。

なおかつTrade to earnで一気に出来高を稼いでいて、注目度も上がってきているのでNext Level Financeの期待でトークンを購入するユーザーが現れています。

なぜEDE Exchangeは成功したのか

この成功にはフライホイール効果という一連の流れが存在します。

どのプロトコルにも言えますが、一度軌道に乗れば好循環に入ることが可能です。

①,Trade to earnを開始。
②,Trade to earnの報酬が払った手数料よりも貰える。
③,手数料を払ってもトレードを行う。(手数料の支払いの増加)
④,流動性提供者と独自トークンステーカーの報酬がアップ(手数料還元の増加)
⑤,独自トークンステーキング需要でトークンの直買い→価格上昇
⑥,トークン価格が上がるとTrade to earnの報酬(ドル建て)が上がる⑦,②~⑥の繰り返し

この一連のサイクルが所謂、正のフライホイール効果と呼ばれます。

この一連の流れを理解し、いち早く察知することで我々エンドユーザーは利益を上げることが可能です。

「フライホイール効果」とは?

「フライホイール効果」とは、ビジネス上の小さな勝利の積み上げ・蓄積が、時間の経過とともに大きな力となり、最終的にはローイングマシンのフライホイールが生む力のように、持続的なビジネス成長が実現されることである。

https://atlassian-teambook.jp/_ct/17492925

総括

今回のレポートはEDE Exchangeについて解説をしました。アカウントシステムにSBTを取り入れていたり、流動性プールを分割することでリスクを管理する仕組みを導入していたりと、かなり革新的なプロトコルと言えます。

トークンの時価総額も同様のプロトコルに比べて低く、アップデートも頻繁に行われているのでこれからの成長にも期待が持てます。

昨今は相場も良くなってきており、好循環に入るプロトコルも増えています。我々エンドユーザーもいち早くそれらプロトコルを察知することが必要です。

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