イケイケなベンチャー企業が「リモートワーク」導入失敗する3つの理由

まえおき

Yusuke Iwaki
4 min readMar 1, 2017

私はもともと富士通っていう会社で働いてたんですが、そこには中国にいても北海道にいても違和感なく会議ができる仕組みがありました。(少なくとも私が所属していた部署の現場には)

会議スペースが絶対的に足りないという理由からMicrosoft Lyncが導入されて、それ以来は社員同士が(たとえ向かい合って座っているとしても)Lyncでスクリーンシェアしながら電話会議をするというのが習慣化していたのです。

ところが、2015年にとあるベンチャー企業に転職して、それが当たり前じゃないことに気づきます。

「リモートワークやろう」と意識高く言う人はイケイケベンチャーだとたくさんいます。しかし、ちゃんとやることもやらないまま「うまくいかない・・・」と結論付けられるさまを何度か目の当たりにしました。

この記事では、「ちゃんとやることやってからじゃない?」と違和感を覚えたところをなんとなく書きのこしておきます。

オンライン会議ができないと困る理由が無い

そもそもリモートワーク導入には「オンライン会議がスムーズにできること」が不可欠です。

首都圏のイケイケベンチャーでは、「通勤しないから体がラク」「家でじっくり集中できる」みたいな理由からリモートワークを導入しようとします。そして、「いつものミーティング、リモートワークの人がいるとぜんぜん進まないなぁ」という壁にぶち当たり、「リモートワークは週に○日まで」とか「ミーティングがない日に限って可」のような制限が生まれ、自由にリモートワークできる状態にはなりません。

リモートワークの導入の前提であるオンライン会議が必要な理由がないと、「オンライン会議をうまくいくようにしよう!」という気概がなくなり消極的なリモートワーク導入となってしまうのです。

たとえば

  • チームメンバーの半分が中国出張に1ヶ月行くので、その間はコミュニケーションができないとまじで困る
  • 会議スペースが全然足りて無くて、オンライン会議を導入しないと仕事がぜんぜん進まない
  • 家に小さい子どもが居て、すぐに駆けつけられる場所で勤務しないといけない

のように、オンライン会議で解決したい何かを定義することで、オンライン会議の成功率が少しずつ向上し、スムーズに積極的なリモートワークを導入することができます。

ちゃんとしたヘッドセットが無い

ヘッドセットなしで、同一空間で2,3人が同じ会議システムに入ると、必ずハウリングが起きます。

かといって、会社からはPC1台で6人が参加+2人は家から参加 のようにすると、会社にいる6人が井戸端会議を始めて、リモートの2人は取り残されるという事態が起きます。

ハウリングしないように専用のヘッドセットをちゃんと用意して、(たとえ隣り合っていても)各人が会議システムに入ることを習慣化しましょう。

ヘッドセットの推奨機能としては

  • 両耳ふさがる形のもの
  • 手元で音量調整ができる
  • 手元でミュートできる

です。どれか欠けると、会議中に集中力が欠けて失敗します。

会社=Main、リモート=Sub という潜在意識がある

リモートワークを積極的にできるかどうかの最後の砦はこれです。

「リモートでうまくいかない場面は、会社に来てもらって打ち合わせをすれば・・・」のように、会社での対面打ち合わせありきの意識では、どうしてもリモートワークは消極的なものとなってしまいます。

また、「ホワイトボード+付箋で定例ミーティングをやっていたのを、リモートワーク導入にあたりまずはTrelloでやるようにしよう」のような”リモート化”をやろうとすると、ほぼ必ず「あれ?うまくいかないぞ?やっぱり対面でやろうか」となります。

オンライン会議が失敗する理由は、ほぼ確実に準備不足/設備不足によるコミュニケーションミスです。「リモートワークでは伝わらないので対面でやろう」ってなる前に、「今日の会議は、リモートで入ってる○○さんとコミュニケーションするために、しっかり準備しておこう」と考えるようにしましょう。

まとめ

「うちはリモートワーク導入してるよ( ー`дー´)キリッ」っていうことよりも、
「オンライン会議の文化を根付かせよう」っていう気概が大事だよ(てきとう

--

--