今日びの問題はComplexを超えており, Chaotic(混沌)である — Cynefin framework

shinozw
4 min readApr 8, 2018

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この枠組を知ってからは, Chaotic な状況でKPI管理してるチームはダサい, とハッキリわかるようになりました.

「集団がハラオチする過程」が研究対象になっている

一人の「熱」が、組織に波及する過程には何が大事なんだろう?これを言語化するために類似・先行研究がないか調べた結果、Sense Makingの理論体系が気になっています。

かんたんに言えば, Sense Makingは, Decision Making(意思決定)と対になる形で提唱された考え方です. 意思決定する前に,「組織のメンバー・周囲のステークホルダーが事象の意味について納得し、それを集約させるプロセス」があるとしています.

意思決定はトップマネジメント層だけがすることとされてきましたが, 会社の組織図みたいなものに弊害がでてきた結果, 「集団がハラオチする過程」をしっかり理解したほうがいい, ということになってきています.

では今の状況と打ち手をどのように認識したらいいのでしょうか. そのためのフレームワークがCynefin です. このフレームは, 難しいことをやっている人のために作られています.

Chaosを認識できるフレーム

Cynefin frameworkは、対処しなければいけない問題をSimple, Complicated, Complex, Chaotic に分類し,それぞれの特徴を定義しています. 最後にChaoticがあるところが現代的ですごくいいとおもっています.

Simple / Obvious

Simple(単純)は, Known known(既知の問題に, 既知の手法で対処する)でなんとかなる問題のことを指す. だからベストプラクティスを探してきて適用すればよい.

Complicated

Complicated(込み入った)な問題は, 因果関係の分析に専門知識が必要で,1つは解決方法が知られている類の問題を指す。故に, Known unknown(既知の解決方法があり、未知の問題に対処する)と言われる. ただし既知の手法が最上のものかわからない。

Complex

Complex(複雑)な問題は, unknown unknown とくくられ, 問題の因果関係も未知で, 解決策はわかってない状態です.いわゆる日々のプロジェクトのように, 問題の状況や人の状況が変化し, 通り一遍の解決方法で解決するとは限らないとされます. そこで調査,把握,対処を繰り返すのが複雑な問題へのアクションとなります.

Chaotic

問題も解も不明瞭な状況がカオスで, 知識に基づいたレスポンスを待つには混乱がすぎる(判断基準が持ち得ない, 有効だと思った打ち手の意味が状況の変化によって前提から変質してしまう)とされています. そこで「まず行動 — 知覚 — 反応」というのが推奨される対応フローとされ, それによってChaosをComplexに落とし込むのが初手としてよい, と原案者のSnowdenは考えたようです.

Cynefinが示唆する「僕らのとるべき行動」

自分が対処に悩むときは, たいがいComplexかChaosじゃないか, とあっさり定義を読むと納得したので, 何にせよ, Sense できるまで待つのではなくさっさとProbe(探る)か, Act(まずやる)のがいいのだとSnowdenは言っています.だいぶ納得感があります.

これが実行できる伝統的企業はほとんどいなくてダサいわけです. 自分がChaosにいるのにも関わらずActもSenseもしなくてAnalyzeしようとする傾向があります. 悪い場合にはSimpleな課題と同様にAnalyze-Categorize-Respondの発想のままChaosに対処しようとするので, まったく手がでないのです.

まとめ

  • 自分がChaosにいるのに, KPI管理を振りかざして, ROIや比較検討に時間を使っているチームは,発想に制限がありすぎる(状況認識がSimpleのまま).
  • 発想がSimple ProblemかせいぜいComplicated で止まっていると, 複雑なことに立ち向かえない. まずAct あるいは Probeすべきところを, Analyzeしてしまう
  • 自分らチームをChaos/Complexに立ち向かえるようにするにはDisciplineレベルで「まずAct」やprobeを徹底する. そういう知識管理が現代経営に求められている

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shinozw

放て心に刻んだ夢を未来さえ置き去りにして