ビジネスで大切なことの一部は北大で学んだ(第7話)

Yuta Kokubun
6 min readFeb 26, 2017

--

第7話 人生をエンジョイできる大人とは

(第6話)

チューリッヒで撮影、エンジョイ感が出てる

やりたい事がない時は金を貯めた方がいい

サークルの部長の任期が終わり、一時的に横浜に帰った。自分の行動や習慣を変えるには、住んでいる場所を変えた方がうまく行く気がしたからだ。ただ、何をするか決めてなかったし、音楽でプロになると言う目標を捨てた後で、やりたいことは特になかった。ただ、苦しい時に誰かのせいにしたり、言い訳を作って成し遂げなかったり、そんな自分のあり方やスタンスを変えたい気持ちは強かった。そんな中、深夜のオールナイトニッポンかなんかで、スガシカオが話していた言葉をたまたま聞く。「やりたい事がない時は金を貯めた方がいい。いつかやりたい事が出来た時に、羽ばたく助けになってくれるから」というものだ。なるほどーと思い、特にやりたいことはないから、お金を貯めることを頑張ろうと思い、週5でアルバイトを始めた。

引きこもるより働く方が精神衛生上圧倒的にいいのだが

アルバイトは国土交通省の事務所に山積みにされている書類を、採番して棚に整理して置いて、システムに登録すると言うもの。3ヶ月くらいの短期バイトだ。今考えると、全部デジタルデータに落として、検索可能にしてストレージに突っ込めばええやんと言う気がするが、当時はそこまでテクノロジーが進歩してなかった。アルバイトは同じ作業の繰り返しで、特別なスキルを身に付けられるものではなかったが、家に引きこもってゲームをしてるより、精神衛生上遥かに良かった。バイト先もいい人が多かったし、居心地も良い。働いている人達は年上が多く、彼ら彼女らが折に触れぼくに伝えてきたのが「大学生が一番人生で楽しい時期だから、今のうちにエンジョイしとけ」と言うもの。この価値観には、やはり違和感を感じた。

大学時代がピークになる人生は嫌だ

人生80年の時代で、なんかよく分からんうちに過ぎてく18–22歳の時期が一番楽しいって許せない。もう戻らない人生のピークを懐かしみながら過ごす残り60年って、全く面白くねーなと。少なくとも自分は二度と戻らない大学生時代をピークに置いて、人生を過ごすのは嫌だ。本当に世の中全ての人がそう思っているのだろうか。いや、そんなことはないはず。自分が知らない場所にいるのではないか。そんな人達はどういう場所にいるんだろう。どんな生き方をしてるんだろう。どんな仕事の仕方をしてるんだろう。

物事を成し遂げる大人が人生をエンジョイしているのでは

ここで、直感的に思ったのは、今の自分と反対の行動を取る人が、リアルタイムで人生を楽しんでいるのではと言うこと。具体的に言うと苦しい時期も責任を持って向き合って、言い訳をせずに成し遂げる人。責任を持って物事成し遂げるには、他人にはないスキルが必要では。じゃあどうやって、他人にはないスキルを身に付けよう。そこで思い出す、自分が日本で有数の大学に所属していたことを。何が必要かはまだ分からないけど、大学の中を真剣に探せば何か気付くのではないか。つまらないと決め付けていた学部の勉強も、やってみれば何か見えるかもしれない。

同級生のほとんどが持っていなかったスキル

ただ、問題は自分が同級生より一年遅れたこと。彼らより遅れた分、彼らにないものを身に付けないと、回り道した割に合わない。そこでピンと来たのが英語だ。同級生は誰も話せる人がいない。これだ!やろう!家に帰って夕食時に、家族に話してみた。「バイトで稼いだお金を英会話学校に使おうと思う」と話すと、「お前の大学は留学生がたくさんいるんだから、その人たちと話せばタダじゃん」と親父が返してきた。なるほど、じゃあそうしよう。バイトはちょうど3月までだったので、4月に復学の手続きをし、早速大学にいる留学生を探し始めた。

再びサークルのリーダーに

手掛かりを求めて大学の掲示板を眺めていると、「学生主体の国際交流団体を立ち上げませんか」と言う貼り紙が。発信者は留学生センターの先生だった。貼り紙に書いてある通りの日時に留学生センターに行くと、30–40人くらいの学生が集まっていた。先生が冒頭の20分くらい話し「この場に学生を集めるところまでが私の役割です。誰かリーダーになって、会の運営をお願いしたいです」と、とんでもない丸投げをしてきた。しばらく沈黙が流れ、みんなお互いに様子を伺う空気に。「ぼくやってもいいですよ」と一人の男が立候補した。ぼくだ。このままグダグダになって、留学生とタダで英会話できる機会を逃すよりは、ちょっとくらい労力を払ってもいいかなという気持ちだった。あとは、一度リーダーを務めることに失敗したわけだが、そのリベンジをしておきたかったのもある。

毎週金曜日にインターナショナルランチ

そこから2週間後くらいに、見ず知らずの人同士で初回の集まりをやり、留学生と交流するアイデアを練った。正直大したアイデアは出なかったが、交流の機会は頻度が多いことが重要という事で、毎週金曜にインターナショナルランチというイベントを留学生センターでやることに決定。ランチを持参し、通りすがりの留学生を捕まえて、ロビーのソファで話をするという、何とも低コストなイベントだ。ぼくはリーダーに立候補した手前、毎週金曜日通っていた。定期的に顔を出していると知り合いが増え、北大生、留学生、職員が色々な情報を教えてくれるように。そこで、7月にアメリカ・カナダから一ヶ月の短期留学生が来るという情報を仕入れ、ウェルカムイベントを企画する事になった。

この一ヶ月の体験が、ぼくのその後の人生を大きく変えていく事になる。ドメスティックに生きてきた自分の人生に、起こると予想していなかったことが起こるのである。
(第8話へつづく)

これを読んで北大生活が懐かしくなったOB/OGは、
ビズリーチキャンパスに登録して北大生の就活を応援しよう!

--

--

Yuta Kokubun

ビズリーチの中の人。所属組織遍歴は北大工学部→東大新領域→アルテミスインターナショナル→レアジョブ→ビズリーチ(今ここ)。職種遍歴は業務系コンサル→エンジニア→海外事業→セールス→プロダクトマネージャ→経営企画(今ここ)