スワンプマンの話をしようと思う。
スワンプマン(Swampman)とは、1987年にアメリカの哲学者ドナルド・デイヴィッドソンが考案した思考実験。「私とは何か」といった同一性やアイデンティティーの問題を考えるのに使われる。スワンプマンとは沼 (Swamp) の男 (man) という意味の英語。
スワンプマン。
ときに彼の話題をすると、倫理の話だとか魂の有無。といった見方があるらしい。
でも、僕は。
これは存在証明の話なんだろうな、と思っています。
存在証明。
それってなんだろう。
僕は存在しているよ、ってことに価値を付けること — — だって勝手に解釈してます。
調べてませんので、きっと本当の意味とは違うと思います。もしかしたら合っているかもしれませんが、それは、まあ、さておき。
スワンプマン。
死んだ人間が生き返った可能性と死んだ人間そっくりが生まれただけという見方などをする思考実験。
もし、大切な人が死んでしまったとして。
それでも、こっそりと生き返ったとして。
だけど、嘘はいつかバレるもので。
隠し通せるモノじゃなくて。
だから、と考える。
— — あなたの大切な人は死んでいますよ。と伝えられてしまった。
そんなとき、どうするんだろう。
そんなとき、どんな風に考えるのだろう。
そんなとき、どんな風に思って行動するのだろう。
— — 死んだ証拠を突き付けられたとき、僕は。
知らないフリをして大切な人と過ごすのか。
聞かなかったことにして、すっかりと忘れて一緒に過ごすのか。
それでも、と。別人だと分かった上で大切な人として共に過ごすのか。
それか、リセットをしようと相談を持ち掛けるのか。
だから、存在証明のことを考える。
存在しているって、価値を認められることじゃないかな。
存在証明が出来たら、答えが出たようなモノなんだって思いたい。
このときの答えってのは、そうだね。
— — 大団円を迎えられたら、良しって。そんな結末を向かうためにって、意味で語るよ。
幸せになるために、ちょっと考える。
スワンプマン。
生き返った彼を知っている人たちが — — 価値を認めたら、良し、じゃないかな。
倫理も魂の根拠もさほど意味はなくて。
生き返った彼を、どう思うか。
きっと、それだけだ。
だから、ちょっと妄想する。
もし、あの、大切な人が生き返ったら、どんな風に接するのか。
— — 本当は死んでないよって最初は思い込むだろう。
出逢った直後なら、きっと、証拠も出てこない。
でも、やっぱり、隠しきれなくて。
— — 本当は死んでいるよ。って証明されたら。反論の余地もないくらい徹底的に。
……全部、認めて。
まず、僕は「ありがとう」って僕は答えると思う。
理由は、そう。
生き返って、それから死んでるよって証明されるまでの間は、きっと、嬉しいって思うだろうから。嬉しいって思えた瞬間に感謝するんだ。それからのことは生き返った彼が選んだ選択を受け入れるだろう。今まで通りなら、今まで通りに。ゼロから、というならゼロから。決めて、とでも言われたらコイントスでもしよう。
僕にとって倫理も、魂の根拠も、 — — たいした意味はないから。
少なくとも現代において — — 魂の根拠は確立してないからね。
だから、存在証明の話なんだ。って僕は思う。
スワンプマンの存在証明。