豚公爵に転生したから、今度は君に好きと言いたい。 感想的なナ二かト。

どこかの少女漫画にでも出てきそうな気高き貴族の精神性と圧倒的デブな主人公の恋愛奮闘記。 — — ただ、君に告白したいから。

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7 min readOct 31, 2019

君に好きだと伝えるために命を賭ける。

「やることなすことが全て空回りに終わり、笑いものになる始末だ」

メインヒロインはかつて国をモンスターに襲われたり奴隷商に掠われたりした過去から非常に怖がり。だからこそ、と主人公はヒロインの前では道化を演じ、ヒロインの前では何事も起きてないかのような素振りでヒロインに訪れる艱難辛苦を陰ながら防ぐために奔走した結果、ヒロインは他の人物に惹かれていく — — そんな未来を転生によって知った豚公爵のスロウが今度こそは君に好きだと伝えるために奮闘する物語。

恵まれない主人公好き!!!!!!!!!!(

あとは、そうですね。
自分が今までの人生で告白するって機会が訪れなかったので、「告白」そのものを目的として、告白を神格化(誇張)する物語の大筋が好きになれるところも良きです。……自分にとって告白イベントとはもはやフィクション。

小説冒頭より

「そこには、想像を超えたデブがいた(1巻冒頭より)」

ここ最近のラブコメを主軸に置いた作品の風潮をぶった切るかの如く、主人公がもの凄く一途(現在までは)。

もはやこれだけで個人的には好きになれる作品ですが、万人受けするかと言われたら間違いなくNoです。主人公が好きになれるか、なれないかって大きいと思うんですよね。というのも自分はラピュタを見て「主人公の天然たらしめ!!」って思うくらい捻くれてます(僻み?嫉み?

漫画版1巻冒頭より

漫画版は現在3冊まで出ているのですが、これがすごくて!!!

豚公爵(作品名)はカクヨム発の作品です。
といっても自分はカクヨム版はざっくりとしか読んでません。その上で書籍版と見比べてみるとだいぶ大筋が変わっているような気がします。

それでも、(こう言うとアレですが)拙さが目立つ感じがします。ところどころ「……あれ?」みたいな盛り上がりに欠ける部分が惜しいなと思ってしまいますが、漫画版では「おぉぉぉおお!!」みたいな感じで勿体ないところが払拭されていて激推しです。
自分は書籍版より先に漫画版を読んだから、そう思うだけかもしれませんけどね。あの……盛り上げ方は原作者の発想なのか、漫画家さんの発想なのか……気になるところです。

性癖的な問題で(言い方

それ以外にも“西野 ~学内カースト最下位にして異能世界最強の少年~”や現在アニメ進行中の“俺を好きなのはお前だけかよ”、“自重しない元勇者の強くて楽しいニューゲーム”は生理的に無理って思うくらい主人公が嫌いです。西野に限っては主人公のプロフィールが『なんか』嫌い。

逆に好きな主人公と言えば“ねじ巻き精霊戦記(完結済み)”のイクタくんや“崖っぷちから始める世界寿命の延ばし方(おそらく打ち切り)”の主人公です、両方とも主人公殺されてますけどね。生きてる主人公だと灰と幻想のグリムガルとか好きです。ラブコメモノだと多分僕が勇者だけど彼女が怖いから黙っていようと思うとか好きです。

それ以外の作品だと主人公は嫌いじゃないけど、好きにもなれない。でもヒロインがもの凄く可愛いから読んでる、みたいなラブコメ作品は非常に多いです。たとえば叛逆のドレッドノート、特殊性癖(ツンデレ沼、ヤンデレ沼などを除く)抜きでヒロインの可愛さを追求されたラブコメ作品は他に知りません。でもあの天然主人公は好きになれません(断言

(ネタバレ含む)
豚公爵(作品名)のメインヒロインは至って普通で純粋な少女、主人公と年齢も近ければ(推察)特別歪んだ思想もなく……。キャラクターに対する味付けで特殊な思想を付け足すのはよくある手法ですが、メインヒロインに至っては主人公が一途に想っていなければ陰が薄すぎやしないだろうか?と思わせるぐらい普通。というか、メインヒロインに限らずヒロインの出番が少ないような……タイトル……。

7冊目にして主人公とメインヒロインが相思相愛と判明し(主人公の告白達成)、ちょっと(?)独占欲の強いヒロインの方針によって主人公の再デブ化(7冊目ではそこそこ痩せるシーンも)させてモテさせない計画が始まるくらいです。ラノベ界隈のヤンデレと比べるととても穏やかで和みますね……。

元々のカクヨム版ではジャンルとしては異世界ファンタジーですが、タグ付けとしてラブコメ要素があるし、タイトルからしてもラブコメ要素がないわけではないはずなんですけど……。

どのくらいこの作品が良かったかと言われたらおおよそ11ヶ月振りにちゃんとした感想(的なナ二か)を書こうと思えるくらい良かったです。最後に書いたのは12月の始め。

でも、正直、8冊目まで読んで、ここで読むの止めようか悩んでいたくらいな感じはままあったのですが(タイトル達成したし)、個人的に最も推せるサブヒロインの出番が9巻目にあるらしく非常に期待して待ってます!って感じです。次の出番はツンデレ沼に堕ちた人にはたまらないツンデレ子なのです。故に、まだ読みます。

と、いうわけで。

読了。

(やっぱ感想は紙書籍の写真があった方が映えるね!!
それ抜きにしても、本当は紙書籍の方がレイアウト的な理由で好きなんですけど。本の置き場所とか再読したいときの探す手間とか将来的なことを考えていると電子書籍を使わない理由がないというか……)

あ、あと感想は書けてませんけど。
始まりの魔法使いは本当に推せました……。言葉が出てこなくて……。

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コミュ障拗らせた人間不信で臆病者。The softness of the cat softens the floating world.