あなたのボツを買い取ります。

ボツ出版、はじめます。

ボツ出版
4 min readJun 8, 2014

――ボツ出版というものをはじめたいと思っています。

「ボツになった企画や原稿、賞に落選した作品などを買い取って、売る。」という主旨の活動でございます。要は、企画のブックオフです。

また、ブックオフのように査定がございます。
頂いた企画や作品をこちらで査定しまして、買取可否の判定と価格決定をして、お客様に提示し、ご納得頂けたら、買取り、そして、販売(場合によっては、無料で公開)します。

あなたのパソコンの中に眠っている、とっておきの“ボツ”を売ってください。

――きっかけは、「売れないからボツ」への違和感と危機感

そもそもの発端は、仕事をしている中で感じた、ある違和感、危機感でした。
本が売れない時代と言われる今、確実に本を売りたい版元は、そもそも売れそうな企画(=実用書など確実にニーズのある企画)にしか目もくれません。そんな彼らがよく言うセリフがあります。

「面白いけど、売れないからダメ」

面白くなくて、本にする意味がないって理由でボツならいいのですが、面白いのに、作らないという考えに違和感を感じていました。今の時代、媒体や売り方を考えれば、いくらでも作ることはできるのではないか。なぜ、売る方法を考える前にボツにしてしまうのか。

もちろん、商売ですから、儲けなきゃ意味がないというのもわかりますし、そのためには効率的に売れるものを売っていく必要があるのでしょう。また、読者の読みたい本を作るのが出版に携わる人間の仕事だとも思います。

しかし、顕在化しているニーズを満たすことだけが本の役割なのでしょうか。私は、世の中の人がまだ知らない潜在的価値観を与えることこそ、本の真価だと思っています。また、それをやっていかないと、本という文化はどんどん衰退していってしまうのではないでしょうか。

また、売れる売れないという判断の基準も曖昧で、結局は担当者の主観で決まっているのが現状です。納得できる理があればいいのですが、彼らの説明はいつも私を納得させてくれません。つまりは、ただの好き嫌いなんです。そんな独断で判断されたボツは果たして本当にボツ(=価値の無いもの)なのでしょうか。私は違うと思います。

なんてカッコつけたことをいいましたが、要は仕事でボツになったけどやりたい企画や、自分の会社では出せないような企画がもったいないなと思うことがあって、そう思っている人は私以外にもたくさんいるのではないか、そして、もしそうなら、そういう無念にもボツにされてしまった企画たちをもっとどんどん世に出していったら面白いんじゃないかと思ったのがキッカケです。

――“ボツ“でつながっていくコミュニティを作りたい。

この活動のもう1つの目的は、ボツによる人とのつながりです。
ボツ企画を送ってもらうことで、送ってもらった人と何か面白いことをできたらいいなと考えています。ボツをきっかけにコミュニティを形成したいんです。

“ボツ”には、その人の人柄とかセンスが如実に現れます。
ちょっと違うかもしれないけど、クイズで例えると、正しい解答はその導き出し方は大体似通ったものになると思います。正解は1つであることが多いからです。でも、不正解の数は無限です。そして、どう間違えたにその人のセンスが現れると思うんです。わからない時にどう対処するのか、その人の思考力が試されます。こんなの就活でよく使われるテストでありましたね。
そして、企画は、クイズよりももっと如実で、ボツになった企画にその人の趣向やセンスが出ると思います。だから、私は人のボツ企画を見るのが好きなんです。どんなに理で固めようとしても絶対に出てしまうのです、その人のアイデンティティが。

――ボツ企画、ボツ作品をメールで送ってください。

と宣言だけしてみたものの、まだ具体的な仕組みは考え中。
とりあえず、思いついたら即行動で、宣言だけしてみました。(なぜか、ロゴだけつくってみた。カバー画像もほしい。)

この投稿を見た方で自分のPCに秘めているボツ企画やボツ作品がある方がいらっしゃいましたら、ぜひ下記URLまでお送りください。
(ご返信に時間がかかってしまうかもしれません。ご了承ください。)

また、この活動へのご意見、アドバイス(優しいものだけ)もどうぞ。

【宛先】
botu.ph*gmail.comまで (*を@に変えてください)

https://twitter.com/_botu

――わたし:「……なんてのどうでしょうかね。」

――上司:「ボツ!」

(この物語は、フィクションではございません。ご応募お待ちしております。)

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