140622

夏至 みなとみらい 会話


もやもやとした晴れだった。

風が心地よいくらいのほどよい暑さ。


ミズクラゲが揺蕩う海をぐるりと歩く。

彼らは椀の中に空気が入ると死んでしまうというのに、

水面にむかってひらりひらり動いている。

何を考えているんだろう?摂食?

考えることはできないよ、脳がないのだから。

神経を使って、全て反射で生きている。


イルカは片脳ずつしか眠れないんだよ。

呼吸するために、水面に上がらなくてはならないから。

人間も、そうなったら24時間働くことになりそうだね。

眠りたいね。休みたい。


大さん橋を歩く。ウッドデッキが波打った心地よいあしもと。

視界いっぱいの海。物理法則に従順な波。

クジラを模していると、腹の中で気が付く。

すでに呑まれた私たちの視界は薄暗くて、穏やかで。


million, billion, trillion, この数え方で、centillionという単位がある。

10の600乗になるんだけど、これは表記さえ出来ない。

だって、全宇宙すべての素粒子の数よりも多いんだもの

素粒子1つをゼロに置き換えても、表記できないよね。

決して表記出来ないような数さえも単位として考えるのか。

人間ってすごいな。

ハッブル 宇宙望遠鏡 で、なんにもなさそうなところを

長時間露光で撮った写真があるんだけどね、

なんにもないと思っていたのに、ものすごい数の銀河が映っていたんだ。

なんにもなさそうなところでさえ、だよ。

これだけ銀河が、星があれば、知的生命体がいても不思議じゃないよね。


ぼんやりした空は相変わらずのままで、

もう19時を回っている。

夕陽は、なかった。

日の長さに、夏至だと気が付く。


人間は月より遠くに行ったことがないんだ。

探査機を飛ばして、ボイジャーなんか太陽系の外にまで行っているけれど

人体を運んではいない。

行ってもいないのに、これだけ遠くのこと、過去のことまでわかっている。

これってすごいことだよね。


月の砂は、すごく細かいんだ。

というか、形を維持していられない。どうしてだかわかる?

宇宙線?いや、それよりも寒暖差か。

そうだね。28日周期で300度くらいの温度差にずっと晒されて

形を維持できるものなんてそうそうないよ。


覗き込むような みなとみらい駅

メトロのマークをつけた車両が流れ込む。

地下に封じ込められて、夏至の夜は遠い。