140803

香る光


山下公園で花火をした

静かに燃やす大人3人


喧しくライトアップされているみなとみらいを背に

街頭の木陰を探す

「こんなに都会で花火をやったのは初めてかもしれない」

すぐ横には大通りがあって

常に車が行きかっている


知っている世界が違う

私の知っていることを彼らは知らないし

彼らが体験したことは

まるで異国の言葉のように遠い


淡々と火の色をともす

光が勢いよく流れる

目がくらむような眩さ

ふっと消えたときの暗さと静けさ

「この喪失感のためにやっている気がする」


私たちはほとんど会話しない

青いことだけを共通点として

歌うことを共有して

ひとりごとだけで、通い合う


線香花火は、すぐに落ちてしまった

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