Rubber Room No.0001 (2)…純粋な情熱

Room No.0001
Aug 22, 2017 · 7 min read

単独者が、ラバー・カルチャーと、いかに接点を持ったのか。

その回想をしたい。

上の写真は、2017年5月3日まで暮らしていた部屋だ。

とても気に入っていたが、5月4日に模様替えを決行した理由を、次の記事で述べている。

語らなければならないほど、大きな転換だったのだ。

とても大袈裟な言い回しだけれど、シンプルに、実存の問題を扱っているので、仕方がない。もう少し突っ込んでいえば、自分という存在など本当にどうでもいいのだが、そのような願いは楽しくないということを指す。

話を戻せば、

先の記事で、

例えば2006年、床にはラバーシートを敷いていたようだが、壁に貼るまでには至っていず、上の写真に見られるようなベッドも作っていなかったようだ。

という疑問から、考察を始めただろう。

過去写真を別件で振り返っていたとき、ラバーベッドを自作した日時がはっきりし、なぜその日時なのか、という疑問さえも解消することができたので、今日はこの記事を打っている。

その日時は、2007年12月。

ベッドの上にラバーシートをかぶせた単純なものではなく、2枚の板を繋ぎあわせて、その上に布団を敷き、その上にラバーシートをかぶせている。

画像の詳細から日時は分かったが、それにしても、なぜ2007年にこれをしようと思ったのか。

自分にとって、2007年とはどういう年だったのか。

しばらく考え続け、単純な理由であったことに気づく。

ラバーに関連した2007年という線から振り返れば、その年は、ベルリンへ旅行している。つまり、BLACKSTYLEというラバーショップで、生まれて初めてラバー・アイテムを購入した、個人的に重要な年だったのだ。

ここで、よく勘違いされることなので、最初に述べておく。

自分は、ラバー・アイテムに関しては、オーディエンスにすぎない。ラバーに関連した表現をずっと続けているが、フェティッシュ・アイテムを作る側ではない。

好きなものを、好きなように、買うだけだ。

消費者だ。

そして、

昔からずっと、変わらず、

BLACKSTYLEのファンだ。


当時、日本の平均的なアダルトショップでも、ラテックス製のマスク、タンクトップ、パンツ等のパーツ的なアイテムが売られていて(Shaun Sloaneなど)、それらや、ガスマスク、分厚く真っ黒なコンドーム(メーカーを思いだしたい)などが手元にあったが、それは、工業用ラバーを好んでいたので、ゴム好きが高じ、街で手軽に買えるから適当に持っておこう、そんな気持ちで入手した程度だった、簡単にいえば。

しかし、理由は思いだせない――セクシュアリティ・カラーの強いショップに思えたからかもしれない――唯一、BLACKSTYLEには強いシンパシーがあり、運良くベルリンへ出かけるのだから必ず寄ろう、そして、精巧に作られたラバーの上下を必ず買おうと思い至る。

その経緯には、ラバーと違い、日常でも着ることのできるレザー・アイテムへの羨ましさが絡んでいたように思う。

この日常指向が当時相当重要なポイントだったが、実際BLACKSTYLEを訪ねたとき、もっと大きな体験をすることになる。

そこから始まったのだ。

規模に感動する。

そこは、スタイリッシュに設計されたラバー倉庫といっても過言ではない。しかし、それ以上に感動したのは、ショップ・スタッフの丁寧な対応だ。googleユーザーのコメントを見れば、

Begeisterung pur(純粋な情熱)

と感想を述べている方がいる。まさにそういったもの。店内へ入って二時間近く、どれを買おうか精査し続けただろう。本当はボタン式のシャツ型を買おうと思っていたが好みのデザインの良いサイズが見つからず、尋ねてみたら後日郵送になるという。だけど、ベルリンで今すぐ着たかったので、本当に悩んだすえに、ポロシャツ型を選ぶ。幸い、イメージに近いジーンズ型の黒ラバーはあったので、あとは色々と店内を見て回る。じっくり見ているだけで一日が終わるほど、そこは楽園だ。

工業用ラバーという自身のフェティシズムをその都度強調しているが、ラバー・フェティッシュというものを知ったのは、10代のときに偶然古本屋で見たラバーのファッション・フォトで、最初に購入したラバー・ビデオは森の中、河でのたうち回って楽しむキャット・スーツの女性という内容のものなので、ラバー・ファッションというものに偏見はない。自分はちょっと奇妙な領域へと素直に潜り込んでいったから、ある程度の距離は感じるが、だからこそ余計に、ラバー・アイテムで身をまとうときの自分の感覚は、ファッション側だ。ラバーが好きだから当然高揚はある。そこからのプレイというラインもいいだろう。だが、それ以上に、日常というラインで選びたい。自分には、ラバーとは別に、ナチュリストという指向があるため、話は容易ではないが、ここではそれは置いておく。

単にゴム製品を好むだけの人間であった自分が、なぜラバー・カルチャーへの参加を望んだのか、たとえその多くが室内であったとしてもだ。それは、BLACKSTYLEのショップ店員の、ラバーへの真摯な情熱に感化されたからだ。ラバー・ファッションというのは、着づらく、高価であるのに傷みやすく、場所も限られるという、相当煩わしいアイテムだが、それでも、その領域への扉を開いて道を歩んでみたいという魅力的なファンタジーに出会えたからだ。これは、とてもシンプルかつ、重要なことだ。

なぜこのことを改めて再考したのか。

それは、あのとき購入したラバー・アイテムが壊れて、時が経ったからだろう。手元にあるラバーの数々を眺めていて、気づき、数年前に日本でBLACKSTYLEのシャツは購入したが、ボトムスが足りてない。精神性に適した良いブランドを持つというしごく日常的なパワーが欠けた状態で、時は過ぎ去り、長らく生きている。

ブランドへの依存というのは別にいいのだ、自分は、オーディエンス、消費者だから。だけど、新しく購入する前に、根本を見据える、そのようなチャンスが訪れたともいえる。

そもそもの、望んでいた、ラバー・ライフ。

ゴム製品とともにある生活。日常。

それが、他者のスピリットと交わり、融合し、新たな世界を開くこと。この地震大国で、善し悪しなく様々な人間が渦巻いている、期待と残酷がマーブル状にある異形の世界で、運良く、平穏な生活を、かつ、選び続け、今もこうして文を打っているというただ1点のポイントで、改めて以上のようなことを思考の重点に据える。

_underline,2017

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